約 971,252 件
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/607.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1343649239/ 咲「京ちゃんって女ったらしだよね」 京太郎「は?」 咲「だっていっつも優希ちゃんとベタベタしてるじゃん」 京太郎「あいつはタコスが食いたいだけだからだろ? タコス作れるの俺ぐらいだし」 咲「和ちゃんだって京ちゃんのこといっつも見てるよ?」 京太郎「あれは俺越しにお前のこと見てるんだよ」 咲「そんなこと無いよ、あれ見て?」 京太郎「ん?」 和「! ///」 ササッ 咲「ほら。 さっきまで私がずーっと和ちゃんのこと見てたのにあんな反応しなかったもん」 京太郎「……あ、そう」 咲「京ちゃんの女ったらし」 咲「優希ちゃんと和ちゃんだけじゃないよ?」 京太郎「え」 咲「染山先輩は京ちゃんの顔写真をケータイの待ち受け画像にしてるし」 京太郎「なんでお前知ってんだ」 咲「部長がよく使う仮眠用ベッドあるでしょ? あそこに京ちゃんの画像プリントした抱き枕あるんだよ?」 京太郎「誰作ったんだそんなの」 咲「部長だよ。 あの抱き枕ができてから最近みーんなあのベッドで寝ること多いんだよね」 京太郎「まじか……」 咲「これでも『女ったらし』じゃないって言える?」 京太郎「うーん……」 咲「ていうか清澄だけに限ったことじゃないんだよ」 京太郎「へ?」 咲「龍門渕の、衣ちゃんいるでしょ? 最近京ちゃん寄越せって言ってくるんだよ」 京太郎「……俺天江と面識なんて無いぞ?」 咲「私が聞いたところによれば、自販機でコーンスープが上の段にあったから買えないところを京ちゃんに抱っこしてもらった、とか」 京太郎「……ああ、地区大会の時か。 そこまで印象的なことでも無かったと思うけど…」 咲「あれ以来京ちゃんに抱っこしてもらいたくてしょうがないんだって」 京太郎「う、うーん……」 咲「龍門渕のお嬢さんもそうだよ。 京ちゃんを執事に仲間入りさせたいって」 京太郎「……もしかして、あれか?」 咲「廊下で転びそうになった所をお嬢様抱っこしたんだって? …大胆なことするね京ちゃん」 京太郎「別に狙ってやったわけじゃなかったんだけどな…」 咲「ほらこれ。 今日まで隠してたけど今までに50通もの龍門渕への招待状が京ちゃんに着てたんだよ」 京太郎「うわ、すげえ。 ……いや、なんでお前持ってんだよ」 咲「他にもいろんな人から手紙着てるよ。 そうなった理由を教えてよね?」 京太郎「あ、ああ…」 咲「まず、お嬢さんの付き添いのメイドさんからは『僕のご主人様になってくれ』って手紙が」 京太郎「あのちっこいやつか? 少し話たことあるけど、なんでだ?」 咲「『昔僕の行った罪を認めてくれたことで人生が救われました』って書いてあるけど」 京太郎「…? あいつが昔やった罪って『手品で公式試合敗退』のことだろ?」 京太郎「確かに慰めてやったような気がするけど……そこまで仰々しいことでも…」 咲「次に、龍門渕のおっきい人からは『彼氏になってくれ』って」 京太郎「地区大会の時にあの身長のせいで頭ぶつけたところを見たけど……」 咲「その時京ちゃんは何かしたの?」 京太郎「いや……特に。 頭撫でてやったぐらいしか……」 咲「………」 京太郎「?」 咲「龍門渕だけじゃないよ。 風越、鶴賀、高遠原……」 京太郎「ええぇ……」 咲「ウチらとやった所の女の子とほとんど面識あるってことじゃん。どういうこと?」 京太郎「んなこと言われても……」 咲「京ちゃんの女ったらし!」 京太郎「俺自身に自覚はなかったっつーの」 咲「自覚無しでこんなにラブレター届くなんて『天然ジゴロ』だよ! 京ちゃんそんなキャラじゃなかったでしょ!」 京太郎「て、天然ジゴロ……。最悪じゃねえか……」 咲「京ちゃんは私だけのものなのに……」 京太郎「いや、誰のものでもねえよ」 咲「まぁ、とりあえず。 他の高校との接点を聞かせてもらうからねっ」 京太郎「お、おう……」 咲「風越の池田さんから。 『あたしを飼ってくれませんか』って」 京太郎「地区大会の帰りで泣いてたからハンカチあげたなぁ」 京太郎「その後頭撫でてたら『ネコみたいで可愛いですね』って言った覚えが」 咲「……」 咲「風越の福路さんから。 『あなたの胸を占拠したいです』って」 京太郎「その泣いてた池田さんを風越のバスに連れてった時に会ったな」 京太郎「目に涙貯めてたから『我慢しないでください。 先輩も頑張ったんですから』って言った」 京太郎「そしたら抱きついて泣かれちゃったからあの時はビックリしたなぁ」 咲「………」 咲「……鶴賀の加治木さん。 『お茶だけじゃ私の心はほぐれない』って」 京太郎「ん? ……ああ思い出した。天江と会ったすぐだったな」 京太郎「俺はそん時お茶を買ったんだけど廊下で加治木さんが試合前だったか緊張してうなだれてた」 京太郎「緊張ほぐす為にほっぺたにお茶缶当ててやったっけ。 『緊張はほぐれました?』って言ったよ」 咲「…………」 咲「……鶴賀の東横さん。 『今、あなたの後ろにいまッス。なーんて』」 京太郎「ああ、やたら影の薄そうだった人か」 京太郎「風越のチームメイトに呼ばれたみたいだったから声かけてやっただけだよ」 咲「…その時東横さんは?」 京太郎「『あたしが見えるッスか?』って言ったっけな。 『君のような可愛い子が見えないわけないじゃん』って言った」 咲「……京ちゃん。それ、本当に狙ってないの?」 京太郎「いや……なーんか寂しそうな雰囲気だったから、励ますために言ったんだけど……」 咲「……………」 咲「…高遠原の夢乃ちゃんから。『お嫁にしてくださいっ』」 咲「……ていうか、なんで中学校の高遠原から手紙が着てるの?」 京太郎「なんでも何も……何度か行ったからな」 咲「へ?」 京太郎「俺の従姉妹が高遠原なんだよ。 んで、夏休みとかによく遊びに行ってたんだ」 京太郎「今年も行く予定だけど……、マホはどうせちっちゃいまんまだろうなぁ…」 咲「…………」 咲「……この、『お嫁にして』ってのは?」 京太郎「従姉妹とマホがちっさい頃から言ってたんだ 京太郎「あいつらとはよくママゴトをやったからな。 俺がお父さん役だったからだと思う」 京太郎「そろそろ思春期だから嫌われるんじゃないかと思ってたけど、安心していいかもなこれは」 咲「…………」 咲「いや、安心できないよ……京ちゃん」 京太郎「ん?」 咲「これのどこが女ったらしじゃないっていうの!? ラブレターを10枚近くも貰って!」 京太郎「いや、ラブレターっていうより暑中見舞いみたいなもんじゃ」 咲「明らかに違うものがあるでしょ! ていうか初対面の人にこんなことできる人じゃなかったでしょ京ちゃん!」 咲「昔は石橋を叩いて叩き壊すぐらいチキンな性格だったのに!」 京太郎「ひでえ言われ様……」 咲「そんな京ちゃんだから私が小さい頃からずっと一緒にいたのに……」 京太郎「お前とは中学からの仲だけど」 咲「む~~! 納得行かない!」 咲「京ちゃん!私と麻雀打って! 私が勝ったら京ちゃんは私のもの! 私が負けたら私は京ちゃんのもの!」 京太郎「俺がお前に勝てるわけ無いだろ。 ていうか勝ち負け関係ねえだろそれ」 -次の日- 京太郎「えーっと……。 親の30符3翻で……5800ですか?」 まこ「そうじゃ。よくできたのう」ナデナデ 京太郎「へへ……」 咲「(ち……近い……)」 和「そっちよりこっちを切るほうがより牌効率の良い待ちになりますよ」ムニュ 京太郎「ほほー」 咲「(む、胸が肩に乗ってる! あれは卑怯だよ!)」 優希「ポッキーゲームならぬ、タコスゲームだじぇ! 先にタコス折ったほうが負けなー」ポリポリ 京太郎「こぼれねえか、これ?」 咲「(それ以上になんで一緒に食べてるの!?)」 久「ふふふ……」 京太郎「ぶ、部長…前見えないんですけど……」 咲「対面座位ー!?」 -次の次の日- 衣「きょーたろー!」 京太郎「あれ? 天江さん?」 衣「いつまでたっても来ないようだからこっちから出向いた!」 久「あらあら、これはこれは」 衣「ほら! 京太郎! 衣を抱っこしろ!」 京太郎「あ、はい」 優希「あっ! ずるいじょ!」 京太郎「たかーいたかーい」 衣「わーい!」 京太郎「たかーいたかーい!」 衣「わーい!!」 咲「…………」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/4435.html
【白糸台麻雀部】 淡「ロンー!跳満12000点!!」 モブ「アイター、と、跳んだ……」 淡「アハハ!今回も私が一番ー!」 モブ「半荘五回連続トップとか……」 モブ「今日も絶好調ですね、大星さん」 淡「うん!なんか今日は流れが来てるね。テルーにだって負けないよ」 照「ふーん……じゃあ、やってみる?」 淡「いいよ、打とうか!えっと、それじゃあ残り二人は……」 モブ「もうやめて、私達のライフはゼロですよ!?」 モブ「いやぁー……宮永先輩と大星さんが同卓じゃ東場すら耐えられる自信がないぃぃ……!」 淡「跳んだっていいじゃない、麻雀だもの」(キリッ 照「確かに」 モブ「な、なにか話を反らさないと……」 モブ「そ、そうだ、コレよ!」 モブ「それは……!」 モブ「そ、そーいえば宮永先輩、大星さん、二人とももうこれは読みました?」 照「ウィークリー麻雀TODAY?」 淡「うん、読んだけど?」 モブ「じゃ、じゃあじゃあココ読みました?ココ!?」 モブ「長野の県予選で優勝した男の子の記事、なんかこーいうのって気になりますよねー」 照「…………」 淡「あー見た見た、その記事。面白いことしてるよね!」 モブ「ですよね、ですよね!麻雀強くなって女の子に振り向いてもらおう、って必死なとこ、何だかカワイイですよね」 モブ「こんな風に一途に思われてみたいなー、私も」 モブ「宮永先輩と大星さんはこの人、どう思います?」 照「(長野に住んでるのは、少し気になるけど)特に何も……」 淡「一途なのはいいけどー、会ったことない人にこんなこと言われても困るよねー。正直、ストーカーみたいじゃない?」 モブ「いやいや、そういう考え方もあるかもしれませんけど、女の子ならこういう一途な人に好きになってもらうのは一種のステータス、乙女の嗜みって奴ですよ!」 モブ「そうですよ。特に照先輩や大星さんは雑誌とかテレビで出たこともあるし、やっぱりこの人――須賀京太郎君の想い人の可能性は高いですって!」 照「…………そんなこと急に言われても、困る」 淡「わ、照ーもしかして照れてる~?」 照「照れてない、なんとも思ってないし」 淡「そーかそーかー!」 菫「――――あいつらは何の話をしているんだ?」 誠子「さあ……」 尭深「あそこだけ、世界が華やか」(ズズッ 菫「いやいや、私達も華やかだから」 誠子「女子高生っ……圧倒的女子高生の真っ只中だから……!」 尭深「…………女子高生らしさって、何だったっけ」(ズズッ 菫「ま、麻雀?」(目ソラシ 誠子「つ、釣り?」(目ソラシ 尭深「…………」(ズズッ 淡「じゃあねー、テルー!また明日~!」(フリフリッ 照「ん」(フリフリ… ――――そんでもって大星家 淡「ただいまー!」 大星母「おかーえりー。お弁当箱、洗うからさっさと出しちゃってー」 淡「ハーイ……あー、今日も楽しかった!テルーとは打てなかったけど……まあ、明日対局すればいいよね」(鞄ゴソゴソ 淡「あ、麻雀TODAY持って帰ってきちゃった……。まあいいか、部で買ってるやつだし、明日返せば問題ないよね」(ポイーッ 淡「お母さーん、私、部屋でネット麻雀してるからゴハンになったら呼んでねー」 大星母「はいはーい。呼ばれたらすぐ来れるように、東風戦にしとくのよー」 淡「え~……しょうがないなー、了解ー」(トタトタ 大星母「ホントに麻雀バカなんだから、あの子は……。アラ?なにこれ、ウィークリー麻雀TODAY……ああ、あの子とか、先輩の……是永ちゃん?だったかが載ったりしてる雑誌か」(×是永→○宮永 大星母「――――ふーん、よく分からないけど将棋とか囲碁みたいに定石があるのね、麻雀って」(パラパラ 大星母「あ、ここからはいろんな学校の生徒さんの特集記事か。フフ、澄まし顔で写ってるわね、あの子――――――――アラ?」 『心に秘めた熱き夢!届くか、少年雀士の想い!?長野県男子個人戦一位の心を射止めた少女はこの中にいる――――!!』 大星母「長野……須賀京太郎――――――――アラアラまあまあ♪」 大星母「淡ー、ちょっと淡~!」(オイデオイデ 淡「なーにー?私、いま忙しいんですけどー!」 大星母「今やってる対局終わったらでいいからこっちに来なさいー。オヤツにシュークリーム用意してたの、お母さん忘れてたのよー」 淡「シュークリームと聞いてっ」(シュパッ 大星母「現金な子ね、少し心配になるぐらい。ちょっとお茶も用意してくるから待っててねー」 淡「ハ~イ♪」(チョコン 大星母「はい、お待たせ」 淡「わーい、いただきまーす!」(モフモフ 大星母「……食べながらでいいんだけど淡、この子の記事ってもう読んだのかしら?」 淡「ウマウマ……んー?長野の男子個人戦優勝した人でしょ。なんか、好きな人に振り向いてもらいたいからガンバッター、っていうの」(マフマフ 大星母「そうそう、その子。お母さん、麻雀はよく分からないけど大会で一番になるのって、とっても大変なんでしょう?」(淡母がプロだとか元プロだか設定出たら終わるね、イッチ 淡「ん~、わっかんない。長野がどのくらいのレベルか知らないもん」(モキュモキュ 大星母「薄情な子ね~……まあしょうがないか、あなたアホの子だものね」 淡「アホじゃないよ!?ちょっと物忘れが激しかったりするだけだもん!!」 大星母「じゃあ鳥頭ね~」(ウフフ 淡「ぶー……なんでそんな意地悪なこと言うのよー」 大星母「だって、かわいそうじゃないこの子」(記事指差し 淡「………どーして?」 大星母「アラアラ、やっぱり完全に忘れ去ってるわね、この子ったら」 淡「もきゅ?」(二個目 大星母「ほら、あなたが小さかった時、長野に旅行にいったことがあるじゃない?」 淡「長野に旅行…………ん~、あったような、なかったような」(ンムム 大星母「まあ、小学校に入るか入らないかって頃だから、忘れてても仕方ないのかしらねー」 淡「あー…………そう言われると、なんか思い出してきたよーな。けっこー長い間、お泊まりしたっけ?」 大星母「そうそう、それよそれ。観光なんて一日で一通りやっちゃって、やることなくて暇だったから地元の散策するようになったじゃない。そこであなた、地元の子達の遊びに混ぜてもらったの、覚えてない?」 淡「――――それって、公園……?」(モグモグ 大星母「それよー。なんだ、あなたちゃんと昔のこと思い出せるんじゃない、お母さんビックリしちゃったわ」 淡「長野で……公園…………地元の子――――あれ?」 ――――おまえー、なにやってんのー? ――――みんな、わたしがしらない子だからまぜてあげないー、って…… ――――フーン……ちょっとこっちこいよ! ――――うきゃ……てーひっぱんないでよ……! ――――いいからいいから。オーイ、この子もまぜてイロオニやろーぜー! ――あー、すが君だー ――えー、その子しらない子じゃん。しらない子とあそんだらいけないんだよ ――――そんなの気にするヤツは「ちっちぇえな」って、このあいだ王様がいってたぜー ――王様がいってるならしょうがないね ――そーだね、王様のいうことはぜったいだもんね ――――ホラッ、みんないいってさ! ――――わ、わたしもいっしょにあそんでいいの? ――――だいじょーぶだって、ホラ、オニきめるからジャンケンするぞー! ――オー ――――お、おー ――――そういやおまえー、なまえなんつーの? ――――あ、あわい……おーほしあわい ――――フーン、オレはきょーたろうな、すがきょーたろう。よろしくなー 淡「――――――――アアァァァァァァァッ!?」 大星母「あら、ちゃーんと全部思い出したのかしら。この子のお陰であなた、遊びに混ぜてもらったのよねー。それから帰郷するまで毎日、公園に行ってついて回ってたんだから」(京太郎が関東から引っ越してても死ねるな、コレ 淡「え、ウソ……なに、ホントにこいつがアレなの、あのきょーたろう君!?」 大星母「長野で須賀って苗字は珍しかったはずだし、同じ子だと思うわよお母さんは」 淡「え、ええぇぇ~……」 大星母「それでホラ、明日東京に帰るからってみんなにバイバイしに行った時、あなた急に帰りたくないーって大泣きしだして~」(ニマニマ 淡「ちょっと、やめて思い出させないで……」(カァッ ――――ヤダヤダ、かえりたくないー!ムリならきょーたろうくんもつれてかえる~! ――――おまえどこのジャイアンだよ…… ――――だってー…… ――――ん~、しょーがねえなー。だったらおおきくなったら会いにいってやるよ、おれが ――――ホント……?とーきょーって、ここからずーっとずっととおくにあるんだよ? ――――まあ、なんとかなんだろー、タブンネ ――――それに、オウチがどこにあるかもしらないと迷子になっちゃうよ…… ――――ん~、そしたらさ、なんかゆーめいになっとけばいいんじゃないの? ――――わたしが……? ――――そうそう、それならどこにいてもわかりそうじゃん! ――――な、なにでゆーめいになったらいいのかな…… ――――そんなのしらねー、なんかかんがえてくれ。オレ、バカだからよくわかんねーもん ――――え、えぇ~……んっと、んーーーっと……そ、それじゃあ、マージャンは? ――――マージャンって、あのドンジャラのニセモノ? ――――ドンジャラがニセモノだよー……あれがつよいと、テレビにいっぱいうつれるし。わたし、じつはマージャンとくいなんだよ! ――――フーン、ドンジャラってマージャンのニセモノだったのか…… ――――ダ、ダメかな? ――――んー、まあいいんじゃねーの? ――――それじゃあ、やくそくしたからね!ウソついたら点棒100ぽん、のますからね! ――――おー、いいぜー。テンボーがなんなのかしらんけど 淡「……………………え、あれ?いろいろ思い出したのはいいんだけど、この流れでなんできょーたろう君が麻雀やってるわけ?」 大星母「ホントーにアホの子ねえ、あなた。ここにちゃんと書いてるじゃない……漫画ばかり読んでちゃダメよー?」 淡「ここって……」 だから、今言えるのは……自分もあんな風に真剣に、楽しそうに麻雀を打てるようになりたい……それだけです―――― 大星母「あなた、麻雀だけは一人前だもんねー。スゴイじゃない、自分の得意なことで男の子を必死にさせられるなんて♪」 淡「一人前どころか百人前だよ!」(フンゾリ 大星母「麻雀しか取り柄がないっていうのは、お母さんとしては心配なんだけど……まあ、しょーがないのかしら」 淡「アハハ、そっかー、きょーたろう君は私に会った時に恥ずかしくないよう麻雀強くなってるのか~!フッツーに会いに来てくれればいいのに、回りくどいことしてるな~、もう!」(ニヤニヤ 大星母「ついさっきまで、思い出を忘却の彼方に追いやってた子の言っていいことじゃないわねー」(ヤレヤレ 淡「よーし、なんかやる気出てきちゃったから私、もっ回ネット麻雀してくるね!さっき対局した【トーカ】っていうのが、ケッコー手強くてさ。最後まで振り込まないし、捲りにくるしで生意気だったの!」(プンスカ 大星母「ちゃんとご飯は食べにくるのよー」 淡「ハーイ!!」(ダダダッ 京太郎「――――ふえっくし!」 一「あれ、須賀くん風邪でもひいたの?」 純「っかしーな、ナントカは風邪ひかねーんじゃなかったっけ?」(ケラケラ 京太郎「酷いですねー……これはアレです、誰かが噂してるんですよ、噂」 衣「きっと、いつか相まみえる兵に違いないな!」 京太郎「だったら……望むところっ……」(ざわ… 衣「ククッ、その意気だぞ京たろー!」(ざわ…ざわ… 純「だからおめーら、そのざわ…ざわ…はやめろって」 透華「くーーーー、ムカツク、なんかムカツキますわ、さっきの相手!」 智紀「透華、どうかしたの?」 透華「どうもこうも!ネット麻雀で【あわあわ】とかいうのと対局したのですけど、最後他家を跳ばして私の四暗刻聴牌を台無しにしてくれましたのよ!?」 京太郎「あちゃあ、それは痛いですね」 透華「今度会ったらギャフンと言わせてやりますわ、ギャフンと!!」(ジタバタ 京太郎「ハハ、が、頑張ってください透華さん」 透華「ええ、もちろんですとも!だ、だからその時は応援よろしくですわ、京太郎!!」 京太郎「えー……俺が応援してもたいして変わりませんって」 一「須賀くん、そこは素直に任せてくださいって言うところだよ」 智紀「わかってない、乙女心」 衣「ダメダメだな、京たろーは!!」 純「おお、ダメダメだな。なんのことかよくわかんねーけど」 京太郎「皆ひどいっすね……」 ハギヨシ「――――皆さま、お食事の用意ができました」 京太郎「あ、もうそんな時間ですか?じゃあ、俺はそろそろお暇――」 ハギヨシ「もちろん、須賀様の分も用意してあります。どうか皆様と食事していってください」 透華「グッジョブですわ、ハギヨシ!!」 ハギヨシ「私、透華お嬢様の執事ですから」 そんでもって食事の時間―――― 一「そういえばさ、僕たちは小さい時から麻雀やってるわけだけど」(カチャカチャ 純「おー、なんだかんだで結構長いことやってるよな」(ガツガツ 智紀「私は……透華に外へ引っ張り出されてから」(チビチビ 一「ともきーはまあ、あれとして。須賀くんって高校になってから麻雀始めたんだよね、確か」 京太郎「ええ、そですね。周りで流行ってるのは知ってましたけど」(モグモグ 一「今時珍しいよねー。なんか切っ掛けでもあったの?こう、麻雀やってみようかなーって切っ掛け」 京太郎「んー……どうでしたかね」 京太郎(まさか、和が麻雀部に入るって優希と話してるの聞いて、同じ部なら近くでオモチを見れる――――なんて思った、とは言えねーな、言えねーよ) 京太郎「…………なんとなく、ですかね。麻雀でこう、新しい世界が開けるかも――みたいな?」 純「なんだよそりゃー」 一「男の子って、たまに変な理由で新しい趣味を見つけたりするよね~」 智紀「青春……?」 京太郎「そ、そこまで青臭いもんじゃないですけど……。そういえば俺、昔は麻雀ってドンジャラのパチモンだって思ってたんですよね」 衣「おお、絵合わせのゲームだな、知ってるぞ!」 透華「そ、それはさすがにどーかと思いますわ……」 京太郎「いや、まあ今思えばとんでもない勘違いなんですけど……そういや、誰だったっけ、ドンジャラが麻雀のニセモノだって教えてくれたの……?」 一「案外、将来の約束したかわいー女の子だったりして」(ケラケラ 透華「んな!ホントですの、京太郎!?」 京太郎「ハ、ハハ、そんな都合のいい思い出なんて……思い出…………ん?」 透一智純衣ハギ「――――――――え?」 京太郎「――――ナイデスヨ、タブン」 透一智純衣ハギ「そ、その間は何?」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/539.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1341143066/ 清澄麻雀部 部室 咲「こんにちはー」ガチャ 咲「あれ?一番乗りかな...?」キョロキョロ 咲「誰かいるかと思ったんだけどなぁ...どうしようかな...」 咲「!」 咲「そうだ。借りてた本があったんだっけ...」 咲「最近、麻雀が忙しくなってきて、あんまり本も読めてないしね…」 咲(麻雀やっぱり面白いからなぁ。京ちゃんに誘われて良かった。) 咲(そ、それに!放課後も京ちゃんと居られるし///…京ちゃんほぼ雑用だけど。) 咲「ま、皆が来るまで読書でもしてよう」ペラペラ 咲「さて、どこまで読んだかなと」ペラペラ ……… …… … ガチャ 京太郎「うぃーす。」 咲「あ、京ちゃん」 京太郎「おー咲。何だ一人だけなのか?」 咲「うん。部長とかもいなくてね。それで本読んでたの」 京太郎「おお。久しぶりの文学少女モードか!やっぱ咲はそっちのがしっくりくるなぁ」 咲「えへへ。最近本読む時間とかも無かったしね。」 京太郎「そうだな。なんか高校入った頃を思い出すなー」 咲「京ちゃん…なんかお爺ちゃんみたいだよ?」 京太郎「んー?失礼な事を言うのはこの口かー?」グリグリ 咲「やっやめふぇよぉ…」/// 京太郎「おらおら、ここがいいのかー?」グリグリ 咲「ほっへたぐりぐりしないでよ…///というか何か意味変わってきてるよ!」 京太郎「はっはっは。よいではないかー」グリグリ 咲「うぅー」/// ガチャ 久「遅れてごめんなさい…あら?お邪魔だったかしら?」クスクス 咲「お、お邪魔だなんてそんなことっ…///」 京太郎「そーですよ部長。咲に限ってそんなことあるわけ…」 咲「むっ」ゲシッ 京太郎「痛ってぇ!なにすんだよ咲!」ジンジン 咲「ふーんだ。京ちゃん何か知らないもん!べーっだ!」 久「あらあら…うふふ」 京太郎「思い切り弁慶蹴りやがって…」サスサス 京太郎「あ、そういえば部長今日は人少ないですけどどうしたんですか?」 久「あ、ごめんなさい!すっかり忘れてたわ」 久「伝えるのが遅れて悪いんだけど今日は部活休みにしようと思うの」 咲「えっ!そうなんですか?」 久「えぇ。ここのところインフルエンザ流行ってるじゃない?」 久「ウチの部員も何人かかかっちゃったみたいでね…。」 京太郎「ま、まさか今いない三人って…」 久「そうなの。皆ダウンしちゃったみたいでね?」 咲「皆大丈夫かなぁ…」 久「一応皆にはメールを貰ってて来週には復帰できるようになるって」 京太郎「そうですか。それなら良かったですね。」 久「ホントにね。それに大会も近いんだから体調管理はしっかりとしないと。」 久「そこで今日は三人でしか打てないからそれなら明日から土日だし」 久「三連休にして皆にはしっかり休息を取ってもらおうと考えたのよ。」 京太郎「確かに、ここのところ根を詰めっぱなしだったもんなぁ…」 久「でしょう?たまにはゆっくり休むことも必要だからね。」 久「私はまだ学校で学生議会の仕事が残ってるから先に帰ってもらっていいわよ」 咲「そうですか。お気遣いありがとうございます。」 京太郎「部長も気をつけてくださいね?インフルエンザ」 久「ふふっ。ありがとう二人とも」 久「あ、須賀くん。」 京太郎「はい?なんでしょうか。」 久「きちんと咲ちゃんを送らないとダメよ?世の中物騒なんだから」 京太郎「えっ」 咲「っ!///ぶ、部長!」 久「ふふふ。ごめんなさいね。それじゃ二人とも気をつけて。」ガチャ 京太郎「…」 咲「…」/// 咲(もぉー。部長があんなコト言うから意識しちゃうよ…) 咲(そ、そりゃあ今日は人が少ないし?珍しく優希ちゃんとかじゃなくて) 咲(私にかまってくれるかなとか…考えてたけどさっ///) 咲(うぅ。好きなのバレたかなぁ…?いや、京ちゃん鈍感だもんね…) 咲(大丈夫。うんきっと大丈夫だよ!) 京太郎「…」 京太郎(いやー。部長怖いなーさすがだわ) 京太郎(やっぱアレなのか?好きってことバレてんのか?) 京太郎(というか今の発言からしてなぁ…十中八九そうだよな…) 京太郎(んー。中々切り出せないヘタレなオレが悪いんですけどね) 京太郎(咲も咲なりにアプローチしてくれてんのに…ヘタレだなぁオレ…。) 京太郎(と、とりあえず送るか…まぁ今日は何か口実つけて一緒に帰るつもりだったけど) 京太郎「帰るか。咲」 咲「う、うん!」 帰り道 京太郎「んー。まだまだ暑いなぁ」 咲「だね。まぁ夏だから仕方ないよ京ちゃん」 京太郎「そりゃそうだな。しかしいきなり休みとなると暇だよなぁ」 咲「そうだね。でもここのところ練習ハードだったから良いリフレッシュだよ」 京太郎「かもな。しっかりした部長だと安心だよホント。」 咲「あはは。そうだよね。」 京太郎「…咲はさ、今の麻雀部楽しいか?」 咲「えっ?どうしたの京ちゃん?」 京太郎「いや、なんかさ。咲を麻雀部に連れてきたのってオレじゃん?」 咲「そうだね。なんか懐かしいよ」 京太郎「お前すごく強くてさ。驚いたんだけどそれよりも」 京太郎「咲にはもっと他の高校生活もあったんじゃないかなーと思うんだよ」 咲「京ちゃん…」 京太郎「きっかけを作ったのはオレだからさ。咲が今をどう思ってるのか知りたくて」 京太郎「練習だってハードだし。貴重な高校生活」 咲「ふふっ。心配してくれてるんだー?」ニヤニヤ 京太郎「ばっバカ。オレは割りと本気でだな…」 咲「大丈夫だよ京ちゃん」 京太郎「えっ…」 咲「私ね、最近すごく麻雀するの楽しいんだよ?」 咲「騒がしい麻雀部も好きだし居心地が良いし」 咲「たぶん中学の頃みたいに本を呼んでばっかりの私じゃ体験できなかったことだと思うの」 咲「だから京ちゃんにはこれでも感謝してるんだよー?」 京太郎「咲…」 咲「私も麻雀が嫌いだったりした頃もあったけど、今は好きになれたのは」 咲「和ちゃんとか麻雀部のおかげでもあるし、今で打ってきた人たちのおかげでもあるし」 咲「それに、それになりよりきっかけをくれたのは京ちゃんだから…。」 京太郎「ありがとうな。咲」 咲「ううん。御礼を言うのはこっちだよ京ちゃん」 京太郎「そっか。良かったよそう言ってもらえてさ」 咲「あーでも。確かに高校生活だもんね。他のことも大切だよね」 咲「そ、その…例えばれ、恋愛とか…?」/// 京太郎「あ、あー恋愛ね…恋愛…」 京太郎「れ、恋愛!?」 咲「な、なにさ!私だって女の子なんだよっ?」 京太郎「いや、まぁそりゃそうだろうけどさ…お前の口からそんな言葉が出るなんて」 京太郎「おにーさん嬉しいよ…」 咲「ひどいよっ!京ちゃん!」ギュルルッ 京太郎「うぐっ」 京太郎「お、お前コークスクリューなんて何処でおぼえた…」ガクッ 咲「ふーんだ。京ちゃんがいじわるするからだよ」 京太郎(ちょっと咲からかうのやめとこう…体がもたん…) 咲宅前 京太郎「痛ぅ…まだ痛むぞこれ…」 咲「からかった罰ですよーだ」 京太郎「うぅ…っと家ついたな。」 咲「あ、ホントだ。えと、ありがとね京ちゃん…送ってくれて」 京太郎「いえいえ。姫のためなら当然でございますよ。」 咲「あはは。京ちゃん似合わないね」 京太郎「うっ。お前も優希に似て毒舌になってきたなぁ…」 咲「それは自業自得じゃないかなー?」 京太郎「へいへい。よし、んじゃ帰るかね」 咲「あ、京ちゃん気をつけてね。また来週に」 京太郎「おう!んじゃまたなー」テクテク 同日咲の部屋 咲「んー」ゴロゴロ 咲「心配してかぁ…」 咲「…」 咲「………えへへ///」 咲「でもなぁ…あんなに馬鹿にすることないよね…」 咲「やっぱ女の子として見てもらえて無いのかなぁ…」 咲(そもそも麻雀部は女の子だらけだしなぁ…) 咲(優希ちゃん何かちっちゃくて可愛いし…) 咲(あのふたり仲良しだもんなぁ。京ちゃんタコスまで作れるようになったし) 咲(和ちゃんはスタイル良いし綺麗だもんなぁ) 咲(京ちゃん和ちゃんのおっぱいばっかりみてるし…) 咲「おっぱい…」 咲「…」ペタペタ 咲「…はぁ。」 咲「牛乳のもう…」 <~♪ 咲「ん?電話かな…」 咲「こんな時間に一体誰だろう…?」 from京ちゃん 咲「京ちゃんだ!」 咲「えっと落ち着こう…深呼吸深呼吸」スーハー 咲「よし、で、でるぞー」pi 咲「も、もしもひっ!」 咲(噛んだーっ!!)/// 京太郎「さ、咲か…?」 京太郎「すまん後生だ…助けてくれ…」 咲(良かった噛んだことバレてない)ホッ 咲(いや、そんなことより!) 咲「えっ!?ちょっとどうしたの京ちゃん!」 京太郎「実は………」 前日京太郎宅 京太郎(ふーむ。今日は一緒に帰れてよかったな) 京太郎(しかし、アレかまさかあのお姫様が恋愛ねぇ…) 京太郎(これはライバルの危険性も考えないとイカンのかね) 京太郎(あいつトロ臭いからふらふら行きそうで怖いんだよなぁ…) 京太郎(はぁ…。) 京太郎「っともう家か。ただいまーっと」ガチャッ 京太郎「ん?あ、あれ?」ガチャガチャ 京太郎「何で鍵かかってんだぁ…?えっとたしか郵便受けの中に…」ゴソゴソ 京太郎「あった鍵!よしただいまー」ガチャリ … 京太郎「誰もいない…?母さーん?」 京太郎「お、机の上に手紙…?何々…」ペラリ 京太郎へ 岩手のお婆ちゃんがお爺さんが倒れて一人なので お父さんと一緒にお世話をしにいくことになりました。 とりあず日曜には戻ると思うので土曜日はお留守番お願いします。 食事などはお金を置いておくので適当に何か買って作ってください。 母より 京太郎「なん…だと…?」 京太郎「いや、婆ちゃんのことなら仕方がないけどさ」 京太郎「料理って…できねぇよそんなこと…」 京太郎「朝昼はなんとかして夜はなぁー」 京太郎「どうする…?このままでは飢えてしまう。」 京太郎「そういえば咲って料理できたか…?」 京太郎「んー。仕方ない恥を偲んで頼んで見るかな」 京太郎「えーっと咲の番号はっと」pipipi 京太郎「…というわけなんだわ。」 咲「はぁー。なんだ、心配して損しちゃったよ!」 京太郎「いや、これはオレにとっては死活問題でだな…」 咲「ふふっ。まぁいいよ?ここは幼馴染のよしみで助けあげよう。」 京太郎「さすが、さすがです姫!信じてた!」 咲「ほ、褒めすぎだよっ///それに姫とか恥ずかしぃよ…」 京太郎「あはは。でもほんとありがとう咲。助かるよ。」 咲「ふふっ。いいよ京ちゃん。それでいつ行けばいいの?」 京太郎「あー。とりあえず冷蔵庫空みたいだからさ」 京太郎「とりあえず買い物行かないとかなぁ…?」 咲「なるほど。それなら4時くらいにお邪魔していいかな?」 京太郎「おう。んじゃそれでよろしく頼む。ごめんなこんな時間に」 咲「んーん。いいよいいよ京ちゃんだもん。それじゃおやすみ京ちゃん」 京太郎「おやすみ。咲」pi 咲「…まったくしょうがないなぁ京ちゃんは…」 咲「…」 咲「…えへへ///」 咲(やった!やったやった!京ちゃんの家で御飯!)/// 咲(しかもあれだよね?家族の人誰もいないんだよね…?) 咲(これって、アレだよね…なんか奥さんみたいだよ!)/// 咲(うー。顔のニヤけ戻んないよぉ…///どうしよう…) 咲「夕方からだよね…とりあえずこっちの夕食を適当に作ってからかな」 咲「何作ろうかな?やっぱ京ちゃん男の子だしお肉とかの方が良いのかな」 咲「よーし。明日は頑張るぞーっ!」 当日夕方 咲「京ちゃんいるかな?えっと、こんばんはー」ピンポーン 京太郎「はーい。お、咲悪いなわざわざ…」ガララッ 咲「ほんとだよー?今度何か学食奢ってね?」クスクス 京太郎「おう、まかしとけ何でも奢ってやるよ!」 咲「約束だからねー?あ、買い物行く前に荷物置いといていいかな?」 京太郎「ん?何か持ってきたのか?」 咲「うん。エプロンとあと肉じゃが作ってきたから」 京太郎「おぉー。さすが咲!」 咲「えへへ。それじゃ置いてくるからちょっと待っててね?」 京太郎「おう。よろしく頼むわ」 ……… …… … スーパー 京太郎「さて、スーパーに着いたわけですが」 咲「そういえば京ちゃん何か食べたいものある?」 京太郎「んー。食いたいものなぁ…」 京太郎(別に咲が作るものならなんでもいいんだけども) 京太郎「あ、あれだ。ハンバーグが食いたいです」 咲「ハンバーグかぁ。それだとひき肉と卵と玉ねぎとパン粉くらいかな?」 咲「調味料はあるとして…あ、京ちゃん牛乳あった?」 京太郎「ん。まだあったと思うぞ?」 咲「そっか。京ちゃんて和食好きだったよねたしか」 京太郎「おう。よく憶えてるなぁ…。」 咲「幼馴染やってますから」エヘン 咲「それじゃソースは和風にしようかな!んじゃ買い物行こっかー」 京太郎「おう。行きますか!」 ……… …… … 会計後 京太郎「ひき肉、たまねぎ、卵にパン粉…あと大根に大葉にレタスか。」 京太郎「結構買ったなー」 咲「そだね。っともう5時だよ京ちゃん!」 咲「早く帰って作らないと」 京太郎「おう、んじゃ戻るか。その前に買い物袋をこっちに渡してもらおう」 咲「へっ?なんで?」 京太郎「いや、お前なんでって…こういうのって普通男が持つもんじゃないか?」 京太郎「それに咲はトロ臭いからなぁ…」ニヤニヤ 咲「こ、これくらい持てるもん!」/// 京太郎「でも卵とかもあるし、それに女の子に持たせるのはオレのプライドが許さん」 咲「うぅ…じ、じゃあ!買い物袋の左側持ってよ!」 京太郎「えっじゃあ右どうすんだよ」 咲「だから右側は私が持つから!それなら安心でしょ?」 京太郎「んー。まぁそれなら…」 咲「よし、決まりだね京ちゃん!早く帰んないと暗くなるよ?」 京太郎「おー。んじゃ行こうか。」 帰り道 京太郎「…」///テクテク 咲「…」///テクテク 京太郎(いや、まぁわかってたんだけどさ…) 咲(この格好…) 京太郎、咲(は、恥ずかしい!)/// 京太郎(うん。全く先程から会話がない…咲は咲で顔赤くしてうつむいてるし) 京太郎(恥ずかしいならやめとけばいいものを…可愛い奴め) 京太郎(しかしこれはオレにもダメージがデカいな…まぁ嬉しいんだけどさ) 咲(うーっ。勢いで言ったとは言え恥ずかしいよぉ…)/// 咲(京ちゃんの顔見れないし…私今絶対顔ニヤけてるし…) 咲(どうしよう…でも嬉しいや…)/// 京太郎「…」スタスタ 咲「…」テクテク…タタッ 京太郎「…」スタスタ 咲「…」テクテク…タタッ 京太郎「……あ。」スタスタ…テクテク 咲「…」テクテク 咲(あれ?なんか急に歩くの楽になった気がする?) 咲(あっ…) 京太郎「…」テクテク 咲(京ちゃん…歩く速さ…合わせてくれてるんだ…) 咲(やっぱり、優しいんだね京ちゃん…) 咲「…えへへ」/// 京太郎「ん。どうかしたか咲?」 咲「何でもないよー?へへっ」/// 京太郎「明らかに笑ってんじゃん!」 咲「教えてあげないもんねっ。さ、早く帰ろ京ちゃん!」タタッ 京太郎「なんだよそれ…ってうわっ!いきなり走んなって…」タタッ 京太郎宅 咲「ただいまー」 京太郎「ただいまーって誰もいるわけないだろ」 咲「あはは、そっか。それじゃ台所借りるねー?」 京太郎「おう。んじゃ俺も行くよ。何か手伝いたいし」 咲「そう?んじゃ待ってるね。」 台所 京太郎「ふぅ。おまたせー」 京太郎「!」 咲「ん?どしたの京ちゃん?」 京太郎「いや、エプロン着てるんだなーと」 咲「あぁ。これ着ないと服汚れちゃうしね。どう?結構様になってるでしょ?」クルッ 京太郎(いや、普通に似合ってるな…良い物を見れた。) 京太郎「あ、あぁなんつうか…その、可愛いと思うぞ?」 咲「へっ!?」/// 京太郎「あ、いや…なんか普段の咲とギャップっていうかなんというか…」 咲「も、もう!何言うの京ちゃん!からかわないでよ…」 京太郎「からかってるつもりはないんだって!その…普通に可愛いから…」 咲「えぅ…///そ、そっか…ありがと」モジモジ 京太郎「お、おう…」 咲「…」 京太郎「…」 咲「り、料理作ろっか!」/// 京太郎「そ、そうだな!手伝うよ。」 咲「さて、まずはボールにひき肉、卵、玉ねぎ、パン粉、牛乳…あと調味料を入れてと」 京太郎「ふむふむ…」 咲「よし、これを素手で混ぜてくれる?京ちゃん」 京太郎「おう。コレがタネってやつだな」グリグリ 咲「そうそう。白くなるまでしっかり混ぜてねー」 京太郎「へいへい。まかせろ!」コネコネ … 京太郎「おし。結構白くなってきたぞ」 咲「うん。おつかれさま。それじゃ今度はこのタネをこうやって小判型にね」ヒョイッ 京太郎「おーなんかもうハンバーグだな」ヒョイッ 咲「意外に簡単なんだよねハンバーグ。ウチでもよく作るよ?」 咲(いつか京ちゃんに作ってあげるタメに死ぬほど練習したからね…) 京太郎「へー。咲は料理が上手いし良いお嫁さんになりそうだな」 咲「よ、嫁とか!///何言ってるの京ちゃん!」 京太郎「いや、だって最近ってアラフォー?っての?」 京太郎「婚期逃す人多いって聞くしさ、やっぱ料理できるのって大事だろー」 咲「だからって…もう…京ちゃんのバカ」 京太郎「バカとは失礼な!」 咲「あ、今度はこうやって形を両手でキャッチボールして空気抜いてね」ペチペチ 京太郎「なぁ?これって何か意味あんの?」ペチペチ 咲「んー。空気を抜いて形崩れを防ぐためかな?最後に真ん中にくぼみを入れて完成だよ」 京太郎「よし、こっから焼く訳か」 咲「うん。焼きは私がやるから京ちゃん御飯ついで食器並べといて?」 京太郎「うい。了解しました」 京太郎「…」カチャカチャ 咲「~♪~~♪」ジューッ 京太郎(うむ。エプロンを着た咲が鼻歌を歌いながら台所に立ってる…) 京太郎(なんか…こう…良いなこういうの。) 京太郎(温かい気持ちになるぞ) 京太郎「…っと食器、食器」カチャカチャ … 京太郎「よし、咲。こっちは準備できたぞ」 咲「こっちも焼けたよー。運んでくれる?京ちゃん」 京太郎「おぉ。美味そう!」 咲「あ。あとこれもお願いね。」コトッ 京太郎「ん?なにこれ?」 咲「ソースの大根余ったからレタスと合わせて簡単なサラダにしてみたの。」 咲「お肉ばっかじゃバランス悪いでしょ?」 京太郎「片手間にもう一品ってやつか。すげぇな」 咲「女の子ですからねーふふっ」 京太郎「おぉ。並べると壮観だな…」 京太郎「よし、それじゃ頂きます!」 咲「はい、召し上がれー」 京太郎「んじゃ。とりあえずハンバーグから…」パクッ 咲「ど、どうかな…?」 京太郎(う、美味い!…程よい焼き加減…溢れる肉汁…そしてすべて包み込む) 京太郎(おろし和風ソース…完璧なハンバーグだ…) 京太郎「美味い美味い!すごいな。まさかここまでとは」バクバク 咲「良かったぁ…」ホッ 咲「って京ちゃん!落ち着いて食べないとつまらせるよっ」アセアセ 京太郎「いやでも美味すぎてさ…」モグモグ 京太郎「止めるとか無理だわこれは」モグモグ 京太郎「この肉じゃがもサラダも美味いよ」モグモグ 咲「もう…ふふっ」/// ……… …… … 京太郎「ふぅー。食べた食べた。」 京太郎「ご馳走様でしたっ」パンッ 咲「はい。お粗末さまでした。」 咲「それじゃ、洗い物しちゃうねー」カチャカチャ 咲「しかしすごいね…全部食べちゃったんだ」 京太郎「だって美味いんだもん仕方ないだろ」 咲「ふふっ///なにそれー」ザーッカチャカチャ 京太郎「こんなのなら毎日食いたいね」 咲「あはは。それじゃ…お、お嫁に貰わないとだねぇ…あはは」カチャカチャカチャ 京太郎「うん。そうだよなぁ。嫁に貰わないとだなー」 咲「あ、あはは。京ちゃんちょっと冗談言い過ぎだよ…?」 京太郎「いや、…別に冗談じゃなくてもいいよ」 咲「えっ!?///っとわわっ」パリーンッ 京太郎「!」 京太郎「さ、咲大丈夫か!?」 咲「う、うん。お皿割っちゃってごめん…。」ショボン 京太郎「そんなことはいいから!怪我とかないか?」 咲「うん。それは大丈夫。スグどけたから。」 京太郎「そうか。…良かった」ホッ 咲「そ、それよりもさ今の話…ホントなの?」 京太郎「うっ。いや、あの…それはだな…」 咲「う、嘘なの…?」ジワッ 京太郎「ち、違う!オレは…オレはお前が…」 京太郎「…お前のことが…好きなんだよ」 咲「京ちゃん…」 京太郎「ホントはもっと早く言えれば良かったんだけどな…」 京太郎「ずっとずっと言いたくてさ。でもどうもヘタレちゃってな」 京太郎「でも、もうちゃんと言えるぞ。オレはお前が好きだよ。咲。」 京太郎「やっと言えたよ。何年越しなんだっつー話だよな」 京太郎「ごめんな。ほんとこんなに遅くなってさ。」 咲「…」 京太郎「さ、咲?」 咲「………うぅぅぅ。」ギュッ 京太郎「お、おい!」 咲「京ちゃん…京ちゃん…グスッ」ギュッ 咲「私…ずっと…ずっと待ってたんだよ…?…ヒック…」 咲「それで…こんないきなり…ヒック…」 咲「京ちゃん…ずるいよこんなの…嬉しくないわけないよぉ…グスッ」ポロポロ 咲「私もね…私もずっと言いたかったの…でも和ちゃんとか美人な人ばっかりで自信なくて」 咲「今の京ちゃんとの関係を壊すのもすごく怖くて…グスッ…」 咲「だから…今すごく嬉しくて…涙止まらなくて…ヒック」ギュッ 咲「私も好き…京ちゃんが大好きだよっ」 京太郎「よしよし…」ナデナデ 咲「…京ちゃんッ…」ギュッ ……… …… … 京太郎「落ち着いたか?」 咲「う、うん。ごめんね?」/// 京太郎「いや、別にいいけどさ、とりあえず皿片付けようぜ?」 咲「そ、そうだね!箒もってくる!」タタッ 京太郎「おいおいこけるなよー?」 咲「大丈夫だもんっ!」/// 京太郎「よし、こんなもんか」 京太郎「咲、破片踏むなよ?まだあるかもしれないから」 咲「そ、そこまでドジじゃないよっ」 京太郎「ホントかよ…ってもうこんな遅いのか…そろそろ帰るか?」 咲「…」 京太郎「…咲?」 咲「もう、ちょっとだけ…ダメ?」 京太郎「親父さん心配しないのか?」 咲「遅くなるって言ってあるし…それに…もう少し京ちゃんと一緒にいたいし…」/// 京太郎「そ、そうか。ならリビングでテレビでも見るかな」 咲「うんっ!行こー京ちゃん。」 … 京太郎宅リビング 京太郎「さて、オレ達は夕食を終えてリビングでTVを見てるわけだが」 咲「そうだねーへへっ///」チョコン 京太郎「それで、だ。」 咲「なーに?京ちゃん?」 京太郎「いや、お前はなんでオレの膝上でTVを見てるんだ?」 咲「だって…。私達もう…恋人同士…だよね?」/// 京太郎「あぁ。そりゃそうだな。さっき死ぬほど恥ずかしかったぞ」 咲「私すっごく待たされたんだよ?京ちゃん麻雀部で全然かまってくれないしー」 京太郎「あはは。…………すみませんでしたっ!」 咲「私だって沢山かまって欲しかったし、あ、甘えたかったんだもん」/// 京太郎「いや、ほんとすみませんでした…。」 咲「でもいいの。京ちゃんとこうして付き合えた訳だし…」 咲「あ、でもこれからあんまり和ちゃんのおっぱいばっかり見てたら拗ねるからね?」 京太郎「うっ…善処いたします…」 咲「京ちゃんはこういう甘えん坊…嫌い?」 京太郎「………そんなわけないだろ」 咲「えへへ///ならどう思ってるのー?」 京太郎「可愛い幼馴染で幸せだぞ」 咲「き、京ちゃんてばっ」/// おわり
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3443.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1361874491/ ヒソヒソヒソ…… 京太郎「こんにちはー」ガラッ 桃子「こんにちはっすー!」 智美「おー京太郎、モモ」 睦月「思ったより気にしてなさそうだね」 京太郎「? モモなんかしたのか?」 桃子「特に覚えはないっすけど……」 佳織「あれ、もしかして噂になってるの知らない?」 京太郎「噂? 幽霊が出たって噂ですか?」 桃子「その喧嘩買うっすよ」 智美「それくらいじゃ今さら話題にもならないなー」 桃子「先輩だからって遠慮すると思ったら大間違いっすよ! 姿の見えない怖さを思い知るがいいっす!」 智美「実は最近、モモの居場所が匂いでなんとなくわかるようになってなー」ワハハ 桃子「なんと!?」 佳織「智美ちゃん、話が進まないよ」 智美「それもそうだなー」ワハハ 睦月「噂になってるのは京太郎くんたちの方だよ」 京太郎「俺ですか? というか"たち"?」 睦月「うん、京太郎くんと加治木先輩」 京太郎「そ、そうですか。どんな噂が?」ドキッ 睦月「ええと、二人乗りしてたカップルがいて、後ろの女の子が金髪の男の子をギュッと抱き締めてたとか」 京太郎「」 智美「鶴賀で金髪の男子と言ったら京太郎だよなー」 桃子「女子の方は男子の背中に顔をうずめてたと聞いたっす」 智美「まったく。私たちに隠れて大胆なことするじゃないか」 京太郎「」ビクッ 佳織「智美ちゃん、あんまりからかわないの」 睦月「うむ、昨日加治木先輩が抱きついてしまったときたまたま見られて、それが広まったんでしょう」 京太郎「ソ、ソウデスヨ」 桃子「まあそれはわかってるっすよ」 智美「噂話は伝言ゲームみたいなところがあるからなー」 桃子「幽霊がいたとかいう噂もあるっすよね。ちょっと私が見えづらいからって大げさっす」 智美「それは例としてどうかなー」ワハハ 桃子「まだ言うっすか!!」 佳織「もーダメだよ智美ちゃん」フフフ 京太郎「アハハ……」 ゆみ「」ガラッ 京太郎「!」ビクッ ゆみ「すまない、遅くなった……なんだか騒がしいな」 桃子「あ、ゆみ先輩! 部長が酷いんすよー!」 ゆみ「なんだ蒲原? 後輩イジメは感心しないぞ」 智美「心温まる触れ合いのつもりだったんだけどなー」ワハハ 桃子「熱くはなったっすね。怒りで」 ゆみ「何をしているんだ……」ハァ ゆみ「騒いでいたのはそれでか?」 桃子「いや、そもそもは京太郎と先輩のうわ――」 京太郎(まずい! このままじゃ昨日のことがバレちまう!) 京太郎「モモ、ちょっとこっち来い!!」 桃子「もう、なんなんすか?」 京太郎「いいから!」 桃子「あーれー」ズルズル ゆみ「…………」ジー 京太郎「その噂はわざわざ加治木先輩に言わなくていいんじゃないか?」ヒソヒソ 桃子「え? いやでも京太郎みたいに知らないかもしれないっすし」 京太郎「加治木先輩だってあんまり触れられたいことじゃないだろ?」 桃子「むぅ……それは確かにそうっすね」 京太郎「だろ? だから話題に出すのは避けよう」 桃子「わかったっす」 京太郎(よし!)グッ ヒソヒソヒソ…… ゆみ「……」ジー 睦月「どうかしましたか?」 ゆみ「えっ!? い、いや。なんでもない」 睦月「? ……ああ、さっきモモが言おうとした話ですね。それなら――」 京太郎「睦月先輩!! ちょ、ちょっとこちらへ」ガシッ 睦月「うわっ!? い、いきなりどうしたの?」 京太郎「とりあえず来て下さい。モモ、部長たちには頼んだぞ」 桃子「了解っす」 京太郎「それじゃあ睦月先輩。行きましょう」グイグイ 睦月「ちょ、ちょっと。あんまり押さないで……」 ゆみ「……」ジー 京太郎「」ペラペラ 睦月「」ウンウン 京太郎「」ペラペラ 睦月「」ンー 京太郎「」ペラペラペラ 睦月「」……コクッ 京太郎「」グッ 桃子「ジーっと見てどうしたっすか?」 ゆみ「っ!? い、いや。なんでもないぞ。そ、それよりさっきの話は……」アセアセ 桃子「あ、あれっすか? あれもなんでもないっす」アセアセ ゆみ「そ、そうか」 桃子「そ、そうっすよ」 京太郎「ふう……」 ゆみ「あ、須賀くん」 京太郎「か、加治木先輩!?」ドキッ 京太郎(昨日と今日の朝は二人乗りの勢いで話進められたけど、改めて加治木先輩と話すと思うと緊張が!) ゆみ「津山やモモと何の話をしていたんだ?」 京太郎「い、いえ。なんでもないですよ?」 ゆみ「だが……」 京太郎「モモ、速く麻雀打とうぜ!」ダッ ゆみ「あっ」 桃子「えーと……待つっす京太郎ー!」タタタ 桃子「もーさっきからなんなんすか」 京太郎「り、理由はわかるだろ?」 桃子「わかるっすけど、やり方ってものがあるっす」 京太郎「うぅ……」 佳織「まあまあ、京太郎くんも焦ってたんだよ」 京太郎「佳織先輩……」ウルウル 佳織「もうちょっといいやりかたはいくらでもあったと思うけどしょうがないよ」 京太郎「ぐはっ!」 佳織「えっ、えっ!?」 睦月「悪気がない分キツそうだね」 京太郎「あ、睦月先輩。一緒に打ちません?」 睦月「立ち直り早いね……いいけど、今日も負けないよ」 京太郎「望むところです」 ゆみ「……」ジー 智美「どうしたゆみちん?」 ゆみ「いや、仲がいいなと思ってな」 智美「まあ2つ違いよりは同い年や1年違いのほうが話しやすいよなー」ワハハ ゆみ「それはそうだが……」 智美「もしかして拗ねてるのかー」ワハハ ゆみ「なに?」 智美「ゆみちんとの会話を途中で切り上げて他の女の子に走ったんだもんなー」 ゆみ「ん……」 智美「でもな、ゆみちん。あれには京太郎なりの理由があったんだ。だからあんまり責めちゃダメだぞ」 ゆみ「そうだな。それについてはそんなに気にしていない」 智美「ワハ?」 ゆみ「須賀くんは理由もなしにそういうことをする人間ではないからな」 ゆみ「私に言えない何かがあったことくらいわかるし、詮索する気もない」 ゆみ「だから今の私は、蒲原が言ったとおり拗ねているんだろう」 智美「まさかツッコミがないどころか、言ったとおりなんて言われるとは思わなかったぞ」 ゆみ「はは……私は須賀くんとあんな風には話せていないからな」 ゆみ「帰りが一緒だから話す機会には恵まれていると思うのだが、だからこそな」 智美「そんなことないと思うけどな」 智美(キャラの問題もあるしなー) ゆみ「だが……」 智美「どうしても気になるならこっちから歩み寄るなきゃダメだと思うぞ」 ゆみ「歩み寄る?」 智美「こっちは年上だからなー。後輩から話しかけるのはやっぱり気後れするだろー?」 ゆみ「ふむ……」 智美「だからこっちからこういう感じで話しかけていいんだぞと伝えないと、向こうも話しづらいだろ?」 ゆみ「なるほど」 智美「だからゆみちんから行動しないとダメだぞ。アプローチしたいならなおさらなー」ワハハ ゆみ「な、なにを!?」 智美(からかい甲斐があるなー)ワハハ ――部活終了―― ゆみ「須賀くん」 京太郎「な、なんですか?」ドキッ ゆみ「いや、昨日の話について確認しようと思ったんだが……」 京太郎「き、昨日のというと」 ゆみ「ほら、私に出来ることならなんでもやると言っただろう」 京太郎(なんでも……)ホワンホワン 京太郎(な、何考えてんだ俺は!)ブンブン ゆみ「?」 智美「ゆみちん、あんまりそういうことは言わない方がいいと思うぞー」ワハハ ゆみ「なぜだ? 昨日今日と助けられたんだからこのくらいはしてもいいだろう」 智美「健康な男子高校生には毒だぞー」 ゆみ「毒?」 智美「あー……」チラッ 京太郎「な、なんですか!? お、俺はなにも」 智美(大丈夫そうだなー) 智美「とりあえず、せめて京太郎以外には言わないようになー」 ゆみ「それはまあ助けてくれたのは須賀くんだしな」 智美「……まあいいかー」 桃子「それで京太郎は何を頼むんすか?」 京太郎「うわっ!? 突然現れるなよ」 桃子「失礼っすねー。で、どうするんすか?」 京太郎「えーと……」 桃子「エッチなこと頼んじゃダメっすよ」ヒソ 京太郎「ばっ、た、頼むわけねえだろ!?」 ゆみ「うん?」 京太郎「な、なんでもないですよ!」 桃子「ふふふ……それじゃあ私はむっちゃん先輩とかおりん先輩と先に行ってるっすよー」 京太郎「言うだけ言ってそれかこの野郎!」 桃子「野郎じゃないっすー!」タッタッタッ 京太郎「モモめ……」 智美「まあまあ。まだ決まってないんなら提案があるけどいいかー?」 京太郎「なんです?」 智美「日曜日にみんなで遊びに行こう!」 ゆみ「待て待て。大会も近いのに……」 智美「そうやって根を詰めすぎなんだよゆみちんは」 智美「京太郎とモモと佳織が入って本格的に大会を目指してから2週間、大会まで後2週間。休むにはちょうどいいだろー?」 ゆみ「しかし……というかそもそも須賀くんに対する埋め合わせなんだが」 京太郎「い、いえ。俺もそれがいいです」 京太郎(このまま1人で考えてると色々とドツボにはまりそうだしな……) ゆみ「むぅ……」 智美「あーもちろん足が治ってないなら無理はさせないけどな。実際どうなんだー?」 ゆみ「まだ少し痛むが、まあ日曜日までには治るだろう」 智美「なら決まり。みんなには私から伝えとくぞ」 ゆみ「……まあ息抜きは必要か。須賀くんは本当にそれでよかったのか?」 京太郎「え、ええ。もちろんです」メソラシ ゆみ「っ……」 京太郎(加治木先輩と遊びに……い、いや。他の4人もいるんだ。いつもの部活と一緒だ! うん!) 智美(やっぱりやったほうがよさそうだなー) ――分かれ道―― 智美「それじゃまたなー」 京太郎「はい、さようなら……そうだ、部長。日曜日のことは」 智美「ああ、大丈夫大丈夫。ちゃんと言っておくから任せとけー」ワハハ 睦月「何の話ですか?」 智美「帰り道で話すよ」 ゆみ「別に今話してもいいと思うんだが……」 智美「まあまあ。それじゃあなー」 佳織「さようなら」 桃子「さよならっすー」 睦月「それではまた」 ゆみ「ああ、またな」 京太郎「……」テクテク ゆみ「……」カラカラカラ 京太郎(や、やっぱり緊張するな……) 京太郎(何か話したいけど何も思いつかねえ) ゆみ「なあ、須賀くん」 京太郎「は、はい!!」 ゆみ「部活の前にモモや津山と何か話をしていたな」 京太郎「えーと、それは……」 ゆみ「ああいや、別に何を話していたのか知りたいというわけではないんだ」 京太郎「?」 ゆみ「その、なんだ。私に言えないことも言えるような仲なんだなと思ったというか」 京太郎「い、いえ。そういうわけじゃ」 ゆみ「私は何を言っているんだろうな……すまない。忘れてくれ」 京太郎「は、はい……」 --------------------------------------------- 京太郎「…………」テクテク ゆみ「…………」カラカラカラ 京太郎(ああもう、加治木先輩にあんな顔させて、何やってんだ俺) 京太郎(……ていうか今なら別に言ってもよかったんじゃないか? 元々モモたちにバレたくなかったわけだし) 京太郎(よし、それなら今からでも……) ゆみ「須賀くん」 京太郎「!?」ビクッ ゆみ「その、あ、歩いていたら足がまた痛んできたんだ」 京太郎「えっ? 大丈夫ですか!?」 ゆみ「ああ、まあ心配される程ではないんだが家まではちょっとつらいかもしれん」 京太郎「そんな……」 ゆみ「だから、その、もし良ければでいいん――」 京太郎「加治木先輩! 今日も俺に送らせて下さい!!」 ゆみ「」ビクッ 京太郎「悪化したら大変です! その、また恥ずかしい思いをさせることにはなりますが」 ゆみ「あ、ああ。須賀くんがよければこちらこそ頼みたい」 京太郎「俺のことなら気にしないで下さい。加治木先輩のほうが大切です」 ゆみ「う……」 京太郎「自転車借りますね。よ……っと。それじゃ後ろに乗って下さい」 ゆみ「あ、ああ」 京太郎「それじゃ出しますよ」 ゆみ「ああ、よろしく」 京太郎「」シャー ゆみ(……ここまで本気で心配されると胸が痛むな)シャー ゆみ(でもまあ、目の前で隠し事をされたんだ。これくらいは許されるだろう)ピトッ 京太郎「」ビクッ ゆみ(おそらくこれが最後だろうし、たっぷりこうしていよう……) ――加治木宅前―― 京太郎「つ、着きました」 ゆみ「ああ、ありがとう」 京太郎「明日の朝はどうします?」 ゆみ「それまでには治っていると思う。2日間ありがとう」 京太郎「気にしないでください。俺が好きでやってることですから」 ゆみ「そういうわけにもいかないさ。日曜日のとは別に何か言ってくれても構わないぞ」 京太郎「はは……じゃあ日曜日は麻雀のことは考えないで全力で遊んでください」 ゆみ「それは難しいな……」 京太郎「加治木先輩はそれくらいでちょうどいいですよ」 ゆみ「むぅ……そんなに麻雀ばかり考えているように見えただろうか」 京太郎「見えたっていうか事実じゃないですか?」 ゆみ「……それなら気をつけないといけないな」 京太郎「是非気をつけて下さい……それじゃ、そろそろ帰ります」 ゆみ「ああ、さよなら。……き、京太郎くん」カアァァ 京太郎「はい、さよ……い、今なんて!?」 ゆみ「き、聞き返すなバカ!!」 京太郎「す、すみません! そ、それでは失礼します。……ゆ、ゆみ先輩」カアァァ ゆみ「あ、ああ。またな京太郎くん」 京太郎「はい、ゆみ先輩」 ゆみ「ああ、京太郎くん」 京太郎「はい、ゆみ先輩」 ゆみ「京太郎くん」 京太郎「ゆみ先輩」 ゆみ「……京太郎くん」 京太郎「……ゆみ先輩」 ゆみ「…………早く帰れ」カアァァ 京太郎「は、はい」カアァァ --------------------------------------- 智美「……というわけで、日曜日に遊びに行こうという話になったんだ」 睦月「元々部活のつもりでしたし大丈夫ですけど、結構急ですね」 智美「うんうん。それで、ちょっと相談があるんだ」 佳織「相談?」 智美「ああ、私たちはドタキャンして2人きりにしたらどうかなと思ってなー」 睦月「2人きりですか?」 智美「なんかゆみちんが京太郎とモモたちみたいに仲良く話せないとか思ってるみたいでなー」 桃子「そんなことないと思うっすけど」 智美「私もそう思う。ただまあこういうのは本人の気持ちの問題だからなー」 智美「それに実際京太郎が下の名前で呼んでないのゆみちんだけだから、あながち的外れとも言えないしなー」 智美「まあそれはゆみちん自身がそうさせたんだけど……」 智美「部活とか帰り道じゃなくて、休みの日に2人で1日過ごせればそんなことも思わなくなると思うんだ」 睦月「うーん、言ってることはわかりますけど……」チラッ 佳織「そうだね。それだとちょっと……」チラッ 桃子「?」 智美「うん、まあだから最初はみんなで行こうって話にしたんだ。モモはどう思う?」 桃子「私っすか?」 智美「ああ、もちろんモモの都合もあるだろうから、嫌ならそう言ってくれて構わないぞ」 智美「仲良くさせる機会なんて他にも作れるからなー」 桃子「嫌なわけないじゃないっすか。私は賛成っすよ?」 一同「……」ポカーン 桃子「ど、どうしたっすか?」 智美「い、いや。ちょっと意外でなー」 睦月「うむ。本当にいいのか?」 佳織「桃子さん、嫌ならそうはっきり言ってくれていいんだよ?」 桃子「はっきりも何も、ゆみ先輩と京太郎が仲良くなるならそっちのほうがいいことじゃないっすか」 桃子「それはまあみんなで遊びに行けないのは寂しいっすけど、それはまた次行けばいいことっすよ」 睦月「そういうことじゃなくて……」 佳織「ええと、なんていうか……」 桃子「?」 智美「つまりだな。単刀直入に言うと、モモは京太郎のこと好きなんじゃないのか?」 桃子「好き……それはいわゆる男女関係的な好きっすよね」 一同「」コクコク 桃子「うーん……」 一同「……」 桃子「うーん……分かんないっす」 睦月「分からない?」 桃子「一人ぼっちだった私を見つけてくれた京太郎のことは好きっすよ。でもそれが恋愛的なものかどうかは分かんないっす」 桃子「元々深く人と関わったことがなかったっすから。友達的な好きなのか、恋愛的な好きなのか。区別がいまいちつかないんすよ」 智美「それなら判断がつくまで保留というか、少なくともデートさせたりとかはしないほうがいいんじゃないかー?」 桃子「それはそうかもしれないっすけど、でも今回はそうしたらきっと後悔するっす」 智美「後悔?」 桃子「京太郎は私を見つけてくれて、ゆみ先輩は私の世界を広げてくれた」 桃子「……私は京太郎と同じくらいゆみ先輩のことも好きなんすよ」 桃子「高校に入るまで誰も私を見てくれなかったっすけど、今では5人も私を見てくれる人がいる」 桃子「それはゆみ先輩と京太郎のおかげっす」 桃子「私にとってはその2人が仲良くなってくれることが何よりも大事っす。少なくとも今は」 桃子「もしかしたら後で後悔するかもしれないっすけど、今させなくても絶対後悔するっす。だから2人で行かせたいっすよ」 佳織「桃子さん……」ウルウル 桃子「ちょ、そんな反応されると恥ずかしいっす!」 智美「うん、そういうことなら日曜日は2人にさせるぞー」 睦月「わかりました」 智美「ゆみちんと京太郎の集合場所はあそこの神社の前にするから、みんなはあそこからちょっと離れたところに集合なー」ワハハ 佳織「覗くつもりなんだ!?」 智美「こんな楽しそうなこと放っておく手はないぞー」ワハハ 睦月「色々と台無しですよ……」 桃子「私にあれだけ言わせてオチを付けるとは思わなかったっす」 智美「そこまで不評だとは……じゃあやめるか?」 睦月「い、いえそれは……」 佳織「み、見守りたいかなーなんて」 桃子「行くっすよ!!」 智美「……みんな好きだなー」ワハハ ………… ……… …… … 智美「みんな遅いなー」 智美「いや、来ていてもわからないのかもしれないな。私の変装は完璧だからなー」ワハハ 睦月「……もしかして部長ですか?」 智美「おお、よく見つけられ……どちらさま?」 睦月「津山です!」 智美「むっきーなのか!? 全然気づかなかったぞ……」 睦月「髪を二つ結びにしてメガネかけただけじゃないですか」 智美「ということはそっちにいるのはもしかして……」 佳織「私にも気づいてなかったの!? 智美ちゃん酷いよー」 智美「気づく気づかないというか、もはや誰って感じだなー……」 佳織「ストレートにしてコンタクトに変えただけなのに……」 睦月「そんなに印象変わりますか?」 智美「髪もあるけど服装がなー。2人ともそんな服持ってたのかー」 睦月「あ、これは昨日2人で交換しました」 智美「ワハ!?」 佳織「やっぱり普段の印象と変えなきゃダメかなって思って」 智美「ふ、2人ともやる気出しすぎじゃないか……?」 佳織「デートを覗くんだしこのくらいやらないと!」 智美「そ、そんなものか……?」 佳織「それより、智美ちゃんのそれはちょっと……」 智美「え?」 睦月「サングラスに帽子、ですか……」 智美「て、定番だろー?」 桃子「むしろ余計目立つっすよ」 智美「モモいたのか!?」 桃子「最初っからいたっすよ! いやでも正直その変装はないっす」 智美「なっ!?」キョロキョロ 佳織「」サッ 睦月「」サッ 智美「な、なんで目を合わせないんだ」 睦月「いえ、まあその……」 佳織「ええっと、ひと目で智美ちゃんだってわかったかなって」 智美「!?」 桃子「言い出しっぺがそれはどうかと思うっすよ」 智美「そ、そういうモモは何も変装してないじゃないかー!」 桃子「……本気を出した私が見つかると思うっすか?」スゥ 智美「うっ……」 睦月「ま、まあどちらにしろ極力視界に入らないようにするわけですし」 桃子「見つからないように頑張るっす!」 佳織「気をつけてね!」 智美(絶対私はおかしくないんだけど……) 智美「なのにこの敗北感はなんなんだろうな……」ワハハ… 桃子「それにしても京太郎もゆみ先輩も遅いっすね」 睦月「もう5分前なんだけどなあ」 佳織「あの2人が時間前に来ないなんて意外だね」 智美「ああ、集合時間は12時って伝えておいたからなー」ワハハ 桃子「えっ、私は11時って聞いたっすよ?」 智美「ここにいる3人には11時って連絡したんだ」 佳織「なんでそんなことを……」 智美「下手したらあの2人は30分前に集合しそうだからなー」 睦月「それはわかりますが……」 智美「まあまあ。それまでガールズトークでもしてようじゃないか」 桃子「ガールズトークって言うほど潤いのある会話は出来そうにないっすけどね……」 智美「女子がやってればそれがガールズトークだ。細かいことは気にするなー」ワハハ 佳織「智美ちゃん……」 ――15分後―― 睦月「へえ、部長、免許取ったんですか」 智美「大会が終わったらみんなでドライブに行きたいなー」 桃子「楽しみっす! ――あ、京太郎が来た……って早いっすね!?」 佳織「京太郎くんは集合時間を12時って思ってるはずだよね……?」 睦月「50分前……」 智美「さ、さすがに予想外だな」 桃子「11時集合にしててよかったっすね……」 智美「だ、だろー」 ――10分後―― 睦月「あ、加治木先輩が……」 桃子「早すぎるっすよ!!!」 智美「あの2人のことをなめてたなー」ワハハ 睦月「加治木先輩、いつもこんなに早く来てたんですね……」 佳織「ま、まあ早めに集まってよかったよ」 智美「それもそうだなー。さて、それじゃかおりん。メールをするんだ」 佳織「うん…………これでよし。ちゃんと送ったよ」 睦月「私とモモは昨日送りましたから、後は部長だけですね」 智美「ああ、ちょっとしたら送るぞー」 --------------------------------------- 京太郎「あ、ゆ、ゆみ先輩。おはようございます」 ゆみ「まだ慣れていないんだな」フフッ ゆみ「おはよう、京太郎くん。……というか早いな」 京太郎「ゆみ先輩だって40分前に来てるじゃないですか。どっちもどっちです」 ゆみ「まあそれはそうか」 京太郎「ん……あれ、佳織先輩からメールが」 ゆみ「私にも来たな」 京太郎「今日は行けません……佳織先輩もかよ!!」 ゆみ「これで私たちと蒲原以外が休みか……なんだか嫌な予感がしてきたな」 京太郎「同感です……」 ゆみ「まあ今から心配してもしょうがない。時間まで待とう」 京太郎「そうですね」 ゆみ「それまでは……そうだな。麻雀関連で何か聞きたいことはあるか?」 京太郎「今日は麻雀を忘れて遊ぶことにしたような……」 ゆみ「なに、集まるまでだよ。そんなに熱を入れるつもりはないさ」 京太郎「そういうことでしたら。そうですね……」 京太郎「質問という感じじゃないですけど、皆さん守備堅いですよね。俺はどうしても振り込んじゃうので」 ゆみ「京太郎くんは押しすぎだ。相手が低そうに見えるからといって、何でもかんでも突っ張るのはやめたほうがいい」 京太郎「うっ……で、でも稼げるときに稼がないと勝てないじゃないですか!」 ゆみ「満貫以上のような高い手なら時と場合によるが、安い手で押すのは愚策だ」 ゆみ「ダマテンは仕方ないが、リーチに突っ張るのはリターンよりリスクのほうが大きい」 ゆみ「まあ余程の根拠があるか、自分の感覚を信じてやるのならそれはそれでいいんだがな ゆみ「ただなんとなくというのであれば押すべきじゃない」 京太郎「おっしゃるとおりです……」 京太郎「ちなみにその守備はどうやって身につけたんですか?」 ゆみ「ああ、最初はネットを中心にやっていたからな。上がり重視より振り込みを少なくするほうがトータルで見ると成績がいいんだ」 ゆみ「3人ともそれで自然と身についた。たださっき言ったこととは逆になるがそれも良し悪しあってな……」 京太郎「振り込まないのはいいことじゃないですか」 ゆみ「ああ、それはもちろんだ。だが大会だとちょっと勝手が違ってな」 京太郎「というと?」 ゆみ「ネトマなら4位にならなければレートは下がらないから、最下位にならないことを目指すんだ」 ゆみ「そうすれば自然にレートは上がっていくからな」 ゆみ「だけど大会では得点で順位が決まるだろう? 特に団体戦では1位にならなければ次に進めない」 ゆみ「守備的なのは悪いことではないんだが、早めにオリるということでもある。得点を稼ぎづらいから、大会向きではないんだ」 京太郎「なるほど……」 ゆみ「昔からいる私たち3人はその傾向が強い。そういう意味でモモや妹尾には期待しているな」 京太郎「モモはステルスモードに入れば守備を気にしなくていいですからね。佳織先輩も役満バンバン出しますし」 ゆみ「ああ、2人とも頼れる部員だ。……まあモモはともかく、初心者の妹尾に頼るというのも情けない話だがな」 京太郎「情けないなんてことないですよ。同じ鶴賀麻雀部の部員なんですから、頼れることは頼っちゃいましょう!」 ゆみ「…………」 京太郎「あ、あれ。変なこと言いました?」アセアセ ゆみ「いや、君の言うとおりだと思ってな。情けないなんて思う必要はない、か」 ゆみ「きっとそういう意識が私には足りていないんだろうな」フッ 京太郎「ええと……?」 ゆみ「君に教えられたというだけだよ。あまり気にしなくていい。……ん、蒲原からメールか」 京太郎「今日は行けなくなった……ですか」 ゆみ「まったく、白々しい」ハァ 京太郎「どうします?」 ゆみ「ここまでお膳立てされたんだ。2人で遊ぶことにしよう」 京太郎「俺はいいですけど……」 ゆみ「私も構わない。これで決まりだな」 京太郎「おお……2人乗りをあれだけ渋ってた人とは思えないです」 ゆみ「2人乗りとこれでは全然違うだろう」 ゆみ「……それに、この間の私の態度が原因だろうしな」ボソッ 京太郎「すみません、今なんて?」 ゆみ「何でもない。それより京太郎くん、エスコートよろしく頼むぞ?」」 京太郎「ま、まだこの辺りは全然わからないんですが……」 ゆみ「ああ、アドリブがどれほど利くのか楽しみにしているよ」フフッ 京太郎「えっ!?」 ゆみ「ほら、待ち合わせ場所でいつまで立たせているつもりなんだ?」 京太郎「はっ!? そ、それじゃあお昼も近いですしどこかで食べたりとか……」 ゆみ「そうだな。京太郎くんのオススメの店に案内してくれ」 京太郎「お、オススメですか……」ダラダラ ゆみ「……すまない、からかいすぎたな」クスッ 京太郎「心臓に悪いんでやめて下さい……」 ゆみ「……? 確かにからかいすぎたとは思うが、いくらなんでも緊張しすぎじゃないか?」 京太郎「そ、それはその……」 京太郎(相手がゆみ先輩だからです!! とは言えねえ……!) ゆみ「……まあいい、近くにファミレスがあるからそこへ行こうか」 京太郎「はい!」 ---------------------------------------- 智美「お昼はファミレスかー」 睦月「定番ですね」 佳織「わあ、デートしたことあるんだ」 睦月「……友達で遊びに行くときの定番ですね」 佳織「ご、ごめんね……」 睦月「いや、気にしないで……」 智美「なんで傷を抉りあってるんだ」ワハハ 桃子「ドリンクバー持ってきたっすよー」 智美「おお、ありが……このよくわからない色はなんだー?」 桃子「いやードリンクバーでミックスするの一度やってみたかったんすよ」 智美「今まで麻雀部でやられたことなかったから無警戒だったなー」ワハハ… 智美「さて、佳織とむっきーにはどんなジュースが……」 桃子「かおりん先輩には頼まれてたオレンジジュースっす」 佳織「ありがとー」 智美「えっ」 桃子「むっちゃん先輩はアイスティーっすよね」 睦月「うむ、ありがとう」 智美「ワハ!?」 桃子「私は烏龍茶で……」 智美「ちょ、ちょっと待った!」 桃子「どうかしたっすか?」 智美「な、なんで2人は普通のなんだ!?」 桃子「それを頼まれたからっすよ?」 智美「確かに何でもいいって言ったな……」 桃子「小学生の頃から一度友達にやってみたいって思ってたから感謝してるっす!」キラキラ 智美「そ、そうかー」ワハハ 智美(純粋な目で見られている……!) 智美(こ、これは飲まないとダメな雰囲気か……?)チラッ 睦月・佳織「」コクッ 智美「ううぅ……」 桃子「」ワクワク 智美「えいっ」ゴクゴク 睦月・佳織「……」 智美「……うまいっ!!」 睦月・佳織「えっ」 智美「これうまいぞー! よければこれからも作ってくれー」ワハハ 桃子「適当に混ぜたからまた作るのは無理っす……」 佳織「智美ちゃん、その色で本当においしいの?」 智美「ああ、佳織も一口飲んでみるかー?」 佳織「じゃ、じゃあ」ゴクゴク 佳織「……おいしい!!」 睦月「じゃあ私も」ゴクゴク 睦月「……ほんとだ、おいしい!!」 桃子「むぅ、おいしいなんてつまらないっす……」 智美「まあまあ。モモも飲んでみろー」 桃子「んー」ゴクゴク 智美「どうだー?」 桃子「……マズイじゃないっすか!!」 智美「うまいわけないだろー!!」 桃子「かおりん先輩もむっちゃん先輩もノリよすぎないっすか!?」 佳織「騙されたと思うと悔しくて……」 睦月「こうなったらモモにも飲ませようと思って」 桃子「くっ!! 思えばあれがおいしくなるわけないっすよね!!」 智美「だからなにを混ぜたんだ!?」 桃子「騙されたのに教えると思うっすか!?」 --------------------------------------- <サキニヤッタノハソッチダロー! <ソレハソレッス! ゆみ「向こうが騒がしいな」モグモグ 京太郎「そうですねえ」ジー ゆみ「ここのパスタはなかなかおいしいぞ」モグモグ 京太郎「そうですねえ」ジー ゆみ「……君はバカか?」 京太郎「そうですねえ」ジー ゆみ「……おい!」 京太郎「は、はい!?」ビクッ ゆみ「まったく、先に食べ終わったからといって上の空なのは感心しないな」 京太郎「す、すみません」アセアセ 京太郎(見惚れてたとは言えないな……) ゆみ「京太郎くんとお昼を一緒に食べるのはこれが初めてだったな」モグモグ 京太郎「学年も違いますし、部で食べることもないですしね」 ゆみ「去年は何度かやったんだが……今度部室かどこかで食べようか」モグモグ 京太郎「いいですね。楽しみです」 ゆみ「ああ……ふぅ、おいしかった」 京太郎「ドリンクバー何か取ってきましょうか?」 ゆみ「いや、大丈夫だ。それよりこれからどこに連れて行ってくれるのか聞かせて貰わないとな」 京太郎「えっ!? い、いやさっきのは冗談だったんじゃ……?」 ゆみ「他人が話しかけているのに気づかなかったんだ。もちろん何か考えてくれていたんだろう?」 京太郎(意外と気にしてた!?) ゆみ「ほら、あんまり待たせるとこのまま帰ってしまうぞ?」 京太郎「え、ええとですね……」 京太郎(な、何かないか!)キョロキョロ 京太郎(ん? これは……) 京太郎「ゆみ先輩! ここ行きましょう!」 ゆみ「どれどれ……水族館か」 京太郎「はい。多分そんなに行くことないでしょうし、久しぶりに行けば楽しいと思うんですよ」 ゆみ「確かにここ数年行っていないな」 京太郎「なら行ってみません? ちょうどここに優待券も置いてありますし」 ゆみ「……一応聞いておくが、それが目についたからという理由ではないよな?」 京太郎「あ、あはは……」 ゆみ「……まあいいか。そこへ行くとしよう」 京太郎「い、いいんですか?」 ゆみ「久しぶりなのは本当だしな。聞いてて行きたくなったよ」 京太郎「それならよかったです。もう出ます?」 ゆみ「そうだな。早く行こうか」 --------------------------------------- 智美「2人を追って着いたのがここかー」 睦月「水族館ですか。デートコースの定番ですね」 桃子「まあ優待券ありきだとは思うっすけどねー」ピラピラ 佳織「イルカショーだって! 可愛いんだろうなー」 智美「2人がどこに行くかよく調べてくれたなー、モモ」 桃子「麻雀部に入って私の影の薄さは磨かれたっすからね! それなりに自由自在に出来るっすよ」 智美「おお、凄いなー」 睦月「さすがモモ」 佳織「桃子さん凄いよ!」 桃子「素直に褒められると照れるっすね」テレテレ 睦月「ふむ……体質を悪用するのはよくないと思うぞ」 智美「……あんまり他人の恋路に踏み入るのはどうかと思うぞ?」 桃子「先輩たちもノリノリだったじゃないっすか!」 睦月「いや、こういう反応を望んでいるのかと」 桃子「照れ隠しっすよ! わかって欲しいっす!」 佳織「わかってやってるんだよきっと」 桃子「きっとというのが不安っすね……」 --------------------------------------- 京太郎「この水族館長野で一番大きいらしいですよ」 ゆみ「ほう、そうなのか」 京太郎「人も結構多いですね」 ゆみ「長野には海がないから……というのはあんまり関係ないか」 京太郎「それじゃあ早速入りましょうか」 ゆみ「ああ」 ………… ……… …… … 京太郎「最初は熱帯ゾーンですね」 ゆみ「色とりどりの魚が可愛らしいな」 京太郎「アロワナは大きいですねー」 ゆみ「世界最大級の淡水魚だったか。見た目のインパクトも凄いな」 京太郎「あの口は特徴的ですよね。……おお、水から飛び出して虫を食べてる」 ゆみ「見た目によらず動きが早いな」 京太郎「あっ、クマノミがいますよ!」 ゆみ「ファインディング・ニモだな。親子の愛情が感じられて好きだったよ」 京太郎「今度続編もやるらしいですよ」 ゆみ「そうなのか」 京太郎「その……公開されたら一緒に見に行きませんか?」 ゆみ「えっ……ああ、いいぞ。楽しみだな」 京太郎「ほんとですか! やった!!」 ゆみ「よ、喜びすぎだ」カアァァ 京太郎「次は餌やりが体験できるコーナーですね」 ゆみ「凄い数の鯉だな」 京太郎「幸福池っていうらしいですよ」 ゆみ「ふむ、特定の色の鯉に餌をあげると願いごとが叶う……か」 京太郎「……特定の色ってなんなんですかね?」 ゆみ「……それも含めて運試しというところなのか?」 京太郎「とりあえず餌あげてみましょうか」 ゆみ「そうだな。珍しそうな色の鯉にあげてれば当たるだろう」 京太郎「えい!」ポーイ ゆみ「それっ!」ポーイ 京太郎「……当たったかなあ」 ゆみ「それは神のみぞ知るだな」 京太郎「ゆみ先輩の願いごとはなんです? やっぱり麻雀で全国行けますようにとかですか?」 ゆみ「いや、違う。……それに、他人に聞くときはまず自分から言うものだぞ?」 京太郎「俺ですか? 俺は先輩たちが全国に行けますようにってお願いしました。一緒だと思ったんですけどね」ハハハ ゆみ「ふふ、それならある意味一緒のようなものだよ」 京太郎「え?」 ゆみ「私は京太郎くんが全国に行けますようにとお願いしたからな。お互いがお互いに同じことを祈ったんだから一緒だよ」 京太郎「ぜ、全国ってハードル高いですね……」 ゆみ「言っておくが私たちも大会に出るのは初めてだぞ? 無理を言っているのは君も同じだ」 京太郎「それはそうですが……」 ゆみ「なに、所詮はおまじないだ。あんまり気負わず喜んでくれると嬉しい」 京太郎「……そうですね。俺も頑張ります!」 ゆみ「うん、その意気だ」 京太郎「お待ちかねのイルカショーですよ!」 ゆみ「確かに楽しみにしていたが、お待ちかねというほどではないぞ」ソワソワ 京太郎(そんなにソワソワして言われてもなあ) ゆみ「どうする? 前のほうに行くか?」グイグイ 京太郎「どうするというか引っ張ってるじゃないですか!?」 ゆみ「な、なんのことだ?」 京太郎「先輩……まあともかく、前のほうはやめときましょう」 ゆみ「何故だ!? ドルフィくんが近くで見られるんだぞ!?」 京太郎「そのうちわかりますよ。だから座るのは真ん中辺りにしておきましょう」 ゆみ「君がそこまでいうなら……」 ゆみ「おお!」 京太郎「すげー、尾ビレで水の上歩いてる」 ゆみ「人を乗せて運んでる!?」 京太郎「プールの端から端まで鼻の上に人を乗せて……初めて見た」 ゆみ「おー!」 京太郎「定番ですけどジャンプで輪を連続してくぐるのは見てて楽しいですね」 ゆみ「……なあ京太郎くん。やっぱり前で見ててもよかったんじゃないか?」 京太郎「さっきが小さいジャンプだったから……そろそろですよ」 ゆみ「?」 調教師「さあ次はドルフィくんの得意技、大ジャンプです! 見事このハードルを越えることが出来るでしょうか!」 ゆみ「」ドキドキ 調教師「ドルフィくん行くよー!」ピッ ドルフィ「」ジャンプ バッシャーーン!! 調教師「見事ハードルを越えましたドルフィくんに、盛大な拍手をお願いします!」パチパチパチ <ウワッビショビショニヌレタッス!! <ダカラヤメトコウッテイッタロー!? 京太郎「ほら、前のほうだとあんな風にジャンプしたときの飛沫がかかることがあるんですよ」 ゆみ「思ったより大量にかかるんだな……」 京太郎「いや、あれはさすがに運が悪かったんだと思います」 ゆみ「なんにせよ君のおかげで濡れずに済んだよ。ありがとう」 京太郎「どういたしまして……それより前で濡れてた人蒲原先輩に似てませんでした?」 ゆみ「ああ、確かに似ていたな。だが周りに3年の友人も、妹尾や津山の姿もなかったから別人だろう」 京太郎「なんとなくあの辺りの雰囲気が麻雀部っぽかったんですが……まあでも先輩たちがいなかったんですから違いますよね」 ゆみ「そうだな。それに隠れてついて来ているなら私たちの前に座ったりしないさ」 京太郎「それもそうですね」 京太郎「最後は海水魚コーナーですか」 ゆみ「最後だけだいぶ括りが広いな」 京太郎「きっと色々あるんですよ。あ、2万匹のイワシ玉とかあるみたいですよ」 ゆみ「2万匹とは凄いな」 京太郎「えーと、でも……」キョロキョロ ゆみ「……見当たらないな」 京太郎「ですねえ。あ、これ……」 ゆみ「……用意していたイワシはサメやアジに食べられてしまいました」 京太郎「……魚の世界も厳しいんですね」 ゆみ「狭い水槽だから玉になったくらいでは誤魔化せなかったんだろうな」 京太郎「……スイミー」ボソッ ゆみ「あれは海だし、大型の魚に化けていただろう!」 京太郎「……」 ゆみ「……」 京太郎「次、行きましょうか」 ゆみ「ああ……」 京太郎「あ、先輩! カジキマグロですよ!」 ゆみ「ほう」 京太郎「え、ええと……加治木先輩とカジキマグロで……」 ゆみ「ああ」 京太郎「その……」 ゆみ「どうした? 続けろ」 京太郎「すみませんでしたぁ!!」 ゆみ「わかればいい」 京太郎「でも水族館でカジキマグロって珍しくないですか?」 ゆみ「カジキマグロは外洋で泳いでいる魚だからな。水槽の中では壁やガラスにぶつかってすぐ傷つくから、飼育に向かないんだ」 京太郎「詳しいですね」 ゆみ「昔何度もからかわれたからな。意地になって調べてやった」 京太郎「……すみませんでした!」 ゆみ「謝るな!」 京太郎「おお、マンボウ!」 ゆみ「初めて見たが思っていた以上に大きいな」 京太郎「知ってます? マンボウってプランクトンの一種なんですよ」 ゆみ「ああ、知っている」 京太郎「えっ」 ゆみ「プランクトンは浮遊生物という意味です。マンボウも泳ぐ力が弱くて海流に逆らえないため、プランクトンの一種に含まれます」 ゆみ「そこに書いてあるのを読んだんだろう? 私もさっき読んだよ」 京太郎「あ、あはは。よく見てますね」 ゆみ「こういうものが目につく質だからな。それにここに書いていないマンボウの特徴も知っているぞ?」 京太郎「へー。どういうのがあるんですか?」 ゆみ「さっき言ったようにマンボウは泳ぐのが下手で岩にぶつかってよく死んでしまうんだ」 ゆみ「水族館ではそれを防ぐためにネットやフィルムで保護しているが、それに引っかかって死んでしまうこともあるらしい」 京太郎「へー」 ゆみ「更にマンボウは寄生虫を取るために水中からジャンプして水面に自分の体を叩きつけるんだが、それで死ぬこともある」 京太郎「え?」 ゆみ「それと魚は泳ぐことで呼吸をしているんだが、マンボウは泳ぐのが下手だからすぐ酸欠になってしまう」 ゆみ「場合によってはそのまま死ぬ」 京太郎「えっ?」 ゆみ「他にも……」 京太郎「他にも!? ちょ、ちょっと待って下さい! 何ですかそのひ弱な生き物! そんなのすぐ絶滅するでしょう!?」 ゆみ「マンボウは絶滅しないために、体を強くするのではなく子孫をたくさん残すことを選んだんだ」 ゆみ「一度に数億個の卵を産むことは知っているだろう」 京太郎「いや知ってますけど!」 ゆみ「まあそういう生物もいるという話だ」 京太郎「こんな呑気そうな顔してますけど、厳しい競争を勝ち抜いてきたエリートなんですね……」 ゆみ「ああ、私たちもこのマンボウのように大会を勝ち抜かないとな」 京太郎「う、うーん……」 京太郎「……そういえばゆみ先輩、マンボウにも詳しいんですね」 ゆみ「ああ、カジキマグロのことを調べるときに目についたからついでにな」 京太郎「すみませんでした!」 ゆみ「だから謝るな!」 京太郎「おみやげコーナーですね」 ゆみ「地元だとあまり買うこともないな」 京太郎「麻雀部には……」 ゆみ「来なかったのはあっちだ。いらん」 京太郎(意外と怒ってたのか……) ゆみ「京太郎くんは何か買いたいものがあるのか?」 京太郎「んー……はい。ちょっと買いたいものが」 ゆみ「そうか。なら私はここで待っているよ」 京太郎「はい、すぐ戻ります」 京太郎(ゆみ先輩に何か買いたかったけど、思ったより時間かかっちゃったからなあ) 京太郎(ここであげられそうなのを見つけないと……)キョロキョロ 京太郎(あ、イルカのストラップ) 京太郎(これくらいなら気軽に受け取ってもらえそうだな。あんまり待たせても悪いし……) 京太郎「すいません、これください」 店員「はい、ありがとうございましたー!」 京太郎「すみません、お待たせし……ってあれ、いない?」 京太郎「も、もしかして先に帰ったのか!? やばい、何かしたか俺!?」 ゆみ「待て、いくらなんでも連れを置いて帰ったりはしない」 京太郎「あ、ゆみ先輩!」 ゆみ「すぐ戻るとは言っていたが本当に早いな」 京太郎「お待たせしたら悪いですから。それよりゆみ先輩はどこ行ってたんですか?」 ゆみ「あーその……あまり聞くな」 京太郎「……? はい」 ゆみ「それじゃあそろそろ帰ろうか」 京太郎「はい。結構長居しちゃいましたね」 ゆみ「そうだな。だが楽しかったよ。誘ってくれてありがとう」 京太郎「こちらこそ。凄く楽しかったです。それとその……」 ゆみ「ん?」 京太郎「よ、よければ今日も家まで送ります」 ゆみ「なんだ。そんなことならかしこまらなくてもいい」フフッ ゆみ「最後までエスコートを頼んだぞ。京太郎くん」 --------------------------------------- ――帰り道―― 佳織「そういえば智美ちゃん、今回のデートで2人にはどのくらい仲良くなってもらうのが目標だったの?」 智美「ん? そうだなー。名前で呼ぶくらいになってくれたら満足かなー」 睦月「あの2人だと難しそうですねえ」 桃子「え? それなら喫茶店のときにもう『ゆみ先輩』『京太郎くん』って呼びあってたっすよ?」 智美「えっ」 睦月「えっ」 佳織「それじゃあこの間帰るときにそう呼ぶようになってたのかな?」 桃子「そうみたいっすねー」 智美「……無駄な気遣いだったかなー」ワハハ…… 睦月「そ、そんなことないですよ! きっともっと凄く仲良くなってると思います!」 智美「……付き合うまでいったら悔しいなー」 睦月「うっ」 桃子「そのときは全力でからかってその悔しさを晴らせばいいっす!」 佳織「凄く自分たちが惨めになりそうな……」 桃子「振り返っちゃダメっすよ! 勢いが全てっす!」 智美「……そうだなー。そのときは全力でからかおう! 部長として許す!」 佳織「部長とかって問題なのかな……?」 睦月「まあまだ付き合ってるわけでもないしね」 桃子「こういうことは先に決めておくほうがいいんすよ」 智美「嫉妬する心の準備もできるしなー」ワハハ --------------------------------------- ――加治木宅前―― ゆみ「着いたか……いつもありがとう」 京太郎「どういたしまして」 ゆみ「久しぶりに麻雀のことを忘れたよ。いい息抜きになった」 京太郎「大会まで後2週間ですね」 ゆみ「ああ、これからはまた厳しくやらせてもらうぞ」 京太郎「お、お手柔らかにお願いします」 ゆみ「それは君次第だな」フフッ 京太郎「あはは……」 京太郎「えっと、ゆみ先輩。ゆみ先輩に渡したいものが」 ゆみ「何だ?」 京太郎「水族館で買ったんですけど……イルカのストラップです」 ゆみ「わぁ……! 可愛いな。嬉しいよ。ありがとう」 京太郎(よかった、喜んでもらえた……!)ホッ ゆみ「それでだな。その、私からも渡したいものがあるんだ」 京太郎「え?」 ゆみ「マンボウのストラップだ。キャラもののような可愛い系ではないから、男子が付けていてもおかしくはないと思うのだが……」 京太郎「お、俺にですか!? うわ、すっげえ嬉しいです!」 ゆみ「喜んでくれたか。よかった……」 京太郎「喜ぶに決まってるじゃないですか!」 ゆみ「マンボウが成長するように、君に大会を勝ち抜いて欲しいという思いも込めてみたんだ。よければ付けてくれ」 京太郎「そんな期待まで……! もちろん付けますよ! ありがとうございます!」 ゆみ「ありがとう。私もイルカのストラップ、付けさせてもらうよ」 京太郎「本当ですか! 水族館選んでよかった……!」 ゆみ「――――……正直なところ、私はどこでもよかったんだがな」ボソッ 京太郎「ちょっ、これでも必死に考えたんですよ!?」 ゆみ「君は耳がいいな」ハハ ゆみ「別に悪い意味で言ったんじゃない。とても楽しかったのは本当だよ。久々で新鮮で、水族館でよかったと思ってる」 京太郎「まあ、ならよかったですけど。後何かその前に言おうと――」 ゆみ「それよりほら、あまり遅いとご両親が心配するぞ」 京太郎「いえ女子じゃないんですから……というか、まだそんな遅い時間でもないですよ」 ゆみ「なんだ、家に上がって行きたいのか?」 京太郎「どうしてそうなるんですか!?」 ゆみ「まだそんなに遅い時間ではないんだから家に上げろと言いたいんだろう? 一応言っておくが両親はいるからな」 京太郎「上がりづら……というか上がりませんよ! 帰ります!」 ゆみ「ああ、また部活でな」 京太郎「はい、さようなら。また学校で!」 ゆみ「……行ったか」 ゆみ(……危なかった。追求されていたら口を滑らせたかも……ああ、考えるだけで恥ずかしい!) ゆみ(何より、君が私のために考えてくれたということが嬉しいんだ。だから正直なところ、私はどこでもよかったんだがな、なんて) ゆみ(何を考えているんだ私は!! 考えさせたのは私だろう! それに口に出すなんて!)カアァァ ゆみ「前半のほうを聞かれていなかったのは幸いか……」 ゆみ「……京太郎くんは、私のことをどう思っているんだろうな」 ゆみ「……いや、違うな。京太郎くんより、私がどう思っているのか……」 ………… ……… …… … 京太郎「こんにちはー。ゆみ先輩1人ですか?」ガラガラガラ ゆみ「ああ、みんなまだ来ていないようだ。……ぜひとも聞きたいことがあるんだがな」 京太郎「あはは……あ、ゆみ先輩。この間言われてた牌譜の分析です」 ゆみ「ああ、ありがとう……うん、よく出来てるよ」 京太郎「ありがとうございます!」 ゆみ「だが京太郎くんは自分の打牌には甘いところがあるな。ほら、ここ」 京太郎「えっ?」 ゆみ「生牌ならともかく、1枚切れの嵌張に受けるくらいなら役牌の対子を残したほうがいい。順目も早いしな」 京太郎「あーなるほど」 ゆみ「別にミスがあることで責めたりはしないさ。ただ直さないのはよくないな」 京太郎「うう、見落としてました……」 ゆみ「自分の打牌は、なまじ意図が完璧にわかっている分ミスに気付きづらい。特に注意してみるといい」 京太郎「はい!」 ゆみ「うん、頑張れよ」 ゆみ「さて、次は他校の生徒の分だ。ここの牌譜が分かりませんと書いているな」 京太郎「そこはほんとにわかりませんでした」 ゆみ「そうか。この捨て牌の意図はな…………」 桃子「入るっすよー」ガラガラガラ 智美「おー2人とももういるのかー」 睦月「早いですね」 ゆみ「ああ、4人で来たのか」 智美「途中で一緒になってなー」 ゆみ「そうか。私は京太郎くんと話しているから、先に始めていていいぞ」 京太郎「ゆみ先輩、もう大会も近いんですから俺の指導なんて後回しでいいですよ」 ゆみ「大会が近いのは君も同じだろう。それに牌譜はどうせ見るんだ。君に教えながら見たほうが効率がいいさ」 桃子「うーん、仲良くなったっすねー」 智美「気を回した甲斐があったなー」 ゆみ「元々悪くなんてない。いらない気遣いを」ハァ 智美「ちょっとゆみちんには金曜日の言動を思い出して欲しいなー」 ゆみ「き、記憶にないな」 智美「ゆみちん……」ハァ 智美「まったく、そんなに嫌だったのか?」ワハハ ゆみ「そんなわけな……! そ、それとこれとは話が別だ!」 智美「素直なほうが人生得だぞー」ワハハ 桃子「ある意味すっごく素直っすけどね」 佳織「というか、用事があって休んだわけじゃないって気づいてたんですね」 睦月「ちょっと露骨すぎましたか」 京太郎「4人も休んで偶然だなんて思うわけないじゃないですか」ハァ 桃子「部員のことはちゃんと信じなきゃダメっすよー?」 京太郎「結局嘘だったじゃねえか!」 桃子「それは結果論っす! 信じるかどうかが大切なんすよ!」 京太郎「酷い屁理屈だな!」 京太郎「……あれ? ゆみ先輩。そういえば俺が先輩のこと下の名前で呼ぶようになったのって、金曜日でしたよね?」 ゆみ「ん? ああ、私が京太郎くんと呼ぶのもそれからだな。しかしそれがどうかし……そうか」 睦月「?」 桃子「?」 智美「うん? それがどうかしたのか?」 京太郎「いや、普通少しくらい反応があるんじゃないですか?」 佳織「なんのこと?」 ゆみ「私が須賀くんではなく京太郎くんと呼んでいて、京太郎くんが私のことを加治木先輩ではなくゆみ先輩と呼んでいることだ」 4人「「「「あっ」」」」 京太郎「まるで知っていたかのように自然に受け入れてましたよね」 智美「そ、それはほら。あんまりからかっていいことでもないかと思って」 ゆみ「わざわざ2人きりで遊びに行かせるほど私たちの仲を気にしていたんだ。別にからかいとしてでなくとも聞くほうが自然だろう」 桃子「あ、あれっすよ! 今日学校で2人が喋ってるのを聞いて」 京太郎「残念ながら今日ゆみ先輩とは放課後しか喋ってない」 睦月「2人の呼び方が自然だったので違和感なく……」 ゆみ「さすがに苦しいな」 佳織「ええと、それじゃあ……」 京太郎「今それじゃあって言いましたよね!?」 佳織「ふぇっ!? い、いや、違うの!」 ゆみ「そもそも最初の"あっ"という反応でわかっている」ハァ 京太郎「そういえばイルカショーのとき蒲原先輩らしき人がいましたね」 ゆみ「ああ、結局は君の言ったことが正しかったというわけか」 桃子「ほら、やっぱりあの変装じゃバレバレだったんすよ!」ヒソヒソ 智美「前の方に行きたいって言い出したのはモモだろー!?」ヒソヒソ ゆみ「内輪もめはいい。それよりいつから見ていたんだ?」 智美「い、いやたまたま水族館に遊びに行ったら偶然ゆみちん達が……」 佳織「智美ちゃん、もうやめよう」ポンッ 睦月「待ち合わせのときからです」 京太郎「最初からですか!? 俺たち結構早く移動しましたよ!?」 ゆみ「遊ぶ場所は集まってから決めたし、待ち合わせ時間よりだいぶ早く動いたから安心していたんだが……」 桃子「先輩たちより1時間早く集まってたんすよ。部長に言われて」 智美「さりげなく私に責任を負わせるなー! 後をつけるのやめるかどうかちゃんと聞いたろー!?」 桃子「私たちは先輩が言わなかったら後をつけようなんて言わなかったすよ!」 智美「む……そもそもモモが言わなければ名前を呼んでるのにちゃんと驚けたんだぞー!」 桃子「話題に出したのはそっちじゃないっすか!」 ギャーギャー ゆみ「……おい、2人とも」ギロッ 智美・桃子「」ビクッ ゆみ「騒いでうやむやにしようという努力は買おう」 智美・桃子(バ、バレてたかー/っすか……) ゆみ「だがまあ……誤魔化されると思うなよ?」ニコッ 智美・桃子「ヒッ」 ゆみ「津山、妹尾。お前たちもだからな」 津山・佳織(黙ってやりすごせなかった……) 京太郎「せ、先輩? 穏便にしてくださいね?」 ゆみ「ああ、うん……まあ、京太郎くんは気にするな」ニコッ 京太郎(こ、こえー……)ブルブル ゆみ「さて、蒲原。次はこの局だ。まずどこが悪いと思うか言ってみろ」 蒲原「こ、ここかなー?」 ゆみ「ふむ、そこだけか?」 蒲原「こ、ここもかな?」 ゆみ「違う」 蒲原「ひっ」 ゆみ「そこのドラ切りは一見危なく見えるが、下家の手牌にドラがあることが濃厚だから通りやすい。少なくとも他の牌よりは安全だ」 蒲原「な、なるほどー」 ゆみ「大会も近いし、やはりもう少し厳しくしないとダメか……」ブツブツ 蒲原(ひ、ひええ)ガクガクブルブル 京太郎「よっしゃあああ!!!」 桃子「くぅ、悔しいっす」 睦月「京太郎くん、おめでとう」 佳織「凄いよ、おめでとう!」 京太郎「ありがとうございます!」 ゆみ「ん? どうしたんだ?」 京太郎「ゆみ先輩、俺ようやく1位になれました!!!」 ゆみ「本当か!? 凄いじゃないか!」 京太郎「なんとかモモから逃げ切れました。先輩のおかげです!」 ゆみ「君の実力だよ。モモに勝てたんだな」 桃子「後一歩だったっすよー。今回は手牌もそこまで悪くなかったし、大会までにもう一度負けるとは思わなかったっす」 京太郎「ふっふっふ。1位も取ったし、これで残った目標は先輩に勝つだけです」 ゆみ「そうか、私もそう簡単には負けないぞ?」 京太郎「望むところです。さあ打ちましょう!」 ゆみ「ああ、勝負だ」 智美「た、助かった……」 桃子「先輩は京太郎との勝負に集中してくれそうっすね。負けて悔しいっすけど、ある意味助かったっす」 睦月「京太郎くんも強くなったね」 佳織「そうだね。始めたの同じくらいなのにもう全然敵わないや」 智美「まだまだ2週間ちょっとだろー。佳織には役満があるんだし、これからこれから」 佳織「その役満が出るってのは偶然だと思うんだけど……」 睦月「いや、妹尾さんが役満で上がった数、私が今までに上がった役満の数より多いよ?」 佳織「えっ?」 桃子「もうちょっと自分の凄さを自覚して欲しいっすね」 智美「貴重な才能だぞー」ワハハ 佳織「そ、そんなこと言われても……」 京太郎「先輩ー。速く席着いてくださいよー」 智美「ああ、悪い悪い」 佳織「いま行くよー」パタパタ 桃子「んー京太郎も強くなったっすけど、佳織先輩ももっと自信持って欲しいっす」 睦月「うん、爆発力は凄いし、1位になったことだって何度も……」 佳織「あ、ロン。清一色……かな?」 ゆみ「……妹尾、それは九蓮宝燈と言ってな。役満の一つだ」 佳織「えっ」 智美「京太郎のトビで終了だなー」ワハハ 京太郎「」 佳織「ご、ごめんね? 京太郎くん」 京太郎「い、いえ。さすが佳織先輩……」ハハハ… 睦月「……」 桃子「……」 睦月「なんで自信持たないんだろう」 桃子「ほんとっすね」 京太郎「……立直です」 佳織「」ドキドキ 睦月「」ドキドキ 桃子「ううん」タン ゆみ「……」タン 智美「んー」タン 京太郎「……ツ、ツモ! 2600・1300です!」 智美「おおー!」 ゆみ「1位だな。おめでとう」 桃子「むー、また負けたっすか」 睦月「おめでとう京太郎くん」 佳織「今日初めて1位になったのに、同じ日に2度もなるなんて凄いよ!」 京太郎「……」 ゆみ「京太郎くん?」 京太郎「…………よっしゃああああ!!!」 ゆみ「」ビクッ 京太郎「やっとゆみ先輩に勝てた! しかも1位! 2回目! うわ、すっげえ嬉しい!!」 京太郎「今日の俺凄いなー! ゆみ先輩、やりましたよ! ……ゆみ先輩?」 ゆみ「……京太郎くん、まずはおめでとう」 京太郎「ありがとうございます!」 ゆみ「だが、いきなり大声を出すのはやめろ」 京太郎「あ、すみません」 ゆみ「それと……目の前でここまで喜ばれるとな。さすがにリベンジしないわけにはいかないな」ゴッ 京太郎「えっ」 ゆみ「蒲原、モモ。順番だと私と京太郎くんだが、私たちの代わりに津山と妹尾と交代して貰っていいか?」 智美・桃子「」コクコク 京太郎「えっ?」 ゆみ「さあ、京太郎くん。続けよう」 京太郎「……えっ?」 ………… ……… …… … ――帰り道―― 京太郎「先輩……酷いですよ……」 ゆみ「す、すまない」アセアセ 京太郎「1位になってゆみ先輩に褒めてもらいたかったのに……」ボソッ ゆみ「? 今なんて……」 京太郎「何でもないです!」 京太郎(ゆみ先輩、前言ったこと忘れてるのかなあ)ハァ 京太郎「それより、あの後3位とか4位ばっかりで心折れかけましたよ!?」 ゆみ「べ、別に負けたときから本気だったから実力が変わるわけでは……」 京太郎「ゆみ先輩は手牌読んだり出来るじゃないですか。俺の手牌集中して見てませんでした?」 ゆみ「うっ」ギクッ 京太郎「やっぱり!」 ゆみ「悔しかったんだ、わかれ!」 京太郎「逆ギレ!?」 ゆみ「……まあその、別に京太郎くんだけ見ていたわけじゃない。ただ調子がよさそうだから警戒を強くしたというか――」 京太郎「! ゆみ先輩!」 ゆみ「な、なんだ?」 京太郎「それって、俺のことを強い相手だって認めてくれたってことですか!?」 ゆみ「うん? まあそうだな」 京太郎「本当ですか!? やった!!」 ゆみ「何をそんなに喜……ああ、君は勘違いしていたのか」 京太郎「勘違い?」 ゆみ「京太郎くんが強いだなんて前から知っているよ」 ゆみ「警戒したのだって別に今回が初めてじゃない。というかそうでなければもっと早く1位になれていたさ」 京太郎「えっ」 ゆみ「前にも言ったが……そうだな。1位になったのだし改めて」 ゆみ「君の努力は私が誰より知っている。君は強くなった」 ゆみ「今回1位になったのも偶然じゃない。これから何度だってなれるさ。私が保証するよ」 ゆみ「京太郎くん、よく頑張った」ポン 京太郎「……!!」 京太郎「ゆみ先輩、覚えててくれたんですね……!」ウルウル ゆみ「あ、当たり前だ。何も泣くことはないだろう」カアァァ 京太郎「いや、もうほんと嬉しいです。俺、これからも頑張ります!!」 ゆみ「……しかし正直に言って、京太郎くんが入ったときは2週間でここまで上手くなるとは思わなかった」 京太郎「そこまで言われるほど上手くなりました?」 ゆみ「もちろんだ。特にモモにはステルスもある」 ゆみ「私とモモがいる卓で1位を取るのは、早くても大会が終わってからだろうと思っていたよ」 京太郎「今日勝てたのは嬉しいですけど、ゆみ先輩とモモはもちろん、睦月先輩にも部長にもあんまり勝ててるわけじゃないですよ?」 ゆみ「そこまで上手くなられたら私たちの立つ瀬がないな」ハハハ ゆみ「京太郎くん、大会でどこまで行ってみたいと考えてみたことはあるか?」 京太郎「どこまでというとやっぱり決勝リーグまで行ってみたいです。ただそもそもどんな感じなのかが……」 ゆみ「ふむ、そういえばそういう話をしたことがなかったな。それじゃあ分かる範囲で説明しよう」 ゆみ「……説明するといったが、正直言って男子の方は私もよくわからん」 ゆみ「だがまあ、君は麻雀を初めたばかりの初心者だ」 ゆみ「男子のほうがレベルが高いと聞くし、決勝リーグまで進むのはかなり難しいだろう」 京太郎「ですよねー」ガックリ ゆみ「だが、ここ長野に限っては可能性がある」 京太郎「え? なんでですか?」 ゆみ「長野の男子には恐ろしく強い3人の選手がいるんだ。全国大会の1位から3位までその3人が独占していた」 ゆみ「点数も圧倒的でな。その3人とその他大勢というか、とにかく別次元の強さだった」 京太郎「そんな強かったんですか?」 ゆみ「その3人の誰かがいる卓では、1万点残ったら運がいいと思えと言われている」 京太郎「なんですかそれ!?」 ゆみ「信じがたいが本当だ。去年1人は卒業したんだが、まだ2人いる。予選では全選手と当たるからな。その2人とも当たることになる」 京太郎「ふんふむ」 ゆみ「その2人と当たったときにどれだけ点を取られないか。決勝リーグに出られるかどうかはそれにかかっている」 ゆみ「まあつまり、経験の少ない君でもその2人から上手くオリられれば、決勝リーグまで進める可能性があるということだ」 京太郎「そんな、予選が何試合あると思ってるんですか。そのうち2試合くらいで……」ハハハ ゆみ「……」 京太郎「……マジなんですか?」 ゆみ「ああ、一切誇張はない」 京太郎「……ちなみにもしゆみ先輩が戦うとしたらどうします?」 ゆみ「配牌で一向聴でなければベタオリだ。それでも5巡目までに聴牌しなければオリる」 京太郎「はい?」 ゆみ「まあ実際にはベタオリすら狙われるからな」 ゆみ「自分の意志ではなく、ランダムな法則でいつオリるか決めたほうがいいんだろうが、基本的はそうなる」 京太郎「ちょ、ちょっと待って下さい。なんですかそれは」 ゆみ「なんですかもなにも私ならそうするという話だ。実際に打ったことはもちろんないが、それほど圧倒的な相手だ」 京太郎「お、恐ろしいですね……」 ゆみ「ああ、だからこそ決勝リーグも狙えると思う」 京太郎「正直その話聞いて自信なくしたんですが……」 ゆみ「何もその2人に勝てというわけじゃない。このペースで成長すればいい線まで行くと思うぞ?」 京太郎「……そうですね。どうせ初心者ですし、当たって砕けろですよね! 決勝リーグ目指します!」 ゆみ「うん、その意気だ。一緒に頑張ろう」 京太郎「一緒に……! はい、もちろんです!」 ――食堂―― 睦月「部のみんなでお昼を食べるのは久し振りですね」 ゆみ「ああ、妹尾と京太郎くんとモモが入ってきてからは初めてだな」 桃子「こういうの憧れだったんすよー!」 智美「たまには部活以外でも集まろうと思ってなー。大会も近いことだし。それと……」 佳織「それと?」 智美「京太郎が調子悪いだろー? それをゆみちんから相談されたんだけど、これで何か気分転換になればと思ってなー」ワハハ 桃子「あー、この間1位になったのに、それから3位とか4位ばっかりっすよね」 ゆみ「調子の波自体は誰にでもあるが、京太郎くんは初めて経験するだろうからな」 智美「大会直前のこの時期になるのは不安なはずだからなー。こういうのは部活以外で話したほうがいいと思うんだ」 睦月「そうですね。あんまりプレッシャーかかっちゃいけませんし」 佳織「ところでその京太郎くんは……?」キョロキョロ ゆみ「そういえば遅いな」 桃子「いつもパンかお弁当だから手間取ってるんすかね? 私もそうだったっすし」 智美「モモはおばさんがモモのことを見つけられなかったからだろー」ワハハ 桃子「だから学食は困るんすよ!」 睦月「でもそのモモより遅いのはなんでなんだろう?」 ゆみ「ふむ……ああ、ちょうど来た、よう……だ……?」 佳織「うわあ……」 桃子「あ、あれは凄いっすね」 睦月「あれ食べきれるのかな……?」 智美「さすが男子高校生だなー」ワハハ 京太郎「す、すみません。遅くなりましたっ」ドスン ゆみ「い、いや。それはいいんだが……」チラッ 桃子「それ食べきれるんすか?」 智美「山盛りの唐翌揚げに大量のエビフライ」 佳織「ハンバーグとメンチカツも2つずつ」 睦月「ご飯も2人分くらいあるね。それと申し訳程度にサラダが」 桃子「聞いてるだけで胃がもたれそうっすね」 京太郎「……死ぬ気で食べます」ゲッソリ ゆみ「普段学食で食べているが初めて見るな。なんという料理なんだ?」 京太郎「メンズランチを注文したらこうなりました……」 睦月「ああ、男子が入って来てから出来たメニューだね。だから見たことないんだ」 佳織「今まで女子だけだったから、きっと食堂のおばさんが張り切ってこんなメニュー作ったんだね」 ゆみ「しかし学食で食べるのが初めてにしても、友人から聞いたりはしなかったのか?」 京太郎「今日は普段一緒に昼食べてるやつに、麻雀部のメンバーと食べるって言って来たんですよ」 京太郎「そしたらそいつ学食ではメンズランチがオススメだって言って……!」 桃子「あー……。まあご愁傷様っす」 京太郎「うう、あいつ覚えてろよ……!」 ………… ……… …… … 京太郎「き、キツイ……」キュウ ゆみ「だ、大丈夫か?」 京太郎「す、少し休憩すればまだ行けます」 睦月「うむ、まあ無理はしないように」 京太郎「はぁ……そうだ。最近俺スランプで、麻雀全然勝てないんですがどうすれば直りますかね?」 智美「おお、そっちから切り出したかー」 京太郎「はい?」 智美「いや、なかなか言い出しづらいだろうと思って、どう切り出そうか考えてたんだけど必要なかったなー」 京太郎「ああ、そういうことですか。まあ聞くは一時の恥って言いますし」ハハハ 桃子「ちなみに京太郎的には何が悪いと思ってるんすか?」 京太郎「んーネトマでは変わらずそれなりに勝ててるから、なんか癖とかあるのかなあって」 ゆみ「うん? ネトマのほうでは勝てているのか?」 京太郎「はい。部活でやるときだけどうも上手く行かなくて……」 ゆみ「ふむ……」 睦月「何か気になるんですか?」 ゆみ「いや、最近の京太郎くんの牌譜を見ると明らかに不自然な捨て牌があるから」 ゆみ「ネトマでやっていないなら何が原因なのかと思ってな」 智美「確かにこの間見た牌譜は変なとこがいくつもあったなー」 京太郎「どのへんが変でした?」 ゆみ「具体的にではないが、そうだな」 ゆみ「ところどころ比較的安全な牌を切らずに他の牌を切っているだろう? たまに向聴数を上げてまでしていることもある」 ゆみ「それにあからさまな危険牌を振り込むこともある」 ゆみ「正直今の君のレベルからしたら不自然だと思うんだが、何か理由はあるのか?」 京太郎「それは……なんというか上手く言えないんですけど、感覚でこれを切ったらヤバイとか」 京太郎「これなら行けるみたいなのを感じるというか……」 ゆみ「……」 ゆみ(確かに読み切れそうもない難しい待ちを回避していることもある……)フム 桃子「勘違いじゃないっすか?」 京太郎「そんな気もするけど、ステルスとかいうお前が言うな!」 佳織「私はそういうの全然感じたことないなあ。まだ始めたばっかりだし、その内感じられるようになるのかな?」 京太郎「むしろ感じたことがないことにちょっと驚いてます」 佳織「えっ!?」 ゆみ「ちなみにそれは何割くらいで成功しているんだ?」 京太郎「体感で大体5割くらい……だと思います」 智美「結構高いなー」ワハハ 京太郎「まあいつも感じられるってわけじゃないんですけどね」 ゆみ「そうか……」 睦月「先輩はどう思ってるんですか?」 ゆみ「そうだな。ネトマではいつも通りに打っているんだろう?」 京太郎「そういえばネトマではないですね」 ゆみ「ならそれは対局相手の癖や雰囲気を感じているんじゃないか?」 京太郎「癖や雰囲気ですか? でもそういうのを考えたことはあんまりないですよ?」 ゆみ「この短い期間に何度も同じ相手とだけ打っているんだ。無意識に刷り込まれていてもおかしくはない」 智美「でもそれだと私たちも感じてないとおかしくないかー?」ワハハ ゆみ「それは個人差があるだろう。京太郎くんがそういう面に優れているのかもしれない」 京太郎「うーん……」 ゆみ「ピンと来ないか?」 京太郎「はい。他の人はともかく、ステルスしてるモモ相手にもたまに感じることがあるので……」 桃子「そういえばそんなこともあったっすね。後で牌譜見てちょっと驚いたっす」 ゆみ「ふむ……モモもステルスとはいえ本当に消えているわけじゃない。見えていないが見ているということはあるんじゃないか?」 京太郎「ああ、なるほど」 ゆみ「まあこれはあくまで私の解釈だから、これを君にを押し付けるつもりはないよ」 ゆみ「……それより話が脱線してしまったな」 ゆみ「京太郎くんのその感覚が観察によるものか、それとも他の何かかどうかなんてどっちでもいい」 京太郎「えっ」 睦月「バッサリ行きましたね」 智美「ゆみちん、もうちょっと言い方ってものが……」 ゆみ「む、結論から言ってしまおうと思ったんだが……」 京太郎「い、いえ。全然大丈夫です。続けてください」 ゆみ「そうか、よかった」ホッ ゆみ「話を聞く限り、京太郎くんは感覚の通りに打った結果、それが裏目になって勝てていないんだろう?」 京太郎「はい」 ゆみ「なら簡単だ。感覚に頼ってスランプになっているんだから、それに頼るのをやめればいい」 京太郎「あっ」 桃子「何度か裏目った時点で気付いて欲しいっすねー」 京太郎「みんなこうやってると思ってたんだよ!」 京太郎「でも対策がわかったんだ! 今日は1位になるぞー!」 桃子「まあその前に目の前の食事を片付けるっすよ」 京太郎「うっ……」 睦月「あはは、少しぐらいなら食べてあげるよ」 佳織「私もちょっと手伝うよ」 京太郎「睦月先輩、佳織先輩……! ありがとうございます!」 ゆみ「……」 智美「ゆみちんどうかしたのかー?」 ゆみ「……いや、何でもない」 智美「そうか? まあゆみちん、悩んだときは当たって砕けろだー」 ゆみ「……まったく、わかっているなら聞くな」ハァ ゆみ「でもそうだな。ありがとう」 智美「ワハハー」 ――帰り道―― 京太郎「ゆみ先輩、今日はアドバイスありがとうございました!」 ゆみ「アドバイスという程のものじゃないさ」 京太郎「そんなことないですよ! 1位にはなれませんでしたけど、久々に2位になれてめちゃくちゃ嬉しいです!」 ゆみ「……ちなみに、今日も切るべきかどうかという感覚はあったのか?」 京太郎「そうですね。半荘で3,4回くらいはありました。今日は言われたとおりそれ無視してやりましたけど」 ゆみ「それでいい結果になったんだな」 京太郎「はい! やっぱり基本に忠実にやったほうがいいですね」 ゆみ「話を聞いている限りでは振り回されているだけのようだったからな」 京太郎「アハハ……恥ずかしいですね」 ゆみ「……ただ、昼に言ったことと逆になるんだが、もったいないとも思っているんだ」 京太郎「え?」 ゆみ「京太郎くんのそれはきっと磨けば大きな武器になるはずだ。だから昼に言ったことが全部正しいわけじゃない」 京太郎「ええと、それなら昼はああ言ったのは……?」 ゆみ「さっき言ったとおり、君が振り回されているからだ」 京太郎「確かにあやふやな感覚に頼るくらいなら完全に無視したほうがよかったですね……」 ゆみ「京太郎くんは感覚に頼るのではなく、使いこなさなければダメだと思うんだが、大会までは時間がない」 ゆみ「付け焼刃の感覚を使おうとするよりは、無視したほうがいいと私は思う」 京太郎「使いこなすというと成功率を上げるってことですか?」 ゆみ「……それは出来るのか?」 京太郎「いやさっぱりわかりません」 ゆみ「だろうと思ったよ」ハァ ゆみ「そうだな……例えば危険牌だとわかっていても押さなければならない場面や」 ゆみ「おそらく安牌だと感じていてもオリたほうがいい場面があるだろう?」 京太郎「はい」 ゆみ「君の場合はそれをより正確に感じることが出来るわけだから、当然押し引きの基準も変わってくるはずだ」 ゆみ「これは単純な例だが、もっと複雑な場面も多くあるだろう?」 ゆみ「その時々で最も有効な打ち方を判断できるようになったら使いこなせたといえるんじゃないかと思う」 京太郎「なるほど……」 ゆみ「私が教えてあげられればいいんだが、なにぶん君にしかわからない感覚だ」 ゆみ「君が実戦で磨くしかないし、それに基礎力ももちろん必要だ。そうすると大会までにはおそらく間に合わない」 京太郎「あっ、だから頼るのはやめろって……」 ゆみ「ああ、君は強くなった。普通に成長すれば決勝リーグに残ることもそう無理なことではないと思う」 ゆみ「私は大会が終わるまでは普通に練習をして、大会が終わってから」 ゆみ「その感覚を活かした打ち方を見つければいいんじゃないかと思う」 京太郎「……私はってことは、他の道もあるってことですか?」 ゆみ「そうだな。今からその感覚を活かした打ち方を見つけるという方法もある」 ゆみ「次の大会で全国に行こうと思うならこれが一番可能性があるだろう」 京太郎「ぜ、全国ですか!?」 ゆみ「まあ完璧とまで行かなくとも、ある程度完成させられればという前提だがな。ただおそらく無理だろう」 京太郎「き、厳しいですね」 ゆみ「当たり前だ。自分のスタイルなんてそう簡単に身につくものじゃない。前例にない特殊な打ち方をするならなおさらだ」 ゆみ「さらに言うなら、そこまで上手く行ったとしても可能性が出てくるという程度だ」 京太郎「どっちを選ぶべきか……」ウーン ゆみ「……実はな、この話は言おうかどうか迷ったんだ」 京太郎「え? なんでですか?」 ゆみ「京太郎くんが迷うと思ったからだよ。誰だって全国は目指したいだろう?」 京太郎「そうですね」 ゆみ「だけどそのスタイルが完成するまでは、きっと昨日までのように負け続けることになる」 ゆみ「誰だって負けるのは嫌だろう? そんなことで京太郎くんが麻雀を嫌いになったら悲しいからな」 京太郎「そんなことは……」 ゆみ「……まあそれで嫌いになるというのも、私の勝手な想像だ。だから最終的には君自身に決めてもらうことにしたんだが」 京太郎「はい」 ゆみ「どっちを選んでもいいぞ。どちらでも出来る限りのサポートはしよう」 京太郎「……大会までは普通に練習することにします」 ゆみ「うん? そうか。わかった」 京太郎「あれ、ちょっと意外そうですね」 ゆみ「そうだな。正直京太郎くんは、今から感覚を活かした打ち方を見つけると言うと思っていた」 京太郎「3年ならそうしたかも知れないですけど、無理して次の大会で勝とうと思わなくても俺はまだ1年ですから」 ゆみ「ああ、確かに私もそう考えたから今は普通の練習をしたほうがいいと言ったんだが……」 京太郎「……あー、その。ですね」 ゆみ「うん?」 京太郎「ええと……」 ゆみ「?」 京太郎「……ゆ、ゆみ先輩が俺のためって考えてくれたのが嬉しかったんですっ!!」 ゆみ「なっ!?」カアァァ 京太郎(い、言っちまったああああ! ひ、引かれたりしないよな……?) ゆみ「そ、そのだな」アタフタ 京太郎「……」ドキドキ ゆみ「た、確かに京太郎くんは大切な後輩だし」 ゆみ「君のために考えたというのも正しいが、それでももう少しいい言い方があるだろう!?」カアァァ 京太郎「っ!」 ゆみ「そ、それともわざとそういう言い方にしたのか?」 京太郎「……そ、そうなんですよー。やだなバレちゃいましたか」 ゆみ「や、やっぱりそうだったか……」シュン 京太郎(先走ったかあ……まあ、誤魔化せただけいいかな)ズーン ゆみ「まったく、京太郎くんも言うようになったな」ハァ 京太郎「あ、あはは」 ゆみ「でも嬉しいよ。モモとはいつもこんな感じで話しているだろう?」 京太郎「モモはああいう奴ですからね。ゆみ先輩には、もし同じ学年でもモモと同じようには話せませんよ」 ゆみ「今言っていたじゃないか」 京太郎「そ、そうでしたね……」アハハ ゆみ「これからも言ってくれていいんだぞ? 私は気にしない、というか楽しい」 京太郎「そうですか? 意外ですね」 ゆみ「今まであまり言われたことがなかったから新鮮なのかもしれないな。……それかもしくは」 京太郎「もしくは?」 ゆみ「……京太郎くんとは特別話しやすいからかもしれないな」 京太郎「えっ――」ドキッ ゆみ「……」ジー 京太郎「……」ドキドキ ゆみ「……ふふ、冗談だ。あまり後輩に言われてばかりではな」 京太郎「もう、俺が悪かったですから、からかうのはやめてくださいよ……」 ゆみ「ちょっとした仕返しだよ」 京太郎「まったく、ちょっと前までが男と話すの苦手とか言ってたの誰ですか」 ゆみ「……今も他の男子とはほとんど話さないし、話すのは苦手だ」 京太郎「えっ?」 ゆみ「私がこういうことをできるのは京太郎くんだからだよ。きっと」 京太郎「なっ」カアァァ ゆみ「……」ドキドキ 京太郎「こ、こんな続けてはさすがに引っかかりませんよ!」ドキドキ ゆみ「……ああ、そうだな」 京太郎「ゆみ先輩は冗談も真顔で言うから分かりづらいです……」 ゆみ「見分けられるようになることを期待しているぞ」 京太郎「努力します……それじゃあゆみ先輩、また明日」 ゆみ「ああ、もうこんなところか。また明日」 ゆみ(まったく、あまり慣れないことはするものじゃないな)ハァ ゆみ(見分けられるように……そもそも私はどういう返事を期待していたんだ?) ゆみ(自分でも分かっていないのにあんなことを……いや、やめよう。考えるのは大会が終わってから――) ゆみ「そうか、大会が終われば私は引退……」 ゆみ「もう少しだけでも長く続けられればな。蒲原と妹尾と睦月とモモと、それに京太郎くんがいる今のメンバーで」 ゆみ「大会がなくても放課後に集まって麻雀をして」 ゆみ「それも全国まで行けば、か……ただ楽しみが続けばと思うだけなのに、つらい道のりだな」ハァ ゆみ(それでも、目指さなければ届かない……頑張ろう!) 京太郎「こんにちはー。部長だけですか?」ガラッ 智美「ああ、みんなまだ来てないなー」 京太郎「そうですか。それじゃあみんな来るまで牌譜の整理でも……」 智美「まあまあ、そんなのいいからちょっとこっち手伝ってくれー」 京太郎「なにやってるんですか?」 智美「決起集会に必要なものを考えてるんだ」 京太郎「決起集会?」 智美「ああ、大会直前だから、気合を入れるためにもやっとこうと思ってなー」 京太郎「へえ。初めての大会ですしいいかもしれませんね」 智美「それで京太郎に決めて貰いたいことがあるんだ」キリッ 京太郎「む、責任重大ですね。なんでしょう?」 智美「ああ、きのこの山とたけのこの里のどっちを買えばいいかと……」 京太郎「真剣な顔してなにかと思えばそんなことですか!?」 智美「そんなこととは失礼だなー。きのこたけのこ戦争を甘く見ると痛い目にあうぞー」ワハハ 京太郎「じゃあ大袋のでいいじゃないですか。両方入ってますし量もありますから」 智美「おお、名案だなー。そうしよう」カキカキ 京太郎「……ていうか決起集会で何をするつもりなんですか?」 智美「お菓子とジュースで楽しく過ごすつもりだ」ワハハ 京太郎「決起集会なんですかそれは!?」 智美「堅苦しいのは嫌だろー?」 京太郎「いやそれはそうですが……」 智美「まあ別になんとなくやってるわけじゃないんだ」 京太郎「ほんとですか?」 智美「ああ、最近大会が近いからかみんな緊張してるだろ?」 京太郎「確かに睦月先輩と佳織先輩は牌落としたりミスが多くなったりしてますね」 智美「うん、むっきーと佳織は分かりやすいなー。でもモモとゆみちんもだぞ?」 京太郎「そんなふうには見えないですけど……」 智美「例えばモモは消えるのが遅くなってるだろ?」 京太郎「え? あれって慣れたからじゃ……」 智美「慣れたくらいで見えるようになるならモモも苦労はしてないと思うぞ?」 智美「多分緊張からだと思うけど、牌を捨てるときに音が大きくなってたり」 智美「打ってるときにソワソワしたりしてていつもより目立ってるんだ」 京太郎「全然気づきませんでした……」 智美「京太郎はまだまだだなー」ワハハ 京太郎「それじゃあゆみ先輩はどんな感じなんですか?」 智美「なんか考えこんでることが増えたなー」 京太郎「……それ緊張からですか?」 智美「うーん」チラッ 京太郎「?」 智美「……緊張じゃないかもしれないけど、何かあったんだろうなー。多分京太郎のせいで」 京太郎「俺何もしてないですよ!?」 智美「気にするなー」ワハハ 京太郎「しますよ!?」 智美「それに他人事みたいに言ってるけど京太郎もだぞー」 京太郎「露骨に話そらしましたね! でも俺は負けて元々ですしそんなに緊張は……」 智美「この間廊下で京太郎を見かけたんだけど、歩きながら教本見るのは危ないからやめたほうがいいと思うぞ」 京太郎「うっ」ギクッ 智美「ところで負けて元々だからなんだっけー?」 京太郎「いやー、初めての大会は緊張しますねー!」 智美「そうだろー」ワハハ 京太郎「でもみんなのことよく見てますね。さすが部長」 智美「京太郎も殊勝なことを言うようになったなー」 京太郎「え?」 智美「初めて会ったとき、部長に見えないとか言われたの覚えてるぞ」ワハハ 京太郎「勘弁して下さい……」 智美「ワハハ。まあゆみちんのほうが部長らしいもんなー」 京太郎「そんなことないです!」 智美「ん?」 京太郎「最初自己紹介で下の名前で呼ぼうって言ってくれたじゃないですか」 京太郎「実際あれがなければこんなに仲良くなれなかったと思いますよ」 京太郎「モモなんかむっちゃん先輩とかかおりん先輩とか呼ぶくらいの仲になってますし」 智美「あれはちょっと驚いたなー。でもそれはモモ自身のことで」 京太郎「それだけじゃないですよ。ゆみ先輩たちのことも俺たち後輩のことも、色々と気を配ってくれてるじゃないですか」 京太郎「麻雀部に入って思いました。鶴賀麻雀部の部長は智美部長しかいません!」 智美「ワ、ワハハ」 京太郎「部長?」 智美「て、照れるじゃないかー」ワハハ 京太郎「でも本当に部長には感謝してるんですよ」 智美「そ、そういうのはもうちょっと遠回しに言ってくれると……」カアァァ ゆみ「まだ2人だけ……何をやっているんだ?」ガラッ 京太郎「あ、ゆみ先輩。今はいかに部長に感謝しているかということを――」 智美「京太郎に弄ばれてたんだ」グスン 京太郎「部長!?」 ゆみ「京太郎くん、詳しく話してもらおうか」ゴゴゴ 京太郎「ゆみ先輩も信じないでくださいよ!?」 ゆみ「別に信じているわけじゃない」 京太郎「え?」 ゆみ「蒲原の様子を見るに何かしたのは事実だろう。隈なく教えるように」ゴッ 京太郎「お、俺は悪いことしてませんからね」ビクビク ――説明中―― ゆみ「ふむ」 京太郎「何もしてませんよね?」 ゆみ「君が悪いな」 京太郎「なんでですか!?」 ゆみ「悪気はないんだろうが、ストレートに言うのはもうちょっと控えたほうがいい。君と相手のためだ」 京太郎「そんなつもりはないんですが……ゆみ先輩がそういうなら」 ゆみ「……私以外にもそうだったんだな」 京太郎「えーと、まあ自覚してないので……」 ゆみ「そうか……」 京太郎「それがどうかしましたか?」 ゆみ「いや、何でもない」フイッ 智美「……要はヤキモ」ボソッ ゆみ「何か言ったか?」 智美「何も言ってないぞー」ワハハ 京太郎「?」 桃子「こんにち……あれ、修羅場っすか。むっちゃん先輩、かおりん先輩。ちょっと外出てましょう」 佳織「あれ、桃子さんとじゃないんだね」 睦月「いつかやるとは思ってたけど部長ととは思わなかった」 ゆみ「京太郎くん、どういう意味だ?」ゴッ 京太郎「知りませんよ! 終わった話をややこしくするのは止めてください!」 桃子「あれは私を京太郎が見つけたとき……」 京太郎「特にお前に言ってるんだよモモ!!」 ………… ……… …… … ゆみ「決起集会か」 智美「顧問もいないようなものだし、注目されてる部でもないから内輪だけだけどなー」 睦月「いいんじゃないですか? やりましょう」 佳織「でもお菓子とジュースって全然決起って感じはしないね」 智美「堅苦しいのはウチの部に合わないだろー?」 桃子「そうっすね! リフレッシュして大会に出るのもよさそうっす」 ゆみ「ああ、私も賛成だ。……しかし大丈夫かな。まだやるべきことが……」 智美「ないない。もう十分だ」 ゆみ「だが対策が出来ていない高校がいくつも……」 智美「1校にしか通じない対策を練るより、私たちが普段通りの麻雀が出来るようになるほうが効率いいだろー?」 ゆみ「……!」 智美「まあゆみちんが最後で全部捲ってくれるって言うなら別だぞ?」ワハハ ゆみ「……私には最後で捲るほどの力はないからな。ここは蒲原の言うとおりにしておこうか」フフッ 智美「決まりだなー」ワハハ 桃子「場所は部室っすよね?」 智美「ああ、ついに部費を使うときが来たなー」ワハハ 佳織「それはさすがにマズイんじゃ……」 智美「バレなきゃ大丈夫だろー」 京太郎「いや、バレたらシャレにならないことになる可能性が……」 ゆみ「そんなことで大会出場停止なんて笑い事にもならないぞ」 智美「しゅ、出場停止までは考えてなかったな。おとなしくお菓子とジュースは持ち寄るか……」 睦月「そうしましょう!」 ゆみ「……津山。みんなで食べるからってプロ麻雀せんべいばかり買ってくるんじゃないぞ」 睦月「そ、そんなことしませんよ!!」アセアセ 京太郎(持ってくるつもりだったんだな) 桃子(ブレないっすねー) 佳織(本当に好きなんだ) ――帰り道―― ゆみ「最近調子がまた上がってきたようだな」 京太郎「はい、今日は久々の1位ですよ!」 ゆみ「まあ私がいる卓ではなかったがな」 京太郎「ぐっ……結局ゆみ先輩に勝てたのはこの間の1回だけでしたね」 ゆみ「そもそもあれから対戦数が少ないというのも……」 京太郎「どうかしました?」 ゆみ「いや、君には我慢をさせていると思ってな」 京太郎「我慢ですか?」 ゆみ「ああ、ここ最近は以前に比べて対局時間がだいぶ減ってしまっている。君には貴重な時間だというのにすまない」 京太郎「大会に向けて作戦会議してるんだから当然じゃないですか。そんなこと気にしないでくださいよ」 ゆみ「しかし私たちが話しているのは女子のことばかりだしな」 京太郎「この短い期間で男子の対策も立ててくれなんて言いませんよ。それに俺だって牌譜を見るくらい出来るようになりました」 京太郎「ゆみ先輩たちが女子の対策話してるとき、俺だって男子の牌譜見てどう打つか考えてます! 無駄になんかしてませんよ!」 ゆみ「……ありがとう。そう言ってくれると教えた甲斐があって嬉しいよ」ニコッ 京太郎「!」ドキッ ゆみ「ん? どうかしたか?」 京太郎「い、いえ。なんでも」 京太郎(ゆみ先輩、人にストレートに言うなって言ってるんだから自分も気をつけてくれないと……!)カアァァ ゆみ「……本当に大丈夫か?」 京太郎「だ、大丈夫ですよ! そ、それより大会は勝てそうなんですか?」 ゆみ「大会か、そういえば細かいところは君に話していなかったな」 京太郎「はい、俺の方は当たって砕けろというか、いかにあの化け物達から逃げるかって感じですけど」 ゆみ「ああ、うん。まあ仮に砕けたとしても気にするな。あれは多分災害のようなものだ」 京太郎「気にするにも実力が必要ですよね」 京太郎「まあ、直撃で決勝リーグ行けないとかだとさすがに落ち込みそうですけど。それで女子はどうなんですか?」 ゆみ「そうだな……裾花はわかるか?」 京太郎「えーと、今長野の女子団体でランキング県3位の高校でしたっけ?」 ゆみ「ああ、そこだ。妹尾の調子が良くて、モモに相手が上手くはまってくれたという前提だが」 京太郎「だが?」 ゆみ「勝つことも夢ではない……というか五分五分以上で戦えそうだ。妹尾の調子が悪くても勝ち目がないわけじゃない」 京太郎「凄っ!?」 ゆみ「っ」ビクッ 京太郎「鶴賀って去年まで大会とか全然出てないんですよね!?」 京太郎「それで長野3位に互角以上って、そんな先輩たち強かったんですか!?」 ゆみ「京太郎くん、とりあえず少し声を抑えよう」ドキドキ 京太郎「す、すみません。ちょっと驚いて……」 ゆみ「うん、分かってくれたらいい」コホン ゆみ「そうだな……まず何より、モモのステルスの強さは君もよく知っていると思う」 京太郎「理不尽ですよねーあれ。何度振り込んだことか……」 ゆみ「妹尾は何故か分からないがよく役満で上がっている」 京太郎「何度も飛ばされましたね……」フッ ゆみ「……そういえば君はよく振り込んでいるな」 京太郎「何なんですかねあれ。……というか今そんなこといいじゃないですか!!」 ゆみ「ああ、すまない。脱線したな。津山と蒲原はどちらも大崩れはしないだろう?」 京太郎「2人とも守備堅いですもんね」 ゆみ「そして私自身もみんなが稼いでくれたリードを守るくらいの力はあると思っている」 京太郎(むしろ広げられると思います) ゆみ「それに裾花レベルの高校であれば対策もしっかりしている。データのない向こうに比べればこちらがだいぶ有利だろう」 ゆみ「さっき話したのはそういう面も含めての勝率だな。まあ、麻雀である以上水物ではあるんだが」 京太郎「いやそれでも凄いですよ。本当に全国も夢じゃないですね!」 ゆみ「……」 京太郎「……あれ?」 ゆみ「裾花は3位といったが、その上の1位2位はまた別次元なんだ」ハァ 京太郎「そんなに強いんですか?」 ゆみ「そうだな。まず風越は主将の福路が読みと洞察力に優れている上、対応力もずば抜けている」 ゆみ「天江衣を除けば間違い無く長野一の雀士だ」 ゆみ「去年1年で大将をやっていた池田もおそらく出てくるだろう」 ゆみ「彼女は高火力が武器だ。安定性では福路に劣るが、爆発力では妹尾並かそれ以上だろうな」 京太郎「佳織先輩以上とか想像したくないですね……」 ゆみ「まったくだ」ハァ ゆみ「風越のことだし、去年いなかったメンバーもそれぞれ高い実力を誇るはずだ。正直勝ち目は薄いだろう」 京太郎「さすが名門ですね……。もう一つの高校は龍門渕でしたっけ? そっちはどうなんですか?」 ゆみ「龍門渕は去年全員1年で県大1位だったんだが、その時点で先鋒から副将まで4人とも全国レベルだ。隙がない」 ゆみ「そしてその4人が霞むくらいの脅威が大将の天江衣」 ゆみ「昨年の決勝ではさっき話した風越の池田を圧倒しているし、全国大会でも平均打点はトップだ」 京太郎「凄まじく強そうですね……勝てそうですか?」 ゆみ「遠慮無く聞くんだな」 京太郎「す、すみません」アセアセ ゆみ「気にするな。こういうときのそれは直さなくてもいい」 ゆみ「まあそうだな……。万に一つ勝てればよしといったところだろうな」 京太郎「そうですか……」ズーン ゆみ「君が落ち込んでどうする」 京太郎「それはそうなんですが」 ゆみ「なに、そもそも大会に出られるかどうかもわからなかったんだ」 ゆみ「妹尾とモモと、そして京太郎くん。いいメンバーに恵まれて大会に参加出来るだけで満足だよ」 京太郎「でも……」 ゆみ「ああ、もちろん諦めているわけじゃないぞ?」 ゆみ「万に一つを掴めるようにどうすれば勝てるか必死で考えてきた。それでもそれは君が気に病むことじゃないさ」 ゆみ「……それにそんなに勝って全国に行くことに拘るなら京太郎くんが頑張るといい」 ゆみ「私たちが団体で全国に行くより君が全国に行くほうがおそらく可能性が高いぞ」フフッ 京太郎「お、俺は決勝リーグ目標にしてる男ですよ!?」 ゆみ「君が言っているのはそういうことだよ」 京太郎「あ」 ゆみ「砕けて元々は私たちもだ。まあもちろん砕ける気はないし、勝って欲しいと思ってくれるのは嬉しいが、もっと気楽にな」 京太郎「……ゆみ先輩にそれを言われるとは思ってませんでした」 ゆみ「君に言われた通りに変わったと思ってくれ」 京太郎「俺が言った通り変わるだなんてそんな……」 ゆみ「これは冗談じゃない。その……素直に、受け取って欲しい」ウワメヅカイ 京太郎「――です」 ゆみ「……? すまない、よく聞こえなかった」ズイッ 京太郎「はっ!? も、もうこんなところですね。それじゃさようなら!」 ゆみ「あ、おい! ……もう、なんなんだ」 ゆみ「……また明日くらいちゃんと言わせろ。バカ」 京太郎(何するんだあの人、今日2度目だぞ!? 危なかった! 好きですとか言うとこだった!!)カアァァ 京太郎(俺に言う前に自分を直してくれ!! 今度絶対やめさせ――) 京太郎「……あれ他の男にもやってるのか?いや、男と話すのはまだ苦手とか言ってたし3年に男子はいないしやってないはず……」 京太郎(……まだ注意しなくていいか。うん、大会前だし。無駄なことを意識させると悪いし) 京太郎(別にもっとやって欲しいとかそういうのじゃないけど!)
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6326.html
須賀母「それじゃ私は出かけるからよろしくね」 京太郎「ああ」 須賀母「じゃあねー」 母さんが出ていってから数分後、その少女は我が家へやってきた。 京太郎「いらっしゃい」 そう言いながらドアを開けた俺の前に立っていたのはロリでおもちな美少女だった。 由暉子「初めまして、真屋由暉子と言います」 小さくて可愛い、そのくせ一部分だけ大きい。こんな娘が新しい家族とはとは……。 ところでこの娘、妹?それとも姉? 小さいけどしっかりしてそうだし……うーむ。 まあ、こんなに小さいし妹だろう。うん。 真屋由暉子ちゃんか、何て呼べば良いだろうか。 きっと砕けた感じのほうが気楽だろうし名前を縮めて『ユキ』なんて良いんじゃないか? というわけで。 京太郎「俺は須賀京太郎、よろしくなユキ!」 由暉子(ユキ……先輩達と同じ呼び方……) 由暉子(何だか親しみやすそうで良い感じです) 由暉子(いい兄に恵まれたみたいですね) 由暉子(そうだ、私は何て呼べばいいでしょうか……) 由暉子(えっと、えと……お兄様、とか?) 由暉子(どう呼べば良いかなんてわかりませんしもう最初に浮かんだこれで行きましょう) 由暉子「はい、こちらこそよろしくお願いしますお兄様」 京太郎「おう、そんじゃ中入るか」 由暉子「はいっ」 由暉子(これからのお兄様との生活、楽しみです) 京太郎「あ、そこ座っていいよ」 由暉子「はい」 ……それにしても可愛いな。 ちょこんと座る様子を見てそんなことを思う。ついでに言えば座ると同時にぷるんと揺れるおもちもグッドだ。 おっと、そんなことより午前はユキと何をしようか? 【午前】 あー、そう言えば家事もやっとかなきゃだっけ。 折角だしユキに手伝って貰うか。兄妹初めての共同作業ってな。 京太郎「ユキ、家事の手伝いお願いできるか?」 由暉子「大丈夫ですよ、何をすればいいですか?」 京太郎「そうだな……」 京太郎「洗濯からやろうか」 由暉子「はい」 京太郎「さて、この洗濯物の山を干していくか」 由暉子「半分ずつやりましょう」 京太郎「サンキュ、助かる」 由暉子「ふふ、このくらい任せて下さい」 由暉子「よいしょっ……」 分担した分を干しながらユキの方を見る。頑張って背伸びして洗濯物をかける姿が微笑ましい。 だが……。 由暉子「きゃっ」 上に注目していたせいかユキが躓いてバランスを崩す。 咄嗟に体を動かしてユキを支えてやる。ちょうどタイミング良く目を向けていたおかげでどうにか間に合ったようだ。 ほっと一息ついて声をかける。 京太郎「大丈夫か?」 そう言ってからユキの顔を見ると思ったより距離が近かったらしく白い肌を真っ赤に染めてこちらを見つめていた。 京太郎「あっ……すまん、つい」 謝りながら距離を取るとユキはうつむきがちになりながら蚊の鳴くような声で言った。 由暉子「あ、ありがとうございます……お兄様」 何でしょうか、今の感覚。 お兄様に肩を掴まれて、至近距離で見つめ合った時の胸の高鳴りは一体。 あの優しげな眼差し、あんな目で見つめられたら私はっ。 それにお兄様に掴まれた時のあの安心感……。もっと、もっと優しく包みこまれたいです。 ああ、何だかお兄様を意識し過ぎてしまいます。 それに意識し始めてからお兄様と目が合うような。 お兄様も私を見てる? いえ、性格には私の胸を? お兄様に胸を見られている……っ。 そう言えば先輩達も男の人は胸の大きい女の子が好きだと言っていました。 もし本当ならお兄様も私の胸が好きなのでしょうか。 あ、また見られてます。 どうしましょう、見られていると思ったら何だか体が熱く……。 お兄様、私は……私は……っ。 京太郎「ユキ?おーい、ユキー?」 由暉子「……はっ、はい」 京太郎「大丈夫か?ボーっとして」 由暉子「大丈夫です」 京太郎「そうか」 由暉子「そんなことより、午後はどうするんですか?」 京太郎「午後かぁ」 【午後】 京太郎「特に何も無いし……そうだな、ユキの話を聞かせてくれよ」 由暉子「私の、ですか?」 京太郎「ああ、まだ会ったばっかりだしユキのことをもっと知りたいんだ」 由暉子「私のことを知りたい……わかりました!」 京太郎「じゃあ頼むぜ」 由暉子(お兄様が私のことを知りたがっている……それだけでドキドキします) 由暉子「私のこと……そうですねスリーサイズは上から――」 京太郎「待て待て待て」 由暉子「え?」 京太郎「俺が知りたいのはそういうことじゃなくてだな」 由暉子「男の人はスリーサイズに興味があるのではないのですか?」 京太郎「きょ、興味はあるけども……」 由暉子「あ!わかりました」 京太郎「わかってくれたか」 由暉子「数字よりも自分の手で確かめたいんですね!」 京太郎「は?」 由暉子「さあどうぞっ」 京太郎「おい馬鹿腕を掴んでどこに持って行く気だ!?」 由暉子「胸に」 京太郎「お前はそれでいいのか……」 由暉子「お兄様になら、構いません」 京太郎「顔を赤らめるなっ」 由暉子「お兄様は私の胸、触りたくないんですか……?」 京太郎「そういうわけじゃなくてだな……」 由暉子「だったら!」 京太郎「ダメだ!……ちょっとトイレに行ってくる」 由暉子「はい……」 由暉子「触って、欲しかったのに」 京太郎「ふぅ……」 まったく、ユキの奴はいったい何を考えてるんだ? あんな可愛い顔にすばらなおもちでそんなこと言われたら理性が保たないぞ。 っと、もう大分暗くなってきたな。 【夜】 さっきの会話のせいで嫌な汗をかいたし風呂にでも入るとするか。 京太郎「ユキ、俺先に風呂入ってくるから」 由暉子「わかりました」 京太郎「そんじゃ」 由暉子「お兄様のお風呂……」 由暉子「想像しただけでもうっ」 由暉子「よく考えれば私とお兄様は兄妹、それなら一緒に入っても普通なんじゃ……?」 由暉子「でももしお兄様に嫌われたりしたら……」 由暉子「いえ、お兄様ならきっと喜んでくれるはず。それに私も我慢出来ませんっ」 由暉子「お兄様」 京太郎「ん?どうし――」 ガラッ 由暉子「お背中、流しますねっ」 扉の開く音に驚き振り返るとそこには一糸まとわぬ姿のユキが居た。 京太郎「なっ!?」 反射的に前を向き直しどうしようかと逡巡する。 だが考えが纏まらない内に背中にむにっと柔らかい物が触れる。 真っ白な手が後ろから伸びて俺の上半身に絡みついた。 由暉子「お兄様、筋肉すごいですね」 耳元で甘い声が囁かれる。 俺は風呂に入っていたから裸だしそれはユキもだ。 そんな状態で背中に胸を押し付けられれば嫌でもその先端が触れているのも感じてしまう。 これだけのことに俺の股間は既に手遅れになっていたがギリギリ理性は保っていた。 ユキの腕を振り解くと急いで脱衣所に出る。 由暉子「お兄様?」 京太郎「お、俺はもう出るからっ!」 そうとだけ言い残して急いでタオルを身に着けて俺は脱衣所を後にした。 由暉子「もっと、触れていたかったのに……」 由暉子「でもお兄様の身体、凄くよかった」 由暉子「それにあそこも……」 由暉子「もう我慢出来ません、このお兄様が使っていたタオルで……んっ……」 京太郎「はぁ……」 それにしても色々と大変な一日だった。 ユキ、可愛いし好みなんだけどなあ……。 ちょっと無防備過ぎるというか積極的過ぎるというか。 何にせよさっさと寝よう、今日は疲れたしな。 由暉子「……ここがお兄様の部屋」 由暉子「ぐっすり寝ていますね」 由暉子「それでは早速脱がせていきましょう」 由暉子「ふぁ……お兄様の身体っ」 由暉子「触れているだけでイってしまいそうです」 由暉子「それにこっちも、ふふ」 由暉子「おっきいですね。でも私の方も既にグショグショです」 由暉子「こうやって舌でっ……」 由暉子「さっきよりも大きくなりましたね……でも、これくらいすれば私の中にも……」 由暉子「んっ、ぐっ……痛ッ……」 由暉子「うふ、ふふふふ」 由暉子「ぁはっ、入り……ましたぁっ」 由暉子「初めてはっ……痛いんですねっ」 由暉子「でもこの痛みがお兄様と繋がった証……」 由暉子「そう思えば痛みさえもっ、気持ちよくっ」 由暉子「はぁっ……はぁっ……」 由暉子「おちん……ぽっ……」 由暉子「お兄様のっ、おちんぽっ……気持ちいのぉおおっ」 朝目が覚めると何故か俺は全裸になっており、 ベッドは真っ赤な液体と真っ白な液体で染まっていて、 そして赤と白の液体まみれになりながら満足気な笑みを浮かべて俺の上で眠る妹が居ました。 京太郎「嘘、だろ……」 【朝】 これはきっと夢だ。目が覚めたら普通の朝が待ってるんだ。 この柔らかい塊はだき枕だ。決して妹なんかじゃない。 あー、良い抱き心地だ……。 よし、このまま寝よう。 由暉子「お兄様、起きてください。お兄様」 ユキの声で目覚めるが身体に伝わる感触が目を開けるのを躊躇わせる、現実を直視したくない。 由暉子「ダメですね、全く起きませんね」 由暉子「でもこっちは起きたみたいですし朝一番で――」 京太郎「起きてるっ、起きてるからやめてっ」 由暉子「あ、おはようございますお兄様」 京太郎「なんでそんなに平然としてるんだ……」 由暉子「え?」 京太郎「いや、だって俺たちはその……性行為をだな……」 由暉子「はい、私はお兄様と一つになれて幸せですよ?」 京太郎「とりあえずシャワー浴びてこい」 由暉子「そんな、お兄様の精液を洗い流せだなんて」 京太郎「じゃあ俺が先に浴びてくるからな」 由暉子「あ……」 京太郎「どうした」 由暉子「それなら私も一緒にっ」 京太郎「……もう好きにしてくれ」 京太郎「朝から疲れた……」 由暉子「ふふっ」 結局風呂でも搾り取られて朝から大変な目にあった。 ユキの奴は何を考えてるんだ……。 いや、気持ちいいんだけどやっぱりこういうのは良くないというか何というか。 【午前】 ……考えてても仕方ない、とにかくユキとなにかしよう。 京太郎「よし、遊ぼうぜユキ」 由暉子「性的にですか?」 京太郎「そうじゃなくてだな」 由暉子「ついにお兄様に弄んでもらえるなんて」 京太郎「もては余計だ。というか話を」 由暉子「私はお兄様が望むならSMでもスカトロでもNTRでも何でも大丈夫ですよ!」 京太郎「ユキ……」 由暉子「ああ、お兄様っ!そのゴミを見るような視線、堪りませんっ!」 京太郎「なんでこんな変態に……俺は何を間違えてしまったんだ……」 由暉子「変態っ、そうっそれです!もう一度言ってください、そしてもっと罵ってください!」 京太郎「や、やめろっ」 由暉子「そんなっ……お願いの仕方がダメだったのでしょうか……それなら」 京太郎「だからそういうことじゃなくてっ」 由暉子「お兄様ぁ、どうか、どうかこの雌豚を罵って肉便器にしてくださいっ」 京太郎「だからやめっ――」 涙目でこちらを見上げながらねだるユキの姿に思わず股間がっ……。 まずいと思った時には既に遅い。一瞬で俺はユキに押し倒され抵抗する間もなく下半身を裸にされる。 京太郎「やめろユキ……っ」 由暉子「お兄様のっ、お兄様のっ」 俺の声はユキに届かず、しばらくして本日二度目の射精をすることになった。 京太郎「なんでこうなるかな……」 由暉子「お兄様、もう一度」 京太郎「しない、今度こそ絶対しない」 【午後】 京太郎「出かけよう」 由暉子「お兄様とお出かけですかっ!?」 京太郎「ああ、外ではおとなしくしててくれよ……?」 京太郎「少し歩き疲れたな……」 由暉子「お兄様っ」 京太郎「だからこんなとこで抱きつくんじゃない!」 お前が抱きつくとおもちの感触がだな……。 由暉子「えへへ、お兄様っ」 こんなの……もう我慢出来るかっ! 京太郎「ユキ、こっちだ」 由暉子「へっ?」 京太郎「入るぞ」 由暉子「ここってもしかして……」 京太郎「ああ、そうだ」 由暉子「わぁ……大好きですお兄様っ」 由暉子「お兄様、激しくてっ……私は幸せです」 ベッドには蕩けきった表情で寝そべる裸のユキ。 つい理性を失い欲望のままに致してしまった。 京太郎「やっちまったなぁ……」 【夜】 京太郎「なあユキ」 由暉子「なんですか?」 京太郎「なんで俺とこんなことを……?」 そう問いかけるとユキは身体を起こし、俺に向き合って言った。 由暉子「それは勿論、お兄様が好きだからです」 京太郎「そっか……」 由暉子「はい……でも、もう大丈夫です」 由暉子「もう、襲ったりしません。無理やりして……ごめんなさい、嫌でしたよね」 そう言いながら寂しげに微笑むユキ。 そんなユキの姿を見て、次の瞬間俺はユキを抱きしめていた。 由暉子「お兄様……?」 京太郎「謝らなくていい」 由暉子「でも……」 京太郎「俺も好きだ、お前のこと」 由暉子「ぇ……」 京太郎「順序が逆になっちまって、ごめんな」 由暉子「そんなこと……っ」 京太郎「ちゃんと責任も取る、だからこれからはしっかり愛させてくれ」 由暉子「……はいっ」 朝……? ああ、あの後枯れるまで愛し合って、そんでそのまま寝ちゃったんだっけ。 ユキの寝顔、可愛いなぁ。 さてと……。 【朝】 柔らかいおもちに包まれて眠る。なんて幸せなんだ……。 ぬるり。 口の中でそんな感触がして目が覚める。 目を開けて見てみるとどうやらユキにキスされているらしい。 負けじと俺も舌を動かして応じる。 しばらくお互いの口の中を楽しんだ後、ユキが顔を離して言った。 由暉子「おはようございます、お兄様っ」 あれからしばらく経ってから母さん達の再婚が決まり、俺は北海道へと引っ越すことになった。 真屋と書かれた表札の家の前には一人の少女が立っている。 その少女は俺に気付き、こちらを向くとにっこりと笑って言った。 「子供の名前は何がいいですか?お兄様」 《真屋由暉子編 カンッ!》
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6111.html
第十八章【大天使エイスリン! 日本の文化はエロばかり!?】 アフターのアフターのアフター 京太郎「……」 豊音「わー、上手だよー」パチパチ 塞「すごいねー。女の子のヌードをこんな風に描けるなんてねー」ゴゴゴゴ 胡桃「本当にねー」ゴゴゴゴ 京太郎「ずびばぜん」シクシク エイスリン「……」グスグス 白望「ご、ごめんね。まさか、その……そんなに、いい状況だと思ってなくて」 エイスリン「……」カキカキ ヽ ヽ .. | | .| | ..| | / | | | .| | | | 斗七 ハ |\ | |_| , .|/|/ j/ | /uj/ jハハ |三() . 〒云示 〒云示jノ | . |ヒ リ u ヒ リ i . | ノ⌒ヽ | | u u 从. ハ| (_, } | | f´~´`^v ィ __|_ ー .. | |┏━━━━━━[___]━━━━━━┓|/ 八{ _ノ⌒ヽ ┃|_ { ) ┃ | \ ┃ー ┃ | ┃ ┃_ | /⌒ヽ なぜじゃましたし /ノ〉 白望「いや、本当にゴメン」 豊音「じゃあ次は私も描いてもらおうかなー」ワクワク 塞「えー? 次は私だよねー?」ゴゴゴゴ 胡桃「私だよね?」ゴゴゴゴ 京太郎「どちらも描かせて頂きます」ドゲザ ワイワイワイ エイスリン「……デモ、マダアキラメナイ」グッ 白望「うん、その意気……」グテーン エイスリン「……?」 白望「……」ジィー 京太郎「って、お二人まで脱がないでくださーい!!」 白望「須賀京太郎……」 , _ 〃-‐‐-----‐'/´ ---、 ,, - '' ー '、 / l ´ ヽ\ ! ん | / / | | ヽ \ ! | | / ,/ /| l _< | .| ! ィ / 十/┤ 十ト l ハ ヽ /  ̄| { 示芸 \ |示芸! } 〃  ̄ j Y\|廴 リ 廴リ,!リ ノ / 廴 /// /// | } {/ヽ|\、, > ___ _-__, イN/ / 〉 | 〉、 " /`ヽ ヽ〈 V/l ハ ,' | ヽ「」/ ヽ, l ! 〈/ヽ〉 } └t-ィ ヽ イ 白望「ダルく、ない……かな」ドクン シロちゃんと【暑い日だらだら】したいッッッッッ!!!!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/1845.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1360047291/ ――放課後 清澄麻雀部にて 久「ふいー、疲れたわぁ」ガチャ 京太郎「生徒会の仕事、お疲れ様です。 他の皆はもう帰りましたよ」 久「生徒会の仕事自体はすぐに終わったんだけどね」 久「溜まってる資料運びまでされちゃって……ふぅ、暑い暑い」パタパタ 京太郎「今、お茶用意してきます」 久「ありがと。 タオルどこにしまったっけ……」ゴソゴソ 京太郎「部長ー、紅茶と緑茶どっちが……っ」 久「んー。 紅茶でおねがーい」ヌギヌギ 京太郎(部長……Yシャツ透けてら……) 久「……ん?」チラッ 京太郎「っと。 紅茶ですね、ちっと待っててください」 久「はーい。 ……うわ、ちょっと臭うかも……」スンスン 京太郎(……部長……白ブラだったな……) 久「須賀くーん! ちょっといいー?」 京太郎「ん、はいっ。 一体なんのようで」 久「これ、背中頼めない?」スッ 京太郎「8x4っスか。 いいですよ」 久「ありがと。 ……じゃあ」 グワッ 京太郎(……!) 久「お願いねっ」 京太郎(ぶ、部長の背中……!) 久「なるべく満遍なくね」 京太郎(鎖骨……脇腹……チラッとだけど……) 久「……須賀くん?」 京太郎「……綺麗だ……」 久「えっ?」 京太郎「あっ」 久「…………ハァ…」 京太郎「あ、いやっ、そのっ、これはちょっとその、アレがコレでこうなんであって」 久「全く……男の子は皆視る所がやらしいんだから……」ジトー 京太郎「……すいません」 久「ふふっ。 ほら、早くやってちょうだい」クイッ 京太郎「……ういっス」スッ シュー.... 久「んー」 京太郎「……っ」 京太郎(部長の……うなじ……) 久「こーらっ。 手が動いて無いわよー」 京太郎「あ、す、スイマセン」 久「ふふっ」 久「ん、もういいわね。 ありがと」 京太郎「どういたしまして」スッ 久「んー……。 どう? 臭わない?」 京太郎「特には……いつもの良い香りっスよ」 久「あ、なんか今の変態チック」 京太郎「えっ! いや、俺っ、別にいつも部長の匂い嗅いでるわけじゃ……」 久「あはは。 おもしろーい」 京太郎「うぅ……」 京太郎「レモン、つけます?」 久「いいわ。 今日はジャムの気分」 京太郎「了解ッス」 京太郎「ジャム、ジャム……。 あった、あった」 京太郎「んっ。 ……あれ? ……なんだこれ……っ」グッ 京太郎「~~~!」グググッ 久「開かない? だらしないわねぇ」 京太郎「いや、マジ固いんですってホント」 久「どれ。 かしてみなさい」スッ 久「んっ! ……あらっ……ホントっ……固いっ……っ!」ググッ 京太郎「でしょ?」 久「ふんっ!……んんっ!! ……~~!!!」グググッ 京太郎「ほら」 久「……手強いわね……でも次こそ開けるわ」 京太郎「あの、部長。 そんな無茶しなくても……」 久「このまんまだとなんか苛つくのよ。 こーなりゃ意地でも開けてやるわ……!」 久「開けなきゃプライドが保たない!」 京太郎「……」 京太郎(女の子って複雑) 久「ふぬぅっ!」 グッ ! ...ギギ... 京太郎「おっ」 久「ぬっ!!」 ギュギュギュッ 京太郎「おっおっおっ」 久「……」 久「…うりゃぁ!!」ギュゥウ!! ギュッ! ギュポンッ 久「!」 京太郎「!」 ブチャアアアアアアアアァァァァァ !!! 久「きゃあああああ!!?」 京太郎「うおおおお!!?」 久「……あちゃぁ……」ベチョ... 京太郎「……なんてこったい……」ベチャ.... 久「………須賀くん…」 京太郎「はい」 久「タオル……」 京太郎「……はい……」 久「もう……汗に塗れジャムに塗れ……今日は最悪……」ゴシゴシ 京太郎「うわ……匂いキッツ……何ジャムすかこれ」ゴシゴシ 久「無花果よ……美味しいんだけど匂いがね……ああ、もう……」ゴシゴシ 京太郎「……こりゃシャワー浴びたほうがいいっスね、ぶちょ……」 京太郎「!!」 久「そうねぇ……でもこの格好でシャワー室まで行くのイヤよ……」ギュゥ 京太郎(スケたYシャツから……ポッチ見えてる……!) 久「うわぁ、こんな所にも付いてる……」ゴシゴシ 京太郎「…………」 ドクッ 京太郎(首筋……デコ……二の腕……)ドクッ 京太郎(ヘソ……太腿……脹脛……)ドクッ 久「……あ、でもやっぱ美味しい。 ふふっ」チュッ 京太郎(体中……ジャムでてかって……)ドクンッ 京太郎(ジャムを舐めとる姿……揺れるおさげ……エロい……ほほ笑み)ドクンッ ドクンッ !! 京太郎「……」スッ 久「ん? どうかした? 須賀くん」 京太郎「……部長……ジャム、いっぱい付いてますね……」 京太郎「取るの……手伝いますよ」 ペロッ 久「ひゃあああ!?」 京太郎「あ、美味い」ペロペロ 久「なな、何してるのよ!?」サッ 京太郎「部長のジャム取ってるだけっスよ」ペロ 久「んっ……な、舐めなくたっていいじゃないっ……。 いやっ……離れて……」グググッ 京太郎「舐めとったほうが効率いいんスよ。 手、退けてください」グッ 久「いやっ……やめなさいっ……!」グググッ... 京太郎「っ」ペロッ 久「ひゃあっ!?」 京太郎「部長……ほっぺ柔らかい……」ペロペロ 久「うぅ……やめ……やめてぇ……」 京太郎「部長……めっちゃ可愛いッスよ……」ペロペロ 京太郎「舐めるの……止まらなくなります」ペロッ 久「ひぃっ!? 首はくすぐった……ふぁあんっ!!」 京太郎「……部長……部長……」ペロペロ 久「いや……いやぁ……」 京太郎「……部長……ブラ、ズレてますよ」ボソッ 久「えっ……。……っ! きゃああっ!!?」バッ 京太郎「おっと」ガシッ 久「いやぁっ! 離してぇ! お願いだからぁ!」ジタバタ 京太郎「せっかく似合ってるんだから隠さないでくださいよ……」ググッ バッ ! 久「!!」 京太郎「これが……部長の乳首……」ジッ 久「いやぁ……見ないでぇ……見ないでぇぇぇ……」 京太郎「……あら、ジャムがこんな所にも……」スッ 京太郎「舐めとんなきゃ……」 チュッ 久「!!?」 久「ひゃああぁん!!」ビクッ 京太郎「んっ……れろ……あむ……」ペロ 久「ひぁっ! ひぁあああっ!!」ビクッ 京太郎「部長のおっぱい……うめえ……」チュッ 久「いやっ! んぁ! ああっ!だめぇ!」ビクッ 京太郎「程良い柔らかさとこの感度……最高です部長……」チュッ 久「あぁっ! ダメッ、ダメなのっ! 胸はぁっ! 胸はぁあああ!」ビクッ 京太郎「ちゅ、ちゅ、ちゅうぅぅぅ」 久「あっ、あっ、あっ! だめっ、だめぇえええええ!!!」 ビクビクンッ ! 久「あっ……」 久「――――!!」 ガクガクガクッ 京太郎「うおっ」 久「あ……ぁぁ……」クタ... 京太郎「ぶ、部長?」 久「ハァ……ハァ……ダメって……ダメって言ったのに……」 京太郎「まさか……イッたんスか?」 久「……う……うるさいわよ……もう……ハァ……」 京太郎「……」 京太郎(女のイッた姿って……こうなるのか……) 久「ハァ……ハァ……ハァ……」 京太郎「……」 ジー... 京太郎「部長……俺……」 久「……ふぁ……?」 久「……!!」 ボロンッ 久「な、何出してっ! し……しまいなさいっ!」 京太郎「部長……俺……俺……もう……我慢出来ません」 久「そんな……ダメ……ダメよそんなの……絶対……」 京太郎「……ぶ、部長だって……そこ……濡れてるじゃないですか……」 久「!」 久「こ、これは生理的なもので……そいういうことじゃ……」 京太郎「部長……」スッ 久「駄目……須賀くん……駄目……!」 京太郎「……っ」 クチュ... 久「ひぁっ……」 京太郎「……力抜いてください……一気にいきます……」 久「駄目……駄目なのに……駄目なのに……っ」 京太郎「っ!」 ズブンッ 久「うぐっ……あぁぁ……!」 京太郎「……痛い……ですか……?」 久「そ……そりゃあそうよ……。 人の体ん中に15,6センチ強の棒が入ってるんだもの……うぅっ」 京太郎「……!」 京太郎(……血が……) 久「ハァ……ハァ……うぅ……痛い……」 京太郎「…………部長……」 久「須賀くん……? ……っ!」 チュッ 久「~~!?」 京太郎「んっ……んんっ……」チュ 久「んむっ! ……んむぅ……むむ……あん……」チュッ 京太郎「部長……んむっ……部長ぉ……」チュッ.. 久「んんっ、んぅ……んむ……」チュッ.... 京太郎「んん……んむっ……んちゅ……」チュッチュッ 久「あむっ……んんぅ………んぁ……」チュッ 京太郎「んっ……んぅ………………ぷぱっ」 久「んはぁ……はぁ……はぁ……す、が……く……」 京太郎「部長……」チュッ 久「ひゃぁんっ!」 京太郎(唇……頬……耳……首筋……) チュッ....ペロ... 京太郎(胸……腕……肘……腹……) ペロ....レロ... 京太郎(舐めれる所は全部舐める……) チュッ.... 京太郎(そうすれば……部長が感じてくれる……) チュゥウウッ 久「ふぁああっ!」 久「ハァ……ハァ……も、もう……舐めるの……駄目……」 京太郎「んっ……部長……」 久「須賀くん……」 京太郎「まだ……痛みますか……?」 久「……え? ……あぁ……もう……大丈夫……かも……」 京太郎「……少し、動きますね」 久「えっ……ま、待って……まだ駄目……!」 グッチュ 久「――― っ!!」 ビクビクビクビクッ !! 京太郎「……えっ?」 久「ぁ……駄目って……ぁぁ……」 ビクッ....ビクッ.... 京太郎「……部長、感じてますか?」 久「うぁ……あぁ……」 京太郎「……なら……俺……動きます!」グッ ズチュッ 久「ひゃぁああっ!? い、今、イったばかりなのにっ! そんなっ、動かしちゃっ!」 京太郎「グッ……狭い……キツイ……」 ズヌヌヌ.... 久「あっ……あ…ああぁ……あっ、あっ!」 京太郎「っ……っ……っ……っ……」 ズチュッズチュッズチュッ 久「んぁっ、はぁっ、んんっ、ううっ……!」 京太郎「部長っ……部長っ……部長……!」 久「ぁああ……ぁああああっ!」 京太郎「部長ん中……超気持ちいいっすよ……最高です……!」 ズッチャ ズッチャ 久「はぁっ、んぁあっ、ううっ、んんっ!」 京太郎「最高過ぎて……俺……もう……っ!」 久「あぁっ! だ、駄目よっ! 中は駄目よっ!? 出すなら外にしっ、んぁっ、はぁっ!」 京太郎「部長っ……部長っ……部長っ! 部長っ!」 久「ああぁっ!!いやっ、駄目なのっ! 駄目ぇえええええ!!!」 京太郎「……っ! 部長ぉおおおおおお!!」 ビュグッ 久「あっ……」 ビュグググググッ 久「――――!!」 ビクンッ..... 久「ぁあ……ぁぁぁ……」ガクガクッ 京太郎「くっ……部長……部長ぉ……」ギュウ 久「……駄目って……言ったのに……」 京太郎「うぅ……部長……部長ぉ……」ギュゥ 久「……もぅ……バカ……」 京太郎「部長……部長……」ギュゥ.... 久「……? 須賀くん……?」 京太郎「…………」スッ.... バタンッ 久「……え?」 久「……気絶してる……?」 久「……」 久「ええぇ……」 久「………ヤルだけヤッといて自分は寝てるってどういうことよ……」 京太郎「……ぅう……部長……」 久「……何よ」 京太郎「好きです……部長……」 久「……」 京太郎「大好きです……部長……」 久「……そんなんで誤魔化されたりしないわよ」 京太郎「部長……大好きです……」 久「…………」 京太郎「部長ぉ……」 久「……」 久「ホント……人の話聞かないで……世話ばっかりかかせて……」 久「…………バカ…」 ギュッ..... 京太郎「んっ……」 久「ようやくお目覚め? 人のこと散々犯した挙句一人で勝手に倒れちゃうお猿さんっ」 京太郎「あ、部長……」 京太郎「……部長!?」バッ 久「……なに? その顔。 まるで今後未来を左右させる程の酷いことをしてしまった被害者を視るような顔だけど」 京太郎「あ……あああぁ……」 久「あら。 顔、真っ青よ? どうかしたの? 大丈夫? 調子悪いんじゃない?」ニコニコ 京太郎「そ、そそそのぉ……」 久「病院にでも行く?……産婦人科あたりにでも」 京太郎「あば……ああばばばばばば……」 久「……ふぅ……」 久「……何か言うことは?」 京太郎「申し訳ございませんでしたああああ!!!」ザッ 久「……はぁ……」 久「謝るくらいなら最初からやらないで欲しいものだけど」 京太郎「ま、全くもってその通りです……」ガクガク 久「須賀くん、あなた、とんでもないことしたってこと、わかる?」 久「これ犯罪よ? 強姦罪。 警察に突き出されてもおかしくないのよ?」 京太郎「あわ……あわわわわ……」ガクガク 久「……で? どうするつもり?」 久「私をキズモノにした罪、どうする……」 京太郎「責任取ります!!」 久「……はっ?」 京太郎「責任取って俺が結婚します!」 京太郎「冴えないし空気も読めないし、大して麻雀も強くない俺ですが」 京太郎「部長の為に、今後の俺の人生全てかけます!!」 京太郎「部長の為だけに生きます!!」 久「………」 京太郎「………」 久「……あのね」 京太郎「はい」 久「そんなんで許されるの、ドラマかマンガの世界だけよ」 京太郎「ですよね」 京太郎「つーわけで自首してきます」 久「あら、それは潔いわね」 京太郎「せめて、最後は男らしく」 久「かっこ良くないわよ」 京太郎「はい」 久「……それにしても残念ねぇ」 京太郎「?」 久「あることを約束したら、見逃してあげてもいいんだけどなぁ~」 京太郎「!!?」 京太郎「な……な、な、な……」ワナワナ 久「でもまぁ、潔く出頭するならそれのほうがいいのかも……」 京太郎「い、いくらですか?」 久「……金じゃないわよっ!」 京太郎「えっ」 久「……その反応、素で傷つくわ……」 京太郎「す、すんません……」 京太郎「……で、その……約束ってのは……」 久「あら、聞きたいの?」 京太郎「き、聞きたいです」 久「潔く自首するんじゃなかったの?」 京太郎「勘弁して下さい。 死にたくないです」 久「ああ、うん。 潔いわね」 久「……約束ってのはね……」 京太郎「……」ゴクリ... 久「……須賀くん。 私、案外かまってちゃんなの」 京太郎「……。 へ?」 久「長い間部員を一人で待っていたせいか、恥ずかしいことに甘え癖みたいなのがあるのよ」 久「誰にでも思わず抱きついちゃったり、キスしちゃったりね」 京太郎「は、はぁ……」 久「……でも、この歳だと気軽にそういうことできる相手が居なくてね……」 京太郎「……つ、つまり?」 久「分からない?」 京太郎「……相手になれと?」 久「……ふふっ」スッ ギュッ 京太郎「!?」 久「せいか~いっ」 京太郎「な、ちょ、部長っ」 久「1つ。 私の命令には絶対遵守」 京太郎「えっ」 久「1つ。 命令は即座に行うこと」 京太郎「は、はい」 久「1つ。 全ての行動において、私の命令を第一とすること」 京太郎「ちょっ」 久「1つ。 これらの約束が従えない場合、私をレイプしたことを警察に届けます」 京太郎「 」 久「これだけなんだけど……須賀くん」 京太郎「……はい」 久「約束、守れる?」 京太郎「………」 久「……」ニコニコ 京太郎「…………守ります」 ―――後日 久「須賀くーん! 隣町まで買い出し行ってきてー!」 京太郎「はい!」 久「須賀くん。 私達ちょっと外出るから、その間に洗牌しといてね」 京太郎「おまかせあれ!」 久「須賀くん。 ちょっと龍門渕までダッシュしてきて?」 京太郎「イエッサー!!」 咲「……なんだか最近、部長の京ちゃんに対する人使いが荒い様な……」 和「嫌がらせとしか思えないこともしてますね」 まこ「それに京太郎が殊勝な態度っていうのものぅ」 優希「でも、ワタワタする京太郎は見てて面白いじぇっ。 うひひひっ」 京太郎「ひぃ……ひぃ……」 久「ふふふっ」 久「須賀くん、来なさい」 京太郎「ハァ…ハァ……あ……はいっ……」 久「ダッシュお疲れ様。 喉乾いたでしょう?」 京太郎「はぁ……ああ、はい……」 久「紅茶入れてあげたわ。 冷めないウチにお上がりなさい」 京太郎「えっ」 久「なに? 飲めないの? 私の入れた紅茶が飲めないの?」 久「あらら、命令に従わないの? 約束を破るんだ?」 京太郎「うっ……」 京太郎(え、ええい、ままよ!!) 京太郎「い、頂きます!」グッ ゴクッ 京太郎「……あれ?」 京太郎「冷たい……」 久「ふふ、美味しい?」 京太郎「……アッツアツかと思ってました」 久「流石にそんな意地悪しないわよ。 それより、どう?」 京太郎「……ええ。 とても飲みやすくて……美味しかったです」 久「そう? じゃあ」 スッ 久「頭、撫でなさい?」 京太郎「……」 京太郎「はいっ」 京太郎「ありがとうございます。 毎日飲みたいくらいです」ナデナデ 久「それは言いすぎ。 ほら、もっと強く抱きなさい」 京太郎「はいっ」 ギュゥ 久「~♪」 久「須賀くん、汗臭いわ」ギュウ 京太郎「そりゃ走ってきたばかりですしね。 離れますか?」 久「駄目。 むしろ、もっと強く抱きなさい」 京太郎「はいっ」 ギュウゥ 久「……ふふっ」 久「……須賀くん?」 京太郎「はい?」 久「……」 久「私のこと、幸せにしてね?」 京太郎「……」 京太郎「はいっ」 ―姦ッ
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/568.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1340330097/ [すこやん視点] すこやん「うーんオフの日が晴れてよかったー」ノビー すこやん「こんな日はボーっとしながら散歩が一番だよね」 すこやん「・・・独り言が増えたのは齢をとったからなのかなぁ・・・」 ドン ?「あっすみません」 すこやん「いえ、こちらこそ(わ、イケメンさんだ)」 京太郎「あれ・・・もしかして小鍛冶プロじゃないですか!?」 京太郎「うわぁー感激だな!僕プロに会うの初めてなんですよ!」 すこやん「はぁ・・・」 京太郎「サインお願いしてもいいですか?」 すこやん「えあっ!?あ、はいサインですね」 すこやん「・・・・・・」 すこやん「(髪乱れてなかったかな)」ササッ 京太郎「?」 すこ「はいどうぞ」 京太郎「ありがとうございます!部活のみんなに自慢できますよー!」 すこ「君は麻雀部員?」 京太郎「はい!清澄高校の麻雀部所属です!」 すこ「清澄って・・・ああ長野代表の」 京太郎「はい!今年は晴れてインターハイ出場と相成りました!」 すこ「・・・あれ?でも今年清澄が全国に出たのは個人でも団体でも女子だけじゃ・・・」 京太郎「それは・・・俺がふがいないばかりに・・・」ズーン すこ「ああっごめんね」アセアセ 京太郎「いえ・・・僕に実力がないのは本当ですから・・・」 すこやん「あの・・・」 京太郎「だからこれから絶対に強くなるんです!」 京太郎「サインありがとうございました。なんだか少し強くなれたような気がします!」 すこやん「はぁ・・・ならよかったです」 京太郎「では用事があるのでこれで失礼します」 京太郎「ありがとうございました」ペコリ タタタタ すこやん「行っちゃった・・・」 すこやん「礼儀正しい子だったなあ」 すこやん「しかもすごいイケメン」 すこやん「・・・態度とかおかしくなかったかな」 すこやん「(あれぐらいじゃ恋愛経験ないことばれないよね?)」 すこやん「・・・・・・彼女とかいるんだろうなあ」 すこやん「部活に恋愛に精を出す男子高校生」 すこやん「一方小鍛冶健夜(アラサー)は」 すこやん「・・・・・・」 すこやん「(う・・・なんだか胸の辺りがキリキリしてきたよ)」 すこやん「・・・今日は飲もうかな」 すこやん「・・・ホントに独り言増えたなぁ」ハァ 後日 AD「~という感じになりあっす。では準決勝からは解説よろしくお願いしゃっす」 すこやん「はいよろしくお願いします」 こーこ「んじゃあ明日からよろしく!」 すこやん「うん、よろしくねこーこちゃん」 すこやん「(・・・今日は清澄の初戦)」 すこやん「・・・」キョロキョロ こーこ「どったの?」 すこやん「ううん別に」 こーこ「これからどうするー?まだお昼まで時間あるけどどっか遊びいっちゃう?」 すこやん「ううん。私はインターハイの試合見て行くから」 こーこ「そっかーすこやんは勉強熱心ですなぁー!」 すこやん「私一応プロだから・・・ってこーこちゃんもちょっとは勉強しないと駄目だよ?」 こーこ「流石小鍛冶プロ!アラフォーは仕事に関しては厳しい」 すこやん「普通だよ・・・ってアラサーだよ!」 こーこ「しかし恋愛に関しては中学生も真っ青なウブさであった」 すこやん「ちょっ」 こーこ「んじゃあ私も原稿のチェックしとこうかなー」 こーこ「グッバーイ」ヒラヒラ すこやん「まったくもう・・・」 すこやん「・・・恋愛に関しては中学生」 すこやん「・・・」 すこやん「・・・試合見よう」 休憩所 すこやん「第一試合・・・清澄高校と千代水高校・・・それと能古見と甲ヶ崎商業か」 すこやん「インターハイ初出場は清澄だけか」 すこやん「・・・大丈夫かな」 すこやん「いや、別に清澄を心配してるわけでは・・・」 京太郎「あれ?小鍛冶プロじゃないですか?」 すこやん「はいっ!?」ビクン 京太郎「あ・・・びっくりさせちゃいました?」 すこやん「あ・・・え?あ・・・」バクバク 京太郎「この前サインいただいたんですけど・・・」 すこやん「あ・・・」ドキドキ 京太郎「・・・覚えてないですよね、失礼しました」ソソクサ すこやん「覚えてましゅっ!」 京太郎「え」 すこやん「(噛んだー!)」 京太郎「っあははは!良かったぁ!覚えててくれたんですね」 すこやん「あ、はい、普通に覚えてます・・・」カァァ すこやん「清澄の方ですよね・・・」 京太郎「はい。この試合ですね」 すこやん「はい・・・」 京太郎「よーし頑張れよ優希ー!」 すこやん「この片岡選手はホントにすごいですね・・・東場では全国でも上位に入る火力を持っています」 京太郎「え?あいつそんなにすごいんですか?」 すこやん「ええ、これほどの火力は各校のエースクラスだと思います」 京太郎「おお・・・あの小鍛冶プロに褒められるなんてすごいな優希は」 すこやん「(優希・・・呼び捨て・・・)」 すこやん「あの、ちょっと聞いていい?」 京太郎「はい?」 すこやん「清澄は麻雀部員がすごく少なかったと思うんだけど・・・男性は何人いるの?」 京太郎「僕だけですよ?」 すこやん「えっ一人!?」 京太郎「だから大変なんですよ実際・・・今もお使いの帰りなんです」ハハ・・・ すこやん「そっか・・・」 京太郎「ははは・・・」 すこやん「じゃあ頑張ってる君にジュースを奢ってあげる」 京太郎「ええ!?そんな申し訳ないですよ!」 すこやん「いいから好きなの言ってー」 京太郎「あ、じゃあ・・・ポカリで・・・」 すこやん「ん」 すこやん「はいどうぞ」 京太郎「ありがとうございます・・・」ゴクゴク 京太郎「っぷはあ、生き返った~」 すこやん「あはは」 アナウンス「先鋒戦終了~五分の休憩の後に後半戦を開始します」 京太郎「うわやばっ!」 すこやん「どうしたの?」 京太郎「あいつに、優希にタコス届けないといけないんですよ!」 京太郎「すみません、お先に失礼します!」 タタタタ すこやん「行っちゃった・・・」 すこやん「なんか・・・話してみると結構なんともなかったな」 すこやん「むしろなんだかおかしな人だったな・・・イケメンなのに」クスクス すこやん「あ、また名前聞くの忘れたちゃった」 タコス「遅いぞ犬ー!」 京太郎「いやスマンスマン!そこでまた小鍛冶プロに会っちゃってさ・・・」 タコス「なぬ?貴様また一人抜け駆けか!」ガジガジ 京太郎「いててててて!俺じゃなくてタコスを食えって!」 タコス「まったく犬のくせに生意気なんだじょ・・・」モグモグ 京太郎「じゃあ俺は控え室戻るけど・・・」 京太郎「後半戦も一発かましてやれよ!」 タコス「おう!」 京太郎「・・・まだいるかな」ダッ 関係者控え室 AD「言ってくれればあんなところで待たせませんでしたのに!」 すこやん「いえ・・・今日は私解説の仕事も入ってないですから」 AD「いえいえ!今回小鍛冶プロの解説は目玉ですから!丁重におもてなしさせて下さい!」 すこやん「そうですか。ではお言葉に甘えて・・・」 AD「じゃ、何かあったらそこの電話で呼び出して下さいね」 バタン 休憩所 京太郎「・・・いないか」ハァハァ 京太郎「別の部屋に行っちゃったかな?」 京太郎「・・・・・・」 京太郎「少し待つか」ヨイショ 京太郎「小鍛冶プロ・・・」 京太郎「・・・」 京太郎「綺麗な人だったな」 すこやん「恋愛は中学生並み・・・か」 すこやん「(麻雀ばっかりやってきたもんね・・・私・・・)」 アナウンス「ではこれから先鋒戦後半戦を開始します」 すこやん「ふぅ」 すこやん「よし・・・頑張るぞ」 アナウンサー「清澄高校中堅・竹井久!連荘六本場でハネ直炸裂!副将にまわすことなく1回戦突破だーッ!!」 京太郎「・・・」 京太郎「・・・結局・・・戻って来なかったな」 京太郎「あ」 京太郎「ポカリ・・・まだ残ってた」 [すこやん視点終わり] [京太郎視点] 京太郎「ったくあのタコス娘試合の日でもないのにパシリに使いやがって・・・」 京太郎「と言っても女子だらけのあの場所に居場所もないんだけどな・・・」 京太郎「さっさと持っていかないと怒られ」 ドンッ ?「キャッ」 京太郎「あっすみません!」 ?「いえ、こちらこそ」 京太郎「あれ・・・もしかして小鍛冶プロじゃないですか!?」 すこやん「はぁ・・・」 ~~~~~~~~~~~~~~~~ 京太郎「うひょひょー小鍛冶プロからサイン貰っちゃったよ!」 京太郎「めっちゃ自慢しよう。タコス娘に見せびらかしてやる」 京太郎「・・・すげー可愛い人だったなー」 京太郎「なんかいいにおいしたし、肌がしっとりしてたし」 京太郎「須賀京太郎、始めての彼女は年上の女性でした」キリッ 京太郎「なーんてないない」ハハハ 京太郎「・・・はぁ」 ──────────────── 始める前に なぜオフの日にすこやんは咲たちの宿泊するホテル付近に来ていたのか!? 説明しよう!アラフォーはインハイに向けてのなんやかんやで実家から東京に出てきていたのだ! 付近のホテルに宿泊していた! そしてオフの日が出来たが運営側が気を利かせてその日もホテルを取っていてくれたのだ! ──────────────── 京太郎「ただいまー」 咲「おかえり京ちゃん」 タコス「遅いじょー」 京太郎「いやそれがさ、帰りに小鍛冶プロと会ったんだよ」 タコス「なぬ!?」 和「本当ですか!?」 咲「・・・誰?」ポヘ 久「あらあら」 ワカメ「そりゃあないんじゃないかの」 咲「えっ・・・有名な方なんですか?」 和「有名も何も史上最年少で8冠達成した方ですよ」 ワカメ「女子プロ最強・・・って煽りも何度つけられたか分からんのう」 咲「そ、そうなんだ」 京太郎「しかもサインもらったんだ」ジャン タコス「なにー!?」 久「ちょっとうらやましいわね」 京太郎「エヘヘヘヘ」 タコス「犬にそんな祝福が訪れるなど許せん!」ガブ 京太郎「いてえ!」 咲「・・・その人どんな人だったの?」 京太郎「どんな人って・・・」 京太郎「可愛い人だったよ」ニヘラ 咲「ム!」 ワカメ「鼻の下伸ばしすぎじゃあ」 久「ほらね、雑用だって捨てたものではないでしょう?」 久「だからこのサインは必勝祈願としてウチの控え室に飾っておきましょう」ヒョイ 京太郎「え」 一同「さんせー」 京太郎「ぶ、ぶちょ~」 咲「鼻の下伸ばしてた罰だよーだ」ベー その晩ホテルの部屋 京太郎「はぁ・・・せっかくのサイン・・・・・・」クスン 京太郎「・・・・・・でもホントに可愛いらしい人だった」 京太郎「俺より十個も年上なのにな」ハハ 京太郎「・・・」 京太郎「今夜は満月か」 清澄初戦の日 久「さあーついに初日が着たわよ」 久「頑張らなきゃね!」 一同「オー!」 久「あ、須賀君は変わらず雑用をお願いね」 京太郎「はい・・・」 (中略) 京太郎「というわけで今日も今日とて雑用に従事する須賀京太郎であった・・・」トボトボ 京太郎「ん?」 すこやん「~」ブツブツ 京太郎「あれ・・・小鍛冶プロ?」 京太郎「俺のこと覚えてたりして・・・」 京太郎「よ、よし偶然通りかかって小鍛冶プロを発見した、というシュチュで行こう!」 京太郎「・・・我ながら気が小さい」 すこやん「いや、別に清澄を心配してるわけでは・・・」ブツブツ 京太郎「あれ?小鍛冶プロじゃないですか?」 すこやん「はいっ!?」ビクッ ~~~~~~~~~~~~~~~ 京太郎「いや~今回は何か前より交流が深まった気がするな!」 京太郎「飲み物も貰えたし」チャプン 京太郎「ヘヘヘ」 京太郎「よーし待ってろよタコス娘ー!」 ~~~~~~~~~~~~~~~~ 京太郎「後半戦も一発かましてやれよ!」 タコス「おう!」 京太郎「・・・まだいるかな」ダッ 京太郎「・・・なんか」 京太郎「本気でまだいて欲しいな」 休憩所 京太郎「・・・いないか」ハァハァ 京太郎「別の部屋に行っちゃったかな?」 京太郎「・・・・・・」 京太郎「少し待つか」ヨイショ 京太郎「小鍛冶プロ・・・」 京太郎「・・・」 京太郎「やっぱり綺麗な人だった」 京太郎「髪の毛つやつやだったし・・・」 京太郎「手が小っちゃくて指細かったな」 京太郎「ああ見えて実は結構おっぱいがあることも見抜いてしまった」フフン 京太郎「・・・我ながら変質者のようだ」 アナウンサー「さあー清澄の先鋒片岡優希!後半戦も凄まじい火力で他家を圧倒ー!」 京太郎「お、タコス娘絶好調だな」 京太郎「この調子だと大将までにどっか飛んじゃうんじゃないか」ハハハ 京太郎「・・・・・・・・・ちょっとは手加減してもいいんだけどな」 関係者控え室 アナウンサー「清澄高校中堅・竹井久!連荘六本場でハネ直炸裂!副将にまわすことなく1回戦突破だーッ!!」 すこやん「すごいなあ伊達にあの龍門渕を抑えた高校じゃないね・・・」 すこやん「・・・喉渇いたな」 すこやん「電話・・・」 すこやん「いいや、自分で買いに行こう」 休憩所 すこやん「(まあ当然もういないよね)」 すこやん「なんにしよっかなー」 すこやん「・・・ポカリにしよっと」ポチッ ガタン [京太郎視点終了] [すこやん視点] すこやん「こーこちゃん?もう朝だよ起きて」ユサユサ こーこ「んあー?はれ~すこやんだ~」 すこやん「何寝ぼけてるの。こーこちゃん昨日私の部屋に泊まったんだよ」 こーこ「あ~そうだったっけ~」 こーこ「えーと・・・昨晩はすこやんと一緒に酒みに行って・・・二件目行って・・・」 こーこ「その後の記憶がないや」 すこやん「そんなので大丈夫なの?声」 こーこ「プロですから(美声)」 すこやん「おお・・・」パチパチ こーこ「変なことしてないよね?」イヤン すこやん「してません」 こーこ「すこやんだったらいつでもカモンだけどね!」 すこやん「逆に色気ないよそれ・・・」 こーこ「んじゃーさっさと準備して行きますかー!」 ブオー すこやん「今日は三尋木プロと針生アナ拾ってから行くんだよね」 こーこ「そーだよー」 キキー すこやん「おはよう咏ちゃん、針生さん」 咏「おはようございます」 針生「よろしくお願いします」 こーこ「おはようございますー」 こーこ「では出発ー」 すこやん「咏ちゃん雑誌みたよ。すごいね、表紙飾って」 咏「いえ・・・小鍛冶プロに比べたらまだまだですよ」 針生「小鍛冶プロの前では妙におとなしいですね」 咏「知らんし」 こーこ「そういえばさーすこやんの初恋って誰?」 すこやん「ちょっ、何で唐突にそういうこと聞くかな!」ブハァ こーこ「えーいーじゃん教えてよー運転中って暇だしさー」 すこやん「運転に集中してよ・・・」 こーこ「で、誰なの?」 針生「私もちょっと興味ありますね」 すこやん「・・・大沼プロだよ」 こーこ「え?あのおじいさん?」 咏「いつ頃ですか?」 すこやん「いつ頃って・・・うーん小学3年生くらいのときかな」 針生「ぶほぉっ!渋いですね」 すこやん「ちょ、笑わないでよ」 こーこ「となるとだいたいにじゅう・・・」 すこやん「あー!あー!こーこちゃん!前見て前」 こーこ「はいはい」 咏「あの頃の大沼プロですっごいかっこよかったんだよねー」 針生「そうなんですか」 すこやん「うん・・・まだ髪もふさふさですごいダンディだった」 咏「確かにあの頃は渋いオジさまだったんだよねー」 すこやん「しかもすっごい強かったんだよ」 咏「バリバリのオカルト派で・・・あの人のホンイツ理論は未だに分かんねー」カラカラ 針生「やっぱりプロのお二人はその頃から麻雀やってたんですね」 すこやん「うん私は幼稚園年長の頃には牌に触ってたから」 針生「なが!」 こーこ「つまり麻雀初めてもうにじゅう」 すこやん「こーこちゃん」 こーこ「着いたよー」キキー すこやん「もう・・・!」 すこやん「(そうだよ・・・あれから私恋してないんだよね・・・)」 ネトラジ<モウ…! 妹尾「すこやんの趣味は渋めのオジサマみたいですね」 むっきー「うむ」メモメモ 針生「というわけで第2シードブロック一回戦勝ち抜けは奈良の阿知賀女子!」 咏「先鋒の松実玄が今後勝ち抜けるかの鍵を握るんじゃないかなー知らんけど」 針生「ではみなさんまた明日お会いしましょう」 関係者控え室 すこやん「終わった・・・」 すこやん「今日はやたらと短い試合展開になったな」 すこやん「・・・街にでも出てみようかな!」 東京のどっか 京太郎「今日は試合がない日だというのにやっぱり買出し係・・・」 京太郎「はぁ・・・俺もみんなと東京観光したかったなぁ」 京太郎「・・・なんか最近あんまり和や風越のキャプテンさんで妄想することがなくなったな」 京太郎「(代わりに・・・)」 すこやん「あれ・・・須賀くん?」 京太郎「小鍛冶さん!?」 京太郎「あ、あれ、今日は解説のお仕事ないんですか?」 すこやん「うん、今日はまだ私の解説日じゃないから・・・って汗すごいよ!?」 京太郎「え?いやいや全然汗かいてないですよ!こんな余裕のよっちゃんですよ!」ハハハ すこやん「よっちゃん・・・?」 京太郎「(まずい!妄想してた相手が突然現れてしかも・・・)」 すこやんの格好 ショートパンツ(素足+メッシュブーツ)、薄手のタンクトップ、以上 京太郎「(露出が多い!!)」フンガー すこやん「(あれ・・・なんだかリードできそう)」 すこやん「(・・・・・・お姉さんっぽいことしてみたいかも!)」 すこやん「須賀くん、ホントに汗がすごいからそこの喫茶店で少し休もう?」 京太郎「はぁ・・・」 すこやん「ほらほら早く早く」グイグイ 京太郎「(手が・・・手が柔らかい!)」 おしゃれな感じの店 京太郎「う、うわこういうところ初めて入りました」 すこやん「へー須賀くんってこういうところ来たことありそうだけどね」 すこやん「君、イ、イケメンだし(これを言える辺りが大人の余裕)」ドヤ 京太郎「イケメン?」 ― ―― ――― スコン 京太郎「んが?」 教師「こら須賀ーぐっすりお休みしてるんじゃないぞー」 女子「須賀クンかわいー」クスクス 京太郎「(可愛い?)んあ・・・すみません」 教師「麻雀部全国進出って言っても女子だけだろーが」 クラス一同「ドッ」 京太郎「ぐう・・・俺も日々重労働を強いられているというのに」 休み時間 女子A「えー須賀くんパシリにされてんのー」 京太郎「うっ・・・そうストレートにいわれるときついけど・・・まぁ」 女子B「えー須賀くんちょー可愛そう」 女子C「もったいないよー須賀くんかっこいいのにー」 京太郎「そうか?」 女子A「そうだよー麻雀部のマネージャーやめて水泳部のマネージャーになってよ」 京太郎「俺はマネージャーじゃない!仮にも部員の一人なんだってば!」 女子B「ムキになったー」 女子C「ちょーかわいー」ナデナデ 京太郎「やめろっつーの!」 ――― ―― ― 京太郎「ああもしかしたら俺ってイケメンなんですかね」 すこやん「・・・え?」 京太郎「え?」 すこやん「あははははは!須賀くんって面白いこというね!」 京太郎「へ?そ、そうですか?」 京太郎「(なんか知らんけどウケた・・・)」 すこやん「うん、須賀くんはイケメンだと思うよ、お姉さんはね」クスクス 京太郎「そ、そうですか」 すこやん「(よし!かなりすんなりイケメンって言えた!)」 京太郎「でもそんなこと言ったら小鍛冶さんだってすごい可愛いと思いますよ」 すこやん「・・・へ?」 京太郎「可愛いと思うっていうか可愛いっていうか・・・10人の男に聞いたら10人可愛いっていうと思いますよ」 すこやん「え・・・あ・・・そ、そう」カー 京太郎「いや女の人もそういうんじゃないかな・・・多分みんな可愛いっていう・・・うん言うな」 すこやん「あ、も、もーいーよ須賀くん、お世辞は・・・」マッカ 京太郎「いやお世辞じゃないですって!なんなら後ろの席の人に聞いて見ましょうか?すみませーん・・・」 すこやん「須賀くん!いーから!ホントにいーから!」アワアワ 京太郎「あ、そうですか・・・すみません熱くなってしまって」 すこやん「(熱く・・・)いえいえ」カッカッ 京太郎「・・・あれそういえば何で俺の名前知ってるんですか?」 すこやん「あ、それは部員名簿を見れば分かるから・・・」 京太郎「わざわざ調べてくれたんですか!」 すこやん「う、うんまあ・・・面識もあったしね・・・」 京太郎「あ・・・まあそうですよね」シューン すこやん「(な、なんなんだろうこの反応)」チュー 京太郎「(くそう一瞬期待した俺がバカだった・・・)」チュー 京太郎「(ん・・・イケメン?)あの小鍛冶さんってイケメン好きですか?」 すこやん「(きた!大人の女性の品格を試される質問!)」 すこやん「(ここで慌てたらいけない・・・大人の女性はこうクールに答えるはず・・・)」 すこやん「まあね。イケメンが嫌いな女性なんていないんじゃないかな?」ファサッ 京太郎「!!そうですか・・・」 すこやん「(やったか?)」 京太郎「(あ、あれだけ俺のことイケメンイケメン言っておいてイケメンが好きって・・・な、なんなんだろうこの反応)」カ- すこやん「(あれ?私あれだけ須賀くんのことイケメンイケメン言っておいてイケメンが好きって・・・)」 すこやん「!!」カ- 京太郎「・・・」チュー すこやん「・・・」チュー 京太郎「そ、そういえば小鍛冶さんはここら辺で何を?」 すこやん「えっ!?まあその、服でも買おうかなと思って」 京太郎「・・・そうですか」 すこやん「うん・・・」チュー 京太郎「も、もしよかったら」 すこやん「?」 京太郎「荷物持ち・・・入りませんか」 _____ ____ ___ すこやん「(た・・・た・・・た・・・)」 すこやん「(頼んでしまった!頼んでしまった!)」 すこやん「(やばい!変な匂いとかしないよね!?しないよね!?)」 すこやん「(こ、香水でもつけてくればよかった・・・)」ジワ 京太郎「(た・・・た・・・た・・・)」 京太郎「(頼まれてしまった!頼まれてしまった!)」 京太郎「(いや申し出たの俺だけど!)」 京太郎「(どうしよう・・・かなり汗臭いんじゃないか俺・・・?)」 京太郎「(ああ・・・エイトフォー持って来るんだった・・・)」クンクン すこやん「・・・」スタスタ 京太郎「・・・」スタスタ すこやん「(うう・・・会話が・・・)」 京太郎「(うう・・・可愛い・・・)」 すこやん「(会話会話会話会話会話会話会話・・・)」 京太郎「(可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い・・・)」 すこやん「あ、ここカワイ表参道だ」 京太郎「可愛い表参道!?」 すこやん「?いやカワイ表参道」 京太郎「あ、ああカワイ表参道」 すこやん「じ、じゃあここら辺で服探そうか・・・」 京太郎「あ、お任せします・・・」 店員「イラッシャセー」 京太郎「うわ・・・おしゃれな店・・・」 すこやん「そ、そうかな?」 京太郎「長野じゃこんなところ行かないですからね、金もないですし」 すこやん「まあそうかも・・・」 京太郎「(まずいぞ・・・もし店員がこっちに来て「彼女ですか?」とか聞かれたら・・・)」 すこやん「(どうしよう・・・店員さんがこっちきて「彼氏ですか・・・」とか聞かれたら・・・)」 京すこ「(対応できない!)」 店員「」スッ 京すこ「」スッ 店員「・・・」スッ 京すこ「・・・」スッ 店員「(こいつ・・・出来る!)」 京太郎「な、なんかあんまり落ち着いて買い物できませんね・・・」 すこやん「そ、そうだね・・・あ、これ買ったら出ようかな」 京太郎「へえ、可愛いですね」 すこやん「そ、そうかな」 京太郎「ええきっと似合うと思いますよ」 すこやん「・・・(あ、嬉しすぎても涙って出そうになるんだ・・・)」 店員「あのー」 京すこ「!?」 店員「ご姉弟でいらっしゃいますか?」 京すこ「」 店員「アリッシター」 京太郎「(やばい)」 すこやん「」ブツブツ 京太郎「(小鍛冶さんの目がやばい)」 京太郎「(小鍛冶さんは姉弟であること承諾し・・・)」 京太郎「(そしてなぜか暗黒面へ落ちていった・・・)」 京太郎「(なぜだ・・・「ご姉弟ですか?」は安牌じゃなかったのか・・・?)」 カァーカァーザワザワ 京太郎「(やばい・・・日も暮れてきたしなんか雑多な街の中へ・・・)」 すこやん「」ピタッ 京太郎「あ、あれ」 すこやん「須賀くん・・・ここ入ろうか」 京太郎「こ、ここって」 ピンクの建物「オッス」 京太郎「(どう見てもラブホー!)」 すこやん「どうする?ちょっと今の私すごいかも知れないけど・・・」 京太郎「(これは試されている?男として試されている!?)」 すこやん「須賀くんは何もしなくてもいいよ・・・私が全部やるから」 京太郎「(どうする・・・選択の時間はない!小鍛冶さんが今すぐ答えを欲しそうな目で見ている!)」 京太郎「(ええい・・・ままよ!)」 京太郎「行きます!」 すこやん「・・・ありがとう」スッ 京太郎「・・・あれ?」 京太郎「こっちのピンクの建物じゃなくて・・・」 雀荘「池田」 京太郎「」 二時間後 雀荘「もう来んなし!」 京太郎「す、すごかったですね・・・」 すこやん「・・・」 京太郎「(まだ目が濁っている・・・)」 すこやん「(もう・・・絶対引かれちゃったよね・・・)」 すこやん「(ストレス発散の麻雀にいたいけなDKを付き合わせるアラサー女) すこやん「(でもでもそもそも年が違いすぎたんだし・・・)」 すこやん「(あの店員さんの「ご兄弟ですか」って絶対「親子に見えるけどしゃーねーか」ってことだよね?)」 すこやん「(これがアラサーの限界・・・いやアラフォーだっけ?私)」 すこやん「(もうどっちでもいいや・・・・・・)」ジワ 京太郎「あ、あの小鍛治さん!」 すこやん「?」 京太郎「す、すみません僕もうそろそろ帰らなくちゃいけないんです・・・」 すこやん「そっか・・・そうだよね」 すこやん「ごめんね・・・こんな時間までアラフィフティーンの君を連れまわして・・・」 京太郎「(アラ・・・なんだって?)い、いえこちらこそ楽しかったです!小鍛冶プロと買い物とか・・・麻雀とかできて!」 すこやん「うんありがとうこっちも楽しかった・・・」 すこやん「(現世最後の逢瀬・・・)」 すこやん「それじゃ・・・」 京太郎「だっだからっ!」 すこやん「?」 京太郎「メールアドレス・・・交換してくれませんか?」 すこやん「・・・え?」 京太郎「い、いやあの、ホント迷惑じゃなかったらでいいんですけど!あの、ホント有名人だからとかじゃなくて・・・」 京太郎「こっ小鍛治さんのアドレスだから!教えて欲しいです!」 すこやん「・・・」 京太郎「・・・」ドキドキ すこやん「・・・」スッ 京太郎「へっ」 すこやん「ごごれ゙んら゙ぐして」ダッ 京太郎「あっあの!」 タタタタ 京太郎「行ってしまった」 京太郎「これは・・・名刺?」 京太郎「アドレスも電話番号も書いてある・・・」 京太郎「・・・OKってことでいいのかな?」 ダダダダダ ウワッアブネーキーツケロ すこやん「(うれしいうれしいうれしいっ!)」ボロボロ すこやん「(私のアドレスだから欲しいって!私のだから欲しいって!)」 すこやん「(アラサーの私のアドレスが欲しいって!)」 すこやん「(どうしよう今泣きながら笑いながら泣いてる!)」 すこやん「(こんな顔誰にも見せられない・・・!)」 タタタタタタ タタタタ タタ・・ ピタ すこやん「こーこちゃん・・・」ハァハァハァ こーこ『恋愛は中学生並み―』 すこやん「(ホントそうだよ・・・)」 すこやん「(これ・・・絶対好きになっちゃってる・・・)」 すこやん「ぅあ・・・」 すこやん「うわあああああああああああああん!!!」 後日 京太郎「」ポケー タコス「なんか京太郎が黄昏てるじぇ・・・」 和「まだ真昼間なんですけどね・・・」 ワカメ「一度夜遅くに帰ってきてからずっとこうじゃのう」 久「女にでも引っかかったんじゃないかしら?」クス 咲「!?」 京太郎「(これ・・・連絡してもいーのかな・・・)」ピラピラ 京太郎「(でもあの時小鍛治さん泣いてた?みたいだし・・・)」 京太郎「(拒否なのか・・・?OKなのか・・・?)」 京太郎「あーもう分からん!」ゴロゴロ タコス「なんかもんどり打ち始めたじぇ・・・」 咲「あの状態・・・私がカプで行き詰ったときの状態に似てる・・・」 和「違うと思います」 京太郎「分からん・・・分からん・・・」 ワカメ「こんどはなんかつぶやいとるのお・・・」 京太郎「スマヌ・・・スマヌ・・・」 久「彼岸島?」 和「彼岸島ですね」 タコス「書いてる奴の迷走っぷりが手に取るようにわかるじぇ」 京太郎「(小鍛治さんとあってたこと話したくないから相談も出来ないしなー)」 京太郎「(こんなもん小鍛治さんに聞くまでわかんねーよー)」ゴロゴロ 京太郎「ん?聞く」ピタッ 京太郎「それだ」ガバ 京太郎「(メールしていいですか?って本人に直接会って聞くのもおかしい気がするけど)」 京太郎「(メールってパーソナルなコミュニケーションだし・・・やはり確認を取らないとだよな)」 京太郎「・・・ホントに気が小さいな、俺って」 京太郎「そうと決まればインハイ会場に突撃だ!」 会場 京太郎「今日は一回戦最終日」ハァハァ 京太郎「臨海ブロックの試合か・・・」 休憩所 京太郎「・・・いないか」 京太郎「まあ待ってれば来るかも知れないし」 京太郎「待とう」 すこやんの宿泊ホテル すこやん「(枕気持ちいい)」ギュー すこやん「(お布団気持ちい)」グダー すこやん「はぁー」 すこやん「(私は貝になりたい)」ゴロゴロ prrrrrrrr すこやん「」シュバッパシッ すこやん「何だ・・・こーこちゃんからのメールか」ハァ すこやん「(って何だじゃないんだよね)」 すこやん「(こーこちゃん心配して連絡くれてるんだもんね・・・)」 すこやん「・・・・・・」 すこやん「(ごめんね)」ゴロゴロ すこやん「・・・・・・」ゴロゴロ すこやん「(須賀くんの腕・・・結構太かったな)」ピタ すこやん「(ちょっとが血管浮き出てて・・・逞しかったな)」 すこやん「う・・・」キリ すこやん「か、過去に例を見ないほど胸が痛い・・・」キリキリ すこやん「うう・・・」 すこやん「あ、もうこんな時間」 すこやん「・・・今日、こーこちゃん一人で会場行ったんだよね」 すこやん「ごめんねこーこちゃん」 すこやん「・・・・・・・」 すこやん「臨海ブロックの試合・・・見なきゃ」ピ 針生「決まったー!有珠山高校が満貫をツモって堂々のトップで副将戦終了!」 咏「やっぱ有珠山高校は強いねーまだ分からんけど」 針生「それでは昼休みの後大将戦を開始します」 京太郎「前半終了か・・・」 京太郎「お昼休みなら売店とかに行ってるかもな」 京太郎「ちょっとうろついてみようかな」 昼休み 関係者休憩所 こーこ「大問題です」 針生「なに?私実況で疲れてるんだけど」 こーこ「すこやんが部屋から出てきません」 針生「そんな・・・別にオフなんですから部屋に篭っていたい日もあるんじゃないの」 こーこ「ところがどっこい!すこやんはそうじゃないんです!」 針生「(うぜえ・・・)」 こーこ「すこやんは天然植物人間なんです。太陽光にあたって光合成しないと死んじゃうんです」 針生「ちょっとヘンなこというのやめなさいよ」 こーこ「しかも電話にもメールにも反応なしです」 針生「あんたがしつこすぎたんじゃないの?」ヘッ こーこ「さらにさらに」 こーこ「昨日夜分遅く帰って来たときのこーこちゃんの目が充血してました」 針生「・・・何だと?」 こーこ「女なら誰でも泣きはらした経験があるでしょう」 こーこ「間違いなくそれです」 針生「これは・・・」 こーこ「まさか・・・」 こ針「男の予感!」 咏「小鍛治さんに男とかオカルトだねー」ヒョコッ こーこ「うわっ!」 針生「ちょっとビックリさせないでくださいよ!」 咏「知らんし」 針生「でも小鍛治プロに彼氏とかできたら結構ビッグニュースかも知れないですねー・・・」 咏「小鍛治さんは関係者の間でアイドル的なところあるからねー」 こーこ「うーん一番の友人としてはちょっと複雑・・・」 針生「あんた小鍛治プロとの付き合いまだ1年も経ってないでしょうが・・・」 こーこ「でもすこやんが靡く男ってどんなんだろ・・・」 針生「年上ですかね・・・大沼プロが初恋だって言ってましたもんね」 咏「んーそりゃ分かんねーんじゃないかなー案外年下かもよ?」 咏「ほらあんな感じの」 京太郎「迷った・・・」 こーこ「うーんすこやんは簡単にイケメンになびくタイプではないと思うんだけどなー」 針生「根拠はあるんですか?」 咏「いや?知らんし」カラカラ 針生「」イラッ 針生「っていうかそもそも学生ですし!」 京太郎「?」 同時刻 すこやん「ん」ノビー すこやん「・・・今から会場行ってもまだ大将戦間に合うんだよね」 すこやん「どうしよう」 すこやん「・・・・・」スチャ すこやん「携帯に着信はなし・・・か」 針生「準決勝進出は有珠山高校に決まりました!」 咏「臨海のネリーにどう対応するかが見ものだねー知らんけど」 針生「ではまた次の試合でお会いしましょう」 京太郎「来なかったなー」 京太郎「はは、なんか初戦の日のデジャヴだな」 京太郎「あのときは小鍛治さんにジュース奢ってもらって―」 京太郎「あ・・・」 京太郎「ポカリ・・・売り切れてる」 京太郎「・・・」ガンッ 自販機「おうふ」 京太郎「・・・ごめんなさい」 自販機「許すよ」 その夜 すこやんのホテル すこやん「11時か・・・」ゴロン すこやん「連絡、来なかったな」 すこやん「何だろ・・・連絡先聞いてきたのは冗談だったのかな」ジワ すこやん「・・・・・・」グイッ すこやん「・・・」ポチポチ 「須賀くんへ 連絡下さい 小鍛治」 すこやん「なーんてね」 すこやん「・・・・・・」 すこやん「よしっ!」ガバッ すこやん「次会えたら話そう!」 すこやん「会えなかったら・・・」 すこやん「いや探そう!」 すこやん「そして話す!何か分からないけど話そう!うん!」 すこやん「・・・・・・」 すこやん「だから・・・」ジワ すこやん「今は泣いてもいいよね・・・?」 すこやん「うぅ・・・」ボロボロ すこやん「うぅううぅうう・・・・・・・!」 翌日 すこやん「よし!」 すこやん「昨日はちょっと弱気になりすぎてたよ、私!」 すこやん「そーだよたまたま昨日は連絡くれなかっただけかも知れないし」 すこやん「そもそも向こうも一日中私のこと考えるてるとは限らないし?手が空いたときに連絡くれるのかも知れないし?」 すこやん「うん・・・今日は健やかに行こう」 こーこの部屋 すこやん「こーこちゃん?」コンコン こーこ「すこやん?」 すこやん「うん」 ガチャ こーこ「・・・もういいの?」 すこやん「うん、メール返すのが遅れてごめんね」 こーこ「・・・私いつでも相談乗るぜー?」 すこやん「うん・・・ありがとうこーこちゃん」 すこやん「でも大丈夫だから」 こーこ「・・・この適度に不健康な感じ!いつものすこやんだね!」 すこやん「うん・・・って私はこれでも健康体・・・」 こーこ「わはは」 こーこ「んじゃいこーか!」 すこやん「(何か・・・あまりにも恥ずかしくて相談も出来ないんだよね)」 すこやん「(こーいうとき友達を頼れないから・・・この歳になっても浮いた話のひとつもないんだろうな)」 すこやん「・・・う」キリキリ こーこ「・・・」 清澄控え室 京太郎「今日は雨か・・・」 タコス「雨の日のタコスもうまい」モグモグ 京太郎「天気関係あんのか?」 タコス「大アリだじぇ。湿度によってタコスの味は変わるのだ」 京太郎「そんなもんかなぁ・・・」 京太郎「ん?」 咲「あ、やっぱりシード校はどこも上がってきてるね」 和「そうですね・・・どこも強豪ばかりです」 京太郎「あれ?それ今日の試合日程?」 咲「うん。昨日の夜FAXで送られてきたよ」 京太郎「見してくれ」 咲「はい」 京太郎「(解説小鍛治健夜は・・・)」 京太郎「(臨海ブロックの準々決勝か)」 京太郎「(時間・・・被っちゃってるな)」 咲「(京ちゃん・・・真剣な顔するとやっぱりかっこいいな)」キュン 咲「(何でその顔をハギヨシさんに向けてくれないんだろう・・・)」ハァ 京太郎「?」 ブオー すこやん「分かってたけど・・・臨海ブロックと永水ブロックの準々決勝は被ってるんだね」 こーこ「そーだよー」 すこやん「残念だな・・・」 こーこ「お、どーした永水ブロックに気になる高校でもあるの?」 すこやん「うん・・・清澄高校・・・」 こーこ「清澄・・・ああ初出場だもんねー」 すこやん「うん・・・長野の天江衣選手は絶対に今年も上ってくると思ってたから」 こーこ「あーすこやんのお気に入りだもんねー」 すこやん「別にお気に入りってわけじゃないんだけど・・・」 すこやん「(あの子が一番私に近い気がしたんだけどな)」 すこやん「(それに・・・)」 こーこ「小鍛治プロは今恋してますかー?」 すこやん「ぶはぁっ!」 こーこ「・・・」 すこやん「何でこーこちゃんは毎度毎度いきなりそういうこと聞くかなぁ!」 こーこ「小鍛治プロが珍しく声を荒げております」 すこやん「ちょっ」 すこやん「・・・」 すこやん「ラジオ配信してないよね?」 こーこ「してないよー」カチッ ネトラジ<シテナイヨー プツッ 妹尾「切れちゃったね・・・」 むっきー「クソが」 ブオー こーこ「・・・やっぱりさ心配だったんだよね」 すこやん「え?」 こーこ「だって友達が目ぇ真っ赤にして帰ってきたら誰だって心配するじゃん」 すこやん「・・・」 こーこ「だからさ・・・確かに私年下だけど・・・相談とかしてくれたら乗るからさ・・・」ジワッ すこやん「えっ」 こーこ「別に私じゃなくてもいいから・・・誰かにちゃんと相談してよ」グスグス すこやん「えっえっ何でこーこちゃんが泣くの?」 こーこ「だって・・・何か寂しいじゃん~一人で枕濡らして寝るのとかさぁ~」ウワーン すこやん「うっ運転!運転しっかりお願い!」 こーこ「すこやんが話してくれたらちゃんとするし」メソメソ すこやん「はっ話す!話すから!」 こーこ「やった」ケロッ すこやん「・・・・・・」 こーこ「ヘヘヘ」 すこやん「・・・ごめんね心配かけて」 こーこ「いいってことよー」ブオー すこやん「うん・・・・・・今夜、ちゃんと話すから」 すこやん「(ちゃんと・・・話せるようにしとかなきゃ)」 すこやん「はっ話す!話すから!」 こーこ「やった」ケロッ すこやん「・・・・・・」 こーこ「ヘヘヘ」 すこやん「・・・ごめんね心配かけて」 こーこ「いいってことよー」ブオー すこやん「うん・・・・・・今夜、ちゃんと話すから」 すこやん「(ちゃんと・・・話せるようにしとかなきゃ)」 清澄控え室 京太郎「(被ってるってことは・・・試合が始まる前に会わないとまずい!)」 京太郎「早めに会場入りしといてよかった」 久「でもかなーり時間空いちゃったわね」ウーン 久「・・・自由時間にしようかな」 京太郎「!!」 タコス「よし犬!お前にこれからタコスの極意を教えてやろう!」 和「須賀君なら物凄い勢いで出て行きましたけど」 タコス「最近の犬は自由行動が多すぎるじぇ・・・」 こーこ「到着ー!」 すこやん「ちょっと早く着きすぎちゃったね」 こーこ「じゃあ朝ご飯でも買ってこようかなー」 すこやん「ん、じゃあ待ってる」 こーこ「おう」 すこやん「(・・・試合時間が被ってるってことは、今のうちに探さないとだよね)」 すこやん「(今すぐ・・・)」 すこやん「うう・・・なんで」キリキリ 京太郎「小鍛治さん?」ハァハァ すこやん「!?」 京太郎「やった・・・見つけた」ハァ すこやん「」 すこやん「」ダッ 京太郎「ちょっ」 京太郎「ちょっ!濡れちゃいますよ?!」ダッ バシャバシャバシャバシャバシャ すこやん「(何私逃げてんの?駄目でしょ!)」バシャバシャ 京太郎「(何で逃げられてんの!?)」バシャバシャ すこやん「(おかしいおかしい!だって向こうは私の気持ち気づいてないんだよ?逃げる必要ないよ?)」 京太郎「(え?あれ?俺やっぱ迷惑?ストーカー的なあれか?)」 すこやん「(そうだよ!私が普通にしてればいいんだって!)」 京太郎「(ええいもう全部話して聞いてみればいいや!)」 すこやん「(今日は話すって決めたんだ・・・逃げるな小鍛治健夜―!)」 ピタッ すこやん「・・・」ハァハァ 京太郎「・・・」ハァハァ 京太郎「あの」ビショビショ すこやん「やぁー須賀くんじゃない!偶然だね!」ビショビショ 京太郎「」 すこやん「(間違えたまちがえたまちがえたまちがえたまちがえた)」ダラダラ すこやん「(散々逃げ回って「偶然」って・・・)」ダラダラダラダラ 京太郎「」ザッ すこやん「(ぐ、偶然出会えた偶然に感謝!いやいや偶然足がひきつけを起こして走り出しちゃった!)」 すこやん「(・・・いやいやいやいや!)」グルグル すこやん「(あ・・・・・・・・もう頭回んな)」 ギュ すこやん「え?」 京太郎「・・・」 すこやん「え・・・なんで」 京太郎「・・・なんか」 京太郎「寒そうだったから・・・」 すこやん「・・・・・・・・」 京太郎「・・・・・・・・」 すこやん「・・・」ギュ 京太郎「・・・!」 すこやん「・・・」 京太郎「あの」 すこやん「はい」 京太郎「メールしてもいいですか」 すこやん「待ってました」 京太郎「すみません」 すこやん「いえいえ」 京太郎「・・・」 すこやん「・・・」 京太郎「電話もしていいですか」 すこやん「待ってます」 京太郎「よかったです」 すこやん「・・・」 京太郎「・・・」 すこやん「だきつかれてびっくりしました」 京太郎「ごめんなさい」 すこやん「ゆるします」ギュウ 京太郎「・・・」 すこやん「・・・」 京太郎「このままでは風邪を引いてしまいます」 すこやん「そうですね」 京太郎「軒下に入りましょう」 すこやん「このままがいいです」 京太郎「・・・」 すこやん「・・・」 京太郎「じゃあこのまま移動しましょう」 すこやん「はい」 カニアルキカニアルキ すこやん「・・・」 京太郎「・・・」 すこやん「・・・っぷ」 京太郎「・・・っく」 すこやん「あはははははははは」 京太郎「あはははははははは!」 10分後 すこやん「あー笑っちゃった」 京太郎「雰囲気ぶち壊しでしたね」 すこやん「・・・うん」クス 京太郎「あの、メールしますから」 すこやん「うん」 京太郎「っていうかもう今しちゃいますから」ゴソゴソ すこやん「だめ」 京太郎「え」 すこやん「一緒にいるときは・・・私を見てて欲しいな」 京太郎「・・・はい」 すこやん「・・・」カァ 京太郎「・・・」カァ すこやん「そ、そろそろ戻ろうか」スクッ 京太郎「そ、そうですね」スクッ すこやん「あ、あのね須賀くん」 京太郎「はい?」 すこやん「あの・・・なんていうか」 京太郎「?」 すこやん「えっと・・・その」 すこやん「分かれる前に・・・あの」モジモジ 京太郎「・・・?」 京太郎「あ、トイレですか?」 すこやん「じゃなくて!」 すこやん「あの・・・言葉で」 京太郎「え」 すこやん「言葉でちゃんと、聞いておきたいデス・・・」 京太郎「あ・・・」 すこやん「・・・」カー 京太郎「・・・分かりました」 京太郎「俺は・・・」 控え室 京太郎「ただいまー」 タコス「おうちゃんと帰ってきたな犬―ってびしょびしょだじぇ!」 和「わっ」 ワカメ「どこで何しとったんじゃあ」 京太郎「ははは・・・」 久「はいタオル」 京太郎「すみません」 久「・・・何か分からないけど・・・スッキリした顔になったじゃない」 京太郎「・・・はい!」 咲「(雨の中でのハギ京・・・一理あるね)」 すこやん「こーこちゃんごめーん」 こーこ「ちょっとすこやーん!どこ行ってたの」 すこやん「ごめんごめん」ハァハァ こーこ「しかもびしょびしょ・・・あれ?」 こーこ「どうしたの、顔」 すこやん「え?」ハァ こーこ「だって」 こーこ「すっごい笑顔じゃん」 「須賀京太郎です 電話番号は090XXXXXXXXです 登録お願いします 好きです 俺とお付き合いしてもらってもいいですか」 すこやん「うん!」 その日の晩 すこやん部屋 すこやん「こーこちゃん」ボー こーこ「んー何ー?」 すこやん「好きな人と抱き合うと安心するんだね」 こーこ「」 こーこ「」ピト すこやん「熱はないよ」 こーこ「覚悟はしてたけどその切り出し方は予想外だった・・・」 すこやん「うん・・・」 こーこ「何?やっぱり今日試合開始前にいちゃついてたの?」 すこやん「いちゃついてはないよ!」 こーこ「(いや今抱き合ったつってたやん)」 こーこ「ふーんじゃあそれですこやん涙の原因は消えたの?」 すこやん「うん・・・もう完全に大丈夫だから」 こーこ「そっか・・・じゃあお姉さんも安心だ!」 すこやん「お姉さんってこーこちゃんの方が・・・」 すこやん「・・・そうかもね」 すこやん「こーこちゃんに言われたもんね、「恋愛は中学生並み」って」 こーこ「ちょっと違うけど・・・言ったかもねー」ナハハ こーこ「(以外と根に持つ小鍛治プロ(アラサー)であった)」 すこやん「うん・・・その通りだなあって思った」 こーこ「・・・そっか」 すこやん「うん」 こーこ「・・・」 すこやん「・・・」 こーこ「いーんじゃないかな、中学生で」 すこやん「え?」 こーこ「中学生並みなら中学生みたいな恋すればいいさー」 すこやん「そう・・・なの?」 こーこ「あんま無責任なことも言えないけど」 こーこ「いいと思うよー中学生みたいなの恋愛」 すこやん「なんか適当だね・・・」 こーこ「えーだって恋心一番激しいのってあの時期だもん」 すこやん「そうなんだ」 こーこ「うん、まあその分失敗も山盛りだけど」 すこやん「・・・・・・」 こーこ「そこから始めればいいさー」 すこやん「・・・うん、そうする」 こーこ「相手にだまされないようにね」ウヒヒ すこやん「だっ大丈夫だよ!」 こーこ「あはは、じゃーおやすみー」バタン すこやん「もう・・・」 すこやん「・・・・・・」 すこやん「(・・・大丈夫だよね?)」 すこやん「・・・・」カチカチ 京太郎の部屋 京太郎「あ、小鍛治さんからメールきてる」 京太郎「何だろ・・・」パカッ 「よろしくね、お兄さん」 京太郎「・・・?」 ネトラジ<ダイジョウブダヨ! 妹尾「すこやんにもついに彼氏が出来たみたいだね・・・」 むっきー「よし殺そう」 すこやん部屋(実家) すこやん「彼氏ができました」 すこやん「彼氏・・・」 すこやん「・・・」ゴロゴロゴロ すこやん「・・・」ピタッ すこやん「彼氏」 すこやん「・・・」ゴロゴロゴロゴロ すこやん「私小鍛治健夜に彼氏ができました」ピタッ すこやん「これから夜は多少不健康になるかもしれません」 すこやん「なーんてなーんて」ゴロゴロゴロ すこやん「いや現実を見よう」ピタッ すこやん「私はアラサー、相手はアラフィフティーン」 すこやん「いくら恋愛中学生といえどもこの事実は覆らない・・・」 すこやん「店員にも「親子ですか?」って言われちゃったし・・・」←言われてない すこやん「16歳か・・・」 すこやん「気持ちだけは・・・あの頃に帰れた気がする」 すこやん「それだけで満足・・・」 すこやん「できない私は」 すこやん「やはり欲深いのだろうか」 すこやん「・・・・・・」 すこやん「・・・」モゾモゾ すこ母「最近健夜の夜は健やかじゃないみたいですね」 すこ父「むしろ健康的だと思う」 おわり こーこ「っていう同人誌を冬コミで発表しようと思う」 すこやん「やめて」 咲「私はハギ京がいいと思います」 おわり -小ネタ①- すこやん「♪」グニグニ 京太郎「あの」 すこやん「何?」 京太郎「何で俺の腕触るんですか?」 すこやん「だって男の人の体って硬くて面白いんだもん」グニグニ 京太郎「そうですか」 京太郎「・・・」プニ すこやん「ひゅ」 すこやん「はんでほっへたひっはるの?」 京太郎「だって女の人の体って柔らかくて面白いんですもん」プニプニ すこやん「」 -小ネタ②- 京太郎「・・・」タン すこやん「あっそれじゃない、駄目」ムニュ 京太郎「・・・」 すこやん「もう2sは3枚切れちゃってるから・・・もう1s3sのカンチャンターツは捨てて・・・」ムニュ 京太郎「・・・」タン すこやん「あっそれも駄目。シャンポン待ちは上がり牌が少ないから基本的にはリャンメンに受けた方が」ムニュ 京太郎「・・・(下半身リーチ)」 -小ネタ③- すこやんアイ:いつも死んだ魚のような目をしてるぞ! すこやん二の腕:ちょっとぽよぽよしてて柔らかいぞ! すこやんうなじ:年齢の香りがするぞ! すこやん鎖骨:結構くっきり浮き出てるぞ! すこやんおっぱい:とにかく柔らかいぞ!サイズは秘密だ! すこやんヒップ:小ぶりだぞ! すこやん・・・:すべて秘密だぞ! すこやんふともも:すっごい指が食い込むぞ! すこやんふくらはぎ:すべすべだぞ! すこやん足の甲:すこやんはたまにここが痒くなるぞ! すこやんエイジ:アラフォーだぞ! すこやん:アラサーだよ!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/5722.html
183 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/15(水) 21 20 53.83 ID ssBmfdOBo [12/30] ※ 翻訳版 口調とかこまけーこたぁ 咲「そう言えば京ちゃんはまだかな?」 煌「収録時間は過ぎてますから、そろそろ戻ってくるかと」 ガチャッ 京太郎「ただいまー」 照「京ちゃん!」タタタッ 美穂子「お帰りなさい若!」タタタッ 京太郎「おわっ!? 照さんに……咲もいるのか!?」 トトトトトトッ カピー「ご主人様ー!!」 京太郎「ん、お前もいるのか!?」ダキッ カピー「ご主人様大好きぃー」スリスリ 京太郎「よせ、くすぐったいだろ?」アハハ カピー「ちゅーっ」クンクン ピキ-ン カピー「うそっ!?」ビクッ 京太郎「ん? どうかしたか?」 トテトテ 和「お、お邪魔します」オズオズ 美穂子「あら」 煌「すばらっ!」 咲「和ちゃん、その胸に抱いてるのって――」 ホロ「ホロ!!」 和「子犬のホロです」 京太郎「可愛いだろ?」 ホロ「ご主人様♪」スリスリ #∧_∧ ビキッ /● ●\ | A | _____ カピー「」ゴゴゴゴゴッ 184 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/15(水) 21 24 49.66 ID ssBmfdOBo [13/30] ※翻訳版 照「なんか前世で会ったことあるような……」ウーン 京太郎「だよなぁ、俺もそんな気がするんですよ」 和「私は前世のような気がします」 ホロ「どうかしたの?」パタパタ 煌「これはどうしたのかな?」 美穂子「拾ってきたんですか?」 京太郎「実はかくかくしかじかで」 咲「ふーん(京ちゃんかっこいいよぉ……//)」モジモジ 照「でもそういうのはあまりよくない」 カピー「その通り!!」クワッ 京太郎「新しい飼い主を見つけるまでだって」 美穂子「見つかるでしょうか?」 和「難しいですね」 京太郎「まぁ、見つけられなかったら俺が飼うさ」 カピー「?!」 ホロ「その方がいい!」ペロペロ 京太郎「あはは、やめろって!」 カピー「……」トコトコトコ ホロ「貴女は?」 カピー「……あなたこそなんなの?」 ホロ「ホロ! 和と京太郎のペット!」 カピー「だまらっしゃい!!」ベシッ! ホロ「いたっ!?」ゴロゴロ 京太郎「こ、こら! 何やってんだ!」 和「ホロ! 大丈夫!?」 カピー「お前なんかっ! 嫌いだっ! ノドカ!!」トコトコトコ! ベシベシベシッ 和「いたっ!?」 カピー「ご主人様を返せぇぇぇ!!」タックルッ! ホロ「いたいよぉっ!」ドシャッ 京太郎「おい、カピー! いい加減にしろ!」 カピー「うぇっ!?」ビクッ 京太郎「そんな奴だとは思わなかったぞ……」プイッ カピー「ち、違うよ? 違うの!」ブンブンッ 186 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/15(水) 21 26 57.21 ID ssBmfdOBo [14/30] ※ 翻訳版 咲「京ちゃん、カピーも寂しがってるんだよ」 カピー「……うぅ」ショボーン 京太郎「……」 和「大丈夫?」 ホロ「大丈夫だよ!」 和「そう、よかった……」ホッ カピー「……よくないよ」 京太郎「そうだとしても、暴力振るうなんて最低だぞ」ジッ カピー「……」コクッ 京太郎「ちゃんと和とホロに謝ろうな?」 カピー「……うんっ!」トコトコ ホロ「ひっ!」ビクッ カピー「……ご、ごめんなさいっ!」ペコリ ホロ「いいよ♪」 京太郎「次は和に謝るんだ」 カピー「……の、のど、のど、のどか……」ギギギギッ 煌「気のせいでしょうか、凄く嫌そう」 美穂子「何か琴線に触れることでもあるんでしょうか?」 和「いいんですよ、気にしてませんから」ニコッ カピー「……」グヌヌ 京太郎「カピー?」ジロリ カピー「チッ、反省してまーす!」ペコリ 和「ふふ、これからは仲良くしましょうね」ギュゥゥ カピー「むぐぐぐっ!?」バタバタバタ 美穂子「これで一件落着ですね」 煌「めでたしめでたしかな?」 カピー「……」メラメラメラ 咲「カピーが凄い顔してる気がするけど……」 京太郎「とにかく、ホロの飼い主探しもしないと」 和「一応私も知り合いを当たってみます」 美穂子「そうですね。きっと誰か力になってくれるはずです」 煌「事務所のみんなもね」 ワイワイ キャッキャ カピー「……」ゴゴゴゴゴッ ホロ「どうかしたの?」 193 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/15(水) 21 37 17.53 ID ssBmfdOBo [15/30] そうこうして、咲と和がいるということもありちょっとしたパーティが催された みんなで鍋を囲み、近況を話し合う 途中で和が歌う、ナンジャEDけせらんぱせらんライブ 俺が即興で指揮をやるなんてイベントもあり……気がつけば真夜中になっていた 照「Zzzzz」スピー 咲「うーん、京ちゃぁん」ムニャ 和「……」スーッスーッ 煌「ふふっ、よく寝てますね」クスクス 美穂子「後片付けは私達がしましょうか」 京太郎「俺も手伝いますよ」 煌「よく休んだ方がいいんじゃないかな?」 美穂子「そうですね。若はゆっくりしていてください」 京太郎「いや、でも!」 煌「ふふ、気持ちだけ受け取っておきます」ニコッ カチャカチャ ジャーッ 京太郎「ありがとうございます」ペコリ カピー「きゅー」トコトコ ホロ「わぅー」トコトコ 京太郎「ん? どうした?」 カピー「きゅ!」 京太郎「そっか。んじゃ、今日は一緒に寝るか」ダキッ カピー「きゅぅ♪」ペロペロ ホロ「わぅっ♪」ペロペロ 京太郎「こら、くすぐったいぞ」アハハ 煌「……」パシャッ 美穂子「何を……?」 煌「いえ、ペットに舐められる京太郎君を見てると……ふふっ、下品ですがその……濡れちゃいましてね」 美穂子「」ドンビキ 煌「じょ、冗談ですよっ」カァァァ 美穂子「そ、そうよね! あははっ」カァァ 煌「……」プイッ . . . -‐===‐-ミ .≠´.. `ヽ、 / .. 、 \ _ . i \ 〔 `ヽ、 / . | ヽ マ^ヽ \ ,′ ト、 i ; ∨ .. i . | \ ー+ i | } } リ } ,| i i イ| \ド|\N弋 /V j,.≠ j. / , 从 刈 ,示 云か∨ 斗匕 ,′ / A xヘ厶孑介 乂 ツ > / .゙ { } /\从乂ヅ ; ;< /. { 弋込.斗ャ 厶ヘ ; ; 丶 冰 ;; /// V ;ハ _,ノヽ / /  ̄ ´ \ / ゝJ `ー一′/∨\ ___. `'ー-=≦=-‐ ≧=-u-rく / }"´ \ __,,.|ヽ}_rf´ / , / ̄ / / ,ハ / / 美穂子「え?」 197 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/15(水) 21 46 58.77 ID ssBmfdOBo [16/30] 【翌日 アクセル1前】 ガヤガヤ ザワザワ ?「ここに、おねーちゃんと京太郎君が……」 社長「ん? うちの事務所に何か用かい?」 ?「……私は」 社長「おや、君は――確か」 __ ´ ` 、 / / \ / / 、 ヽヘ / / / | ヘ ヽ ィ ,. -――-j / /l / / | l _ λヽ . { ( /" ̄ ̄ ̄ ̄/ / / | !__/;イ /l 斗!| { | | l 「!i } \.、 /´ / / /彡| ´| ///ノ/ ムリ.lλ|| |j |リ ` `ー――- __ , イ/ / / ,. 、 l l伝丁` ム '乏灯ハn /.ハ `二ニ=‐- / / {⌒゚l 代ツ ゞ' ハ 〈イ ヾ { , -‐ 二_____ __// 人___l |"" ` ". l ヽ_ У`ー-. __ \、 // ̄ , ィ´ ア //__ イ l | ( ̄ア イ | |入 ̄ `ヽ_ヽ\マ、 `ー//===テ´ ,、 >-‐´ ̄ ̄ 八 l ト` x _´ .イ .l | ⅰ `ト \.\` ` ==イ`ー┴' ̄`´ ̄`ー….  ̄ - _ \ | ヽlλ|/Yヽ_レ、 人/イ ハ ` 、 }.r- ` /ミ ` ー _ - _ \ .| ヾ「 ̄`r{ . . . .{ { 彡イ ヽ_ ヘ __ノ. `  ̄└- _ ― ` / 入 . . 水\__ト |  ̄ ヽ ヾ、  ̄ ̄ ̄ ̄¨¨ ̄ アァ―ァ‐‐ァ‐-‐ァ…'ー―‐-- ____/ ー、 .` ./ λ . / . } |ヽ. // { /_ イ / / `ヽ、. ヽ∧/ ´ | l j | リ `ー=ニ二二__ イ /_r‐く ` o 丿 ノイ ノ `ー―一' /| ̄`>‐  ̄ ヽ、 ィ __ ´ ー‐ ' ` ー―一「 ̄ ̄ . / くヽ ー一o / マ . . . . ./ \\ o r´ } . . . ハ ー` -―一 ´ r'ーf rー ´ . . .ヽ \ o __ィ /__ . | ヽ . . . . . . /\__ ` 大o / . . . `ヽ \ . / ./ . . . . . `ヽ /{ . |ヽ/ . .ヽ . . ./ `У . . . . . . . ハ`´ . . . ヾ、 . . . . . . . 〉´| ィ'`ー、 . . . . { . . | . . . . . . . . \_/ λ {三三三天 ̄ ̄| . . . . . ._イト----一 /| ` ̄` <_入  ̄ ̄_ハ|////////| `マ ̄ ̄///ハ.////////| V//////∧/////// ∨/////.∧//////’ ヽ//////ハ/////.j 社長「ほぅ、ティンと来た!」 ~~~~~~~~~~ 200 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/15(水) 21 57 32.30 ID ssBmfdOBo [17/30] 【京太郎のアパート】 京太郎「それじゃあ、仕事に行ってきます」 美穂子「はい」ニッコリ 咲「京ちゃん、気をつけて」 和「無理をしないでくださいね」 ホロ「わぅっ!」 カピー「きゅいっ」 京太郎「咲も、カピーを連れてきてくれてありがとな」 咲「ううん、大丈夫だよ」 京太郎「また近いうちに会おうぜ」 咲「うんっ!」 煌「忘れ物はないですか?」 京太郎「大丈夫っす!」 ガチャッ 京太郎「じゃあな!」 タタタッ 咲「行っちゃった……」 和「またすぐに会えますよ」 咲「うん、そうだといいな」 照「Zzzzz」スピー 煌「まだ寝てるんですね……(困惑)」 美穂子「お疲れなんでしょうか?」ウーン 【アクセル1】 ガチャッ 京太郎「おはようございまーす」 竜華「あ、京太郎君!」 菫「来たか……」 京太郎「ん、どうかしました?」 久「どうしたもこうしたも……」チラッ ザワザワ 宥「く、玄ちゃん!」 玄「おねーちゃんからもお願いして!」 宥「で、でもそんな……」オロオロ 京太郎「あれは、松実玄さん……?」 確か宥さんの妹だよな? しかし相変わらずいいおもちだ…… 玄「うぅっ、おねーちゃんの分からずや……」チラッ 京太郎「ん?」 玄「ひゃぁっ?!」ドキッ 201 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/15(水) 22 04 23.01 ID ssBmfdOBo [18/30] 京太郎「初めまして、須賀京太郎です」 キラキラキラキラ / |. | i . . . . . . . . . .|. . i . . . . .. . . . . . . . i / i |. . | i i i i i ....... ハ i i ハ | i ハ ハ | iγ /.| i | | | u .| | i , i i i i / | | | i i i i |ヾ |__| |__ i | ハ | i ト--ー| |十 / .| /| | | i | | |ヾi ヾ i i i. `ミ ̄| |. ヾ イ | ,_|_| / i i | | .i |. .| i i. ヽ /∨⌒レヽ、. i i ヾ | r弋r .....レヽ、i ノ. i. . | | | i | | / f毛 ミゝ i i i ヾ| i ん ヽ レ、. |. . | | i i | く i ii ` i i.. ii ,ゝ i. . . i | i ii | 丶とつ o リ ..... とつ o リ ノ .|. . . . | | | | |i ヾ;_.._._彡 ... . . ... 弋;.;_;_彡 .i . . . . i | i | | i.i ....,,,,,; . . ....... i|. . . . . . | ヾ/ i |.i , i i. . . . . . i | ○ | i i xxxx xxxxxx .i |. . . . . ... ハ | / i i |.i i i. . . . .i..i | | i i i | 、 u i. . . . . .... i | | i | i i ヽ u , _ , 、 ,/. . . . .i..i. | |. i | |;;| | ヽ (  ̄ ) . ノ . . . . ... i i | i |;;;;i i ヽ ` ⌒` ′ ≦ . . . . ..i...i | ハ | | |;;;;;;i | ` r i. . . . .... i / i i 玄「」 宥「く、玄ちゃん?」 京太郎「?」 竜華「こ、これは!?」 久「まさか……」 京太郎「へ?」 玄「」チーン コンマ安価↓3 ゾロ目で??? 00~98 京太郎「し、死んでる!?」 人命救助の為、やむを得ず! 仕方なくおもち揉み! 99 玄「はわぁっ!?」 蘇生 208 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/15(水) 22 14 38.17 ID ssBmfdOBo [19/30] 玄「」ブクブクブク 京太郎「し、死んでる!?」ガビーン 竜華「はぁぁぁっ!?」 宥「ふぇ?」 久「い、いきなりどうなってんのよ!?」 京太郎「お、おおお、落ち着いてください!」ガタガタガタ 宥「玄ちゃぁぁん……うわぁぁぁん!」 京太郎「と、とにかく応急処置を!」アセアセ 竜華「そや! 京太郎君!」 京太郎「うぇぇ!? 俺ですか!?」 久「お、男の子でしょ!!」 京太郎「わ、分かりました!」アセアセ とは言ってもこの場合はどうすればいいんだ? ま、まずは…… 京太郎「……」ソッ プニュッ 竜華「ごるぁぁぁ!!」バキィッ 京太郎「ディアッカ!?」ズシャッ 竜華「な、なんでいきなりむ、胸を……//」カァァ 京太郎「じ、ジンゾォがウゴイデルカ……」ハナジダラダラ 久「そうよ、邪魔しちゃダメじゃない!」 竜華「あ、ごめん……」 宥「うわぁぁぁぁん!!」 京太郎「じゃあ、もう一度……」スッ ムニュンッ 玄「んっ……//」ビクンッ 京太郎「脈はわからんな……心音を」サッ 京太郎ヘッド「」ムニュンッ 玄「んぁっ……」 京太郎「取り敢えず、心臓は動いてないっぽいです」クビフリ 久「やっぱり心臓マッサージしかないわね」 京太郎「や、やります!」ワキワキ しかし、本当に俺がやっていいのか? 俺は一応男なんだし…… 玄「」チーン 京太郎「……おお、神よ」 俺はどうすりゃいいんだ? 選択安価↓3 1 自分でヤる 2 竜華さんに頼む 218 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/15(水) 22 24 35.42 ID ssBmfdOBo [20/30] 竜華さんも久さんも……混乱している ましてや宥さんに出来るはずもない ここは俺がやるしか……ない! 京太郎「すいません……」サッ プチプチ ボイーン 京太郎「ぐっ!?」フラァ 竜華「京太郎君!」 京太郎「お、落ち着け俺……素数だ。素数を数えるんだ」ドキドキ 玄「」 京太郎「……絶対に助けるんだ」キリッ 確かに玄さんは魅力的だ こんな人の胸を触るなんて、頭がフットーしそうになる でも、俺しかこの人を助けられない 今は不純なことを考えてる暇は無いんだ 京太郎「……イきます!!」グッ モニュン 京太郎「……」モミモミモミ 竜華「……//」ドキドキ 久「あ、あんなに激しく……//」カァァ 京太郎「甦れ……!」モニュモニュ 宥「玄ちゃん……いいなぁ」ボソッ 玄「」チーン モミモミモミ キュー 京太郎「はぁっ!」グニグニ ピシィィィン! 玄「!!」 コンマ安価↓3 00~09 玄「きゃああああっ!!?」 タイーホ 10~39 玄「きゃっ!?」 40~89 玄「う、うーん……」パチッ 90~99 玄「んぁっ……やぁ……//」モジモジ ゾロ目で 松実館ED 225 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/15(水) 22 26 37.83 ID ssBmfdOBo [21/30] r──- 、 ヽ \ .ィ'" ) ,r , ` ー─--‐'゙ , 'y , _ __,,,,,,,,,, ............----─…─、 {; ァ , ( `ー…''  ̄ ̄ _ _ j / , \ _....-─…_'/ _ -''´  ̄`ー' l ,. ` ̄ ̄´ _.-''´ , -''"´ ヾ ,、 {ゞ _ -'" ,-''", -'´~ヽ. | ハ ! _ _ ,r'´  ̄´ ,-'' !;' ゙ i ! ! // | _,,.- / {.!. l.! | |// _ _ _,_ _ ゝ-‐"/ , 'ヾ 丶、 l.| !! | |、 ヽ. | | | !.|r‐’,',r‐ ゙. , ' / ゝ ` 、 __ノ !__{ヽ__| |ヽ ヽ.__| Ll |__||__ゝー’ノ/ 'ー…''"´,.ヘ ヽ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄{ _..-'' ヽ | `ー───…' ̄ / _ノ ` ̄ ̄´ .. ---- . . ≦ ミ . / . . . . . . . . . . . . \ / . . . . . . . ヽ . .... .. . ./. . .. .. .. ..\ .. .. ヽ ∨‘, / ./../.. . . ./ ./ . . . . . .i . . . . . .ヽ . . .. Vヽ . ∨ハ / \′ . . . .' . ′ . . . . | . . . . . . . . . . . . .Vハ ....ノ i / .7T..ト.... . i i| i . . . .{ .|、 { . . . . ハ . . . ト .i一 . . | ′/.. |.. |、 . ./| .|{ | . . . .ト { \ .、 . . / ヽ | . .. i .| / .. i|.. { .\ | ハ {、 . . .廴__ 斗< . | . . .| . | . .. | .. | il . . ii 八 { { |≧十\ ∨ ,. `| . . ..ト | . . | .{. | |!.. . ,| .. .トド\ _, ` z.、__レ| . . .|´j . . ..| . ( \ / ) {_.}_} r‐ ,| { . /l| . 小≧==' '^ ´` ̄´`! . . |' } . . ..| . { \ \/ / _| |_/ ) 八| ハ| . . { .i xxx , xxx | . . . |_,} . . ..| . .i . / (__ __ ヽ __ (__) | . . 八 | . . . }V . . .. . . { / 〃 | | ) } (_ ヽ .イ i! . . | i .. 丶 ノ , . . ./ i . . . i . . { {____. | | (_ ノ ) } 〃{ .} . .{ | i >... イ/. . /i ,′ . .八 .l 乂 ___ ) ._ノ (__ノ { i. { ハ . . V |l . . .} .r } ̄ __ ノ/ . ./ ./ . . . . i{ . . {. 八从 , .∧ .{ リ ノ 入_/'i{ /ィ / / . . . . / { . . . . ∨ . . . .\V‐≦ムイ /》___.ノイ 7 . . . . /廴 .. . .八 /;.. . . . . ./ \}! r‐〉ォ´ ̄ }ノ / . . . ./ , ヽ .∧. / / . . / ノ{{ '介′ i{ ./ . . . ./ / ∨. ∧ ノイ .. . . ./! く 廴. / .|乂 __人/ . . . ./ / i . . . __ノ/ .. .. 厶}/ \ ノ{ /j__ 斗-/ . . .. / i / { . ∧ 237 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/15(水) 22 33 06.00 ID ssBmfdOBo [22/30] 【松実館EDルート】 京太郎「よみがえれぇぇ!」モミモミ ドクンッ 京太郎「どうだ!?」 . .―― ―. .、 . ´ ` ー.、 / \ \`\ / \\ \ \ / ヽ ヽ_ヽ _ _ \ \. / i ハ 、 ハ } ヽzz ヽ ). ! ヽ ハ/ヽ } ヘ//∧_V ヽ. ! ヽ .レへzz VVノ ゙ー'´'┘ヽ ヽ. V { イ//∧ 、 l/l/lヽ \ V トとつ´ V ヽ V ミ l/l/l , ┐ / ヽ l rへ\ し  ̄ / ∧ V ハ \ヽ / ∧ V ゝ―´  ̄ヽ ―― ヘ\_ ―、 \-、 V ∧ 〉 \ \ \\ヽ V j ┴――ハ__l \ . へ ヽ ヽ \.ヽ i // ト 〃 . . \ \ \ ヽ'、 | く \ / ⌒ >ト ._ 、_\ ヽ、ヽヽ | \ \ \ . . ∧\ . . / \ ヽ \、 i \  ̄ヽ ノ .ヽ \/ ハ } ヽ i /`\ ` ヽ、 7 . . ト、__} V ', i ト\ \ \ \⌒ ̄ `ヽ !\ 玄「んぁっ……やぁ……//」モジモジ 京太郎「おっ!?」 竜華「い、生き返った!?」 宥「玄ちゃん!」 玄「お、おねーちゃ……」パチッ ムニュン 玄(下着姿)「え?」 京太郎(鼻血ダラダラ)「え?」 ガチャッ 社長「さぁ、入ってください!」 記者達「あはは、アクセルさんの新人とは楽しみですよー!」アハハ ゾロゾロ 京太郎「あっ」 玄「あっ」 社長「」 記者達「」 竜華「お、終わった――」 久「あびゃ~」 記者達「す、須賀君!! これは一体――!」パシャパシャ 京太郎「」 こうして……俺は芸能界を引退した 238 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/15(水) 22 42 31.78 ID ssBmfdOBo [23/30] ソルサキは最終回まで撮り終えていた為、無事完結できた だが、仮面ライダーはそういうわけにもいかず……代わりに冬馬さんが引き継いでくれた ナンジャはサイーガさんが復活し、問題なく続いている 俺は一時的に世間を騒がしていただけに、引退を大きく騒がれもしたが…… そんな声も次第に薄れていき 気がつけば……忘れさられるようになっていた スタッフのみんなには戻るように言われたが、もうどうすることもできない 俺はファンの期待を裏切った それは一番やってはいけないことだったのに…… そして、事務所を追われ……長野に今更戻ることも出来ない俺は―― ~~~~ ゴシゴシゴシ 京太郎「ふぅっ……」アセアセ ガラガラ 宥「アナター、ごはんの用意ができたよー」トテトテ 京太郎「ああ、今行くよ」フゥ 宥「ふふ、温泉のお掃除ご苦労様」 なんの因果か、松実館に住み込みで働いています それも―― 宥「ねぇ、今は二人きりだから――」ダキッ 京太郎「ああ。宥――」 チュッ 宥「えへへ、しちゃった」ギュゥゥ 京太郎「玄には内緒な」 ガラガラ 玄「ずるいのです!!」バーン 京太郎「く、玄!?」 玄「むぅ……おねーちゃんばっかり」 京太郎「悪かったよ、ほら。玄も来いよ」ギュッ 玄「あっ」 チュッ 京太郎「これでおあいこだな」 玄「……うんっ♪」 宥「むぅ!」 宥と玄 二人の姉妹と付き合いながら 252 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/15(水) 22 52 52.29 ID ssBmfdOBo [24/30] 【京太郎達の部屋】 京太郎「いたた、腰に来たな」トントン 玄「お風呂掃除任せて……ごめんなさい」シュン 京太郎「いいって、力仕事は俺に任せろ!」ニィッ 宥「えへへ、じゃあマッサージしてあげる」グイッ 京太郎「おわっ」 ドサッ 宥「動かないでね……」サワサワ 京太郎「おいおい、手つきがいやらしいぞ」ハァ 玄「んー? そうかなぁ」モミモミ 京太郎「ごはんじゃなかったのか?」 宥「先にアナタがいいな♪」 玄「もう、待てないよ……」ギュゥゥ シュルシュル パサッ 京太郎「ちょ、待て! 今日はお客さんも――」アセアセ 宥「れろっ」ジュッ 玄「いっただきまーす」カプッ 京太郎「おぅっふ!?」 ガラッ 憧「ねー、ちょっと聞きたいことが――」 穏乃「今度みんなで行く旅行のこ――」 灼「ちくわ大明神」 晴絵「やっぱり私の車じゃさー」 京太郎「あっ」 宥「むぐっ?」ジュプッ 玄「あむあむっ」コロコロ 四人「」 京太郎「こ、これはちがっ!」アセアセ 穏乃「……るい」ボソッ 京太郎「へ?」 穏乃「ずるいよ二人共ー!! 今日は私の番でしょ!」プンプン 憧「まるでサルねー、呆れた」ハァ 灼「え? 今日は私とハルちゃんで3人の日じゃ……」 晴絵「勝手に私を入れないで」チョップ 玄「早いもの勝ちなのです!」ドヤァ 258 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/15(水) 23 03 24.90 ID ssBmfdOBo [25/30] 宥「そもそも京太郎君と付き合ってるのは私達だよぉ」 玄「そうだよね? 京太郎君!」 京太郎「あ、ああ」 憧「でもさ、この旅館のスペシャルコース……忘れてないでしょうね?」 宥「うっ」 玄「それは――」 そう、スペシャルコース 財政難に陥った松実館を救うために、作り出されたものだ 晴絵「宥と玄が認めた会員限定で、旅費を倍払うと……一晩京太郎君を独り占め出来る」 穏乃「だから今日は私達!」 宥「うぅ、だってまさか予約が一日で二年分もくるなんて思わなかったもん」シクシク 玄「しかも全国で知り合った友達のほとんどだよぉ」エグエグ そうなのだ まさかそんな条件に乗る人はいないだろうと、知り合いの女性雀士に声をかけたところ…… まさかの予約殺到 今更後に引けず、予約を受けてしまったのだ 京太郎「お陰で恋人とゆっくりもできないんだよ」ハァ 憧「腐っても元アイドルってことでしょ?」 灼「期待を裏切られたファンに謝罪の気持ちで接しなきゃ」 京太郎「それを言われると、確かに」 この間の蒲原さんは凄かったな あんなに激しいのは……初めてだった 宥「もう締切ったから予約は増えないけど、あと二年も……」シクシク 玄「京太郎君ごめんなさいぃ……」ポロポロ 京太郎「いいっていいって。むしろ俺の方がごめんな」ナデナデ 穏乃「だから私達は一晩で五人で済ませちゃおう!」 憧「他の予約者にもなるべく団体で回すように言ってあるから」 晴絵「早ければ一年以内には自由の身よ、多分」 京太郎「あ、あはは……一年も休み無しか」アセダラダラ 宥「うぅっ、私達も……」 玄「うぇぇん!」 京太郎「な、泣くなよ!」アセアセ 265 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/15(水) 23 16 10.61 ID ssBmfdOBo [26/30] そして――月日は流れ 照「京ちゃん!! 京ちゃぁぁぁん!!」プシャァァ! 咲「ああっ、京ちゃん!!」ガクガク 洋榎「これ、アカン! あかんってほんま……//」ブルブル 絹恵「い、イってもうた……」ガクッ セーラ「お、女や……今日から俺は、私は女や……」アヘアヘ 胡桃「」ビクンビクンッ まこ「……わしは、どうして」ギュッ 優希「この優希ちゃんが絞りとってやるじぇー!」グニュグニュ 和「こんな形でも、私は――」ダキッ 一「もう、共演の約束破って馬鹿! でも……好きだよ」ギュッ 純代「んあー」 靖子「カツ丼プレイでもやるか」ササッ 春「好き、好き! 好きぃ」チュチュチュ 華菜「華菜ちゃんとヤれるなんて運がいいんだし! うにゃぁぁ♪」ジュポ 貴子「須賀ァァァァ! わ、私は初めてなんだ! や、優しく――」モジモジ 霞「あら、簡単に終わらせないわよ?」ニヤリ 明華「……せめて、私の胸の中で」ギュゥゥ 菫「絶対に私は屈し――あ、あぁっ、で、出るぅ……」ジョロジョロ はやり「絞りとっちゃうぞっ☆」ヌポヌポ 美穂子「若……今でも、私は」ギュッ 透華「全く、財政難なら私を頼ってくだされば――あひっ♪」ゾクゾク 久「久しぶりねー。今日は楽しませてもらうわよ?」ペロリ 煌「す、すばらっ! すばらぁぁっん!」ブシャァァァ ※その他もろもろはカット ~~一年後~~ 京太郎「ぜーっぜーっ!」ハァハァ 宥「凄い!」 玄「予約はあと一件だよ!」 宥「今日で最後だから……頑張ってね」 京太郎「や、やったぜ……」フラフラ さて、最後の相手は誰だ? ガラガラ 京太郎「失礼します」ペコリ ?「……」 270 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/15(水) 23 24 15.51 ID ssBmfdOBo [27/30] ?「久しぶりやなぁ……」 京太郎「あ、アナタは!?」 / / / // ´ ̄ ヽ / / / | l | | . i. / / | / / > ´ /, ′ | l | | . l / /... | i /ァ===ミ、 ヽ /イ . j_| | . │. ′. リ、 ;《 ん干ハ\ 〃 j\ イ / . /|. / . / ∨ | { ト ノ ' ,ノ / ヾ }/} \ __/ .′ ′ { ヽ{ ゝ こソ =ァ=/ / ソ/ / \ / / ! ∧ 。 ん干ハ㍉ / / ヽ.′ ′ |... ∧__ . ' .' . { ト ノ ′|} / / /// . i|.. | { 、 ゝ こソ //彡 //..... i|. |∧ ヘ / / ノ... i| l ∧ 「 、 . ' .' .° ′ノ┬=ァ ´ i| | / . ` -- ′ , イ / / / j| l / \ / / // j| |/ 丶 ___,,.. イ ../ / i| ト / / i| ../ /-=ニニニム {ニ\ / / i| . ,′/ 竜華「元気そうやね」 京太郎「竜華さん!」 竜華「怜とセーラから聞いたで、物凄かったって」カァァ 京太郎「……」 竜華「アイドルより、こっちの方が合ってたんかな?」 京太郎「それは……」ウツムキ 竜華「うそうそ、そんな話をしたくて来たんやないから」 京太郎「え?」 竜華「……うち、ずっと京太郎君に言いたいことがあったんよ」 京太郎「……」 竜華「でも、もう遅い。あの時、松実さん達より早く言っていれば――また違ったかな」 京太郎「それは――そうかもしれません」 竜華「あはっ、気ぃ使わんでええのに」シュルッ パサッ 京太郎「……」 竜華「ねぇ、抱かれる前に一つお願いがあるんやけど」 京太郎「……はい」 竜華「好きって、言うてくれへん?」 京太郎「……それは、できません」 竜華「そっか、ごめんな。無理やりこんなことさせて」ウツムキ 京太郎「いえ……俺の方こそ、ごめんなさい」 竜華「……ばかっ、そない謝られた方が……ひっ、みじめ、ぐすっ、やわぁ」ポロポロ 京太郎「……」ギュッ 竜華「好き、好きやったんよ……ばかぁ、ばかぁ!」ポカポカ 京太郎「……」ズプッ ギシッ ギッギッ そして、最後のスペシャルコースの客は無事、帰っていった 274 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/15(水) 23 33 26.21 ID ssBmfdOBo [28/30] 【一週間後】 ゴシゴシゴシ 京太郎「ふぅ、こんなもんか」 ガラガラ 宥「アナター!」 玄「京太郎さぁん」トテトテ 京太郎「おう、どうした?」 宥「これ見て……」 ドッサァァァ 京太郎「え? ナニコレ?」 玄「予約の手紙。電話もさっきから鳴りっぱなしだよぉ」 京太郎「え? えっ?」 宥「スペシャルコースじゃなくてもいいから、泊まりたいって電話が……」 玄「ど、どうしよぉ」 京太郎「どうしようって言われてもなぁ」 お客さんから予約が来てる以上、受けないわけにはいかない それが松実館を盛り上げて行くために必要なら 京太郎「やれやれ、しばらくゆっくりできそうにないな」ハァ 宥「うぅ、折角ゆっくりできると思ってたのに」 玄「京太郎さんと羽を伸ばしたいよぉー」エーン 京太郎「二人共、そう落ち込むなって」ナデナデ 二人には悪いが、俺は少しだけ期待してる 流石に体を重ねるのはもう勘弁だが…… また、みんなと会える 騒がしくて、辛くて、大変でも…… きっと楽しくなれるから 京太郎「だから、一緒に頑張ろうぜ」ニッ 宥・玄「……うんっ♪」パァァァ ここはみんなが楽しくなれる場所 アナタも、松実館へ来てみませんか? 京太郎「美人女将姉妹が、出迎えてくれますから」 玄「今ならイケメン支配人も!」 宥「あったかい……」 ガラガラ スイマセーン ヨヤクシテイルモノデスガー 京太郎「せーの!」 三人「松実館へようこそ!」ニカッ これが、俺の選んだ道なんだ 【ED2 松実館へようこそ】 314 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/16(木) 21 44 21.24 ID aMaFph1wo [2/15] 【前回までのあらすじ】 声優デビューも順調にこなし、新たな活躍が期待される京太郎 そんな彼が事務所で目にしたのはメイク担当松実宥の妹、松実玄であった 早速挨拶を交わす京太郎だったが、突然目の前で松実玄は心停止を起こしてしまう 混乱に包まれる事務所、京太郎は玄を救う為に心臓マッサージを行うが…… 京太郎「よみがえれぇぇ!」モミモミ ドクンッ 京太郎「どうだ!?」 . .―― ―. .、 . ´ ` ー.、 / \ \`\ / \\ \ \ / ヽ ヽ_ヽ _ _ \ \. / i ハ 、 ハ } ヽzz ヽ ). ! ヽ ハ/ヽ } ヘ//∧_V ヽ. ! ヽ .レへzz VVノ ゙ー'´'┘ヽ ヽ. V { イ//∧ 、 l/l/lヽ \ V トとつ´ V ヽ V ミ l/l/l , ┐ / ヽ l rへ\ し  ̄ / ∧ V ハ \ヽ / ∧ V ゝ―´  ̄ヽ ―― ヘ\_ ―、 \-、 V ∧ 〉 \ \ \\ヽ V j ┴――ハ__l \ . へ ヽ ヽ \.ヽ i // ト 〃 . . \ \ \ ヽ'、 | く \ / ⌒ >ト ._ 、_\ ヽ、ヽヽ | \ \ \ . . ∧\ . . / \ ヽ \、 i \  ̄ヽ ノ .ヽ \/ ハ } ヽ i /`\ ` ヽ、 7 . . ト、__} V ', i ト\ \ \ \⌒ ̄ `ヽ !\ 玄「んぁっ……やぁ……//」モジモジ 京太郎「おっ!?」 竜華「い、生き返った!?」 宥「玄ちゃん!」 玄「お、おねーちゃ……」パチッ ムニュン 玄「ふぇ?」キョトン 京太郎「あっ……」モミモミ / .. .. .. / . . . . . . . . . . . ./ | . . .ハ . . . j . . . .} ゚。 |\ . . . . .| .. 。 .. .. .. .\ / .. .. .. / . . . . . . . /|__;.ム斗 ./ | . . .し . .;\_} . |__ ゚。. . . .| . ..゚。 .. .. \ .゚。 / .. .. .. / .i . . . i . /│ ./ | .′ | . . . . . ./ Ⅵ 。 . . | . . .. 。 .. .. .. }ⅵ /....... . ., . . . | . . . レ彡| ./三ミ {、 | . . . ./ 彡=リ三ミト、 . .| . . . . ゚ .. .. .. | リ / .. .. . . ′ . .| . ./〃 リ リヾ 、 . . . ./.〃 ヾ 、リ . . . . i .. .. ..| / .. .. . . イ . . . . .| /il{ }li } . ./ il{ }li | . . . . | .. .. ∧ / .. .. ./ |. . . . . リ il{ }li l/ il{ }li | . . . .| . . .. .∧ / .. ./.. . . .|. . . . . .| ミト、 ィj/ ミト、 ィj/ | . . . .| . . . .. .∧ j ./ . .. . . . .| . . . . . | ゞ=====彡 ゞ=====彡 │ . . .| . . . . .. ∧ イO/ . .. . . . . .| . . . . . |////////////////{ . . . .| . . . . . .. ..∧ / ..// . .. . . . . . .| . . . . . |、 r――――― 、 ι ノ . . . .| . . . . . . . .. ∧ / .. ..// .. .. . . . . . . .| . . . . . | .\ ι | | イ | . . . . .| . . . .゚ , . . .. ..∧ / .. .. ..// . .. . . . . . . . . | . . . . . | . . 个 . . ノ ---―‐ ____} . . 个 . . .| . . . . .| . . . . . ゚。 . .. .. ∧ 〃 .. /|〃 . .. . . . . . . . . . | . . . . . | . . . .ハ . . .≧==- __ -==≦ .ハ. . j . . . .| . . . . .| . . . . . . |i .. . . . .∧ / ../ l/ .. . . . . . . . . . . . | . . . . . | . . / } . . . . / { } \ . . . / }. . . . . | . . . . .| . . . . . . }ト . .. .. ..∧ 玄「きゃぁぁぁぁ!!」パッシィア!! 京太郎「エルスマンッ!?」ズシャッ 318 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/16(木) 21 55 39.90 ID aMaFph1wo [3/15] 315 確かに閣下超えは言い過ぎだね ただ弱フォームよりは確実に強い 316 すげぇ妥当 ~~~数分後~~~ 玄「ご、ごめんなさいっ!」ペコリッ 京太郎(包帯)「いえ、こちらこそ」ペコリ 竜華「ごめんな、うちらがやればよかったんやけど……」 久「慌てちゃってて何も出来なかったわ」 宥「玄ちゃんごめんね……」シクシク 玄「ううんっ、悪いのは私だから」アセアセ 京太郎「悪いも何も突然心臓が止まるなんて、誰のせいでもありませんて」ウンウン 久「(恐らく原因は京太郎君でしょうけど)」ズバリ ガチャッ 社長「ん? おお、揃ってるねぇ」 京太郎「あ、社長!」 竜華「おじさん、どこ行っとったん?」 社長「ははは、ちょっと野暮用さ」 京太郎「こっちは大騒ぎだったんですからね」ハァ 社長「いやすまない。それよりも、既に松実君とは話したかね?」 京太郎「はい、挨拶程度なら――」 社長「そうか。それならまだ話していないようだね」 京太郎「え?」 玄「京太郎君、私ね――」 r ' ´ `ヽ..、 ./ \ ./ \ / / / ! ヽ ヽ / / 从 j | ヽ ヽ ./ / / //! !| ! l ` ヽ i l i i j i l || | | |! | l ! ! .! l | j!_ _ !!j. ! l.! ! ! !! ! _ _ | ! ! ! | ! ナ! `!'!ー!-!.! | ゙卅!フ´! ヽ| ! | .| | ト !.ヽ | .! ヾ.ヽ !ゝ | 〉_ヽ\ ! | l .! | !〉!,rチテ心ヽ`' Y. \ !フテ亦ヽ、 ! ! ! | | !∥{ } { }ヽ 〉 | | | | ト! ゝ) oノ 〉.) oノ Y! ! | | ! !}.  ̄ ̄ ,  ̄ ̄ l'| | | .| | ト ! ''''' __ ''''''' ! ! j j } ! !、l /´ ヽ .j/! l / .ヽ ! ! \ { j .ノ j j / 〉、 ! ! ゝ、 ゝ、 ゝ-- ' ___ r '_/ / / 人 ./ 〉、 V, ! ヽ` ー'`- ' ´ ./ j // / ヽ ノ'´´/ \ ヽ r-っ rv-、/ / ノ /.〉`ヽ \ ,/ / ` ゝ 、.} /__./_ )-、_ rヘ´ヽ. ヽ / r'´ .ヽ ゝ../ r ‐' ./ ̄ ` '' 、)_.r´)r ' ̄ ̄`ヽ / `ー- ' { ゝ l ).ノ' Y , r' .} ノ \ .j j.{ { __,, r '´ } Y ` ./ ` ヽ、 __ l l __ ,, ' ヽ }/ \ { ゙゙゙ { ノ .| } 宥「ダメッ!!」バッ 玄「っ!?」ビクッ 319 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/16(木) 22 05 08.23 ID aMaFph1wo [4/15] 京太郎「宥さん?」 宥「……」ジィッ 玄「うぐっ!?」 竜華「ちゃんと最後まで話させてあげたら?」 久「そうね。松実さんだけの問題じゃないでしょう?」 宥「でも……」 京太郎「あの、話が見えないんですが」 さっきから姉妹で険悪な空気だし…… 一体何でもめてるんだ? 社長「うぉっほん。それはだね……彼女、あーつまり妹の玄君の方だが」 そこまで言って社長はちらりと宥さんに視線を向ける 少し間を取り、いくらか思案した後に……そのまま言葉を続けた 社長「彼女も、君のメイク担当になりたいと希望していてね」 京太郎「!!」 玄「……」モジモジ 宥「むぅっ……」 社長「正直、これがそこいらの人間なら断るところだが……現メイクの実の妹じゃないか」 京太郎「それは、確かに」 社長「何より、君をここまでの容姿に磨き上げた宥君の妹。その実力にも期待出来る」 京太郎「ふむ……」 久「それに、宥さんあまり学校にも行けてないのよ」 京太郎「えっ?」 宥「ぎくっ」ビクッ 竜華「成績はええし、進路も決まってるしで順調やけどね」 玄「おねーちゃんのお友達、寂しがってたよ? それに憧ちゃん達も……」 宥「そ、それは……!」 玄「だから、私が半分こすれば無事解決――」 宥「く、玄ちゃんには無理!」プンプン 玄「むぅっ! 分からずや!」プクーッ ペチペチ! ポカポカ 久「とまぁ、さっきからこんな感じなのよ」ハァ 京太郎「(可愛い姉妹喧嘩だなぁ)」ホノボノー 324 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/16(木) 22 17 18.11 ID aMaFph1wo [5/15] ~~五分後~~ 玄「うわぁぁぁん! おねーちゃんがぶったぁぁ!」ビエーン 宥「玄ちゃんが意地悪する……」ウェーン 京太郎「どうするんですかこれ……」 久「どうもこうもないでしょ。決めるのは京太郎君よ」 京太郎「え? 俺っすか!? 竜華さんの考えは……?」 竜華「うちは新しいメイクさんに入ってもらうのはええと思う。でも、玄ちゃんは来年受験やし」 京太郎「確かに……」 かといって宥さんに無理させる現状はどうにかしたい 奈良と東京の往復は大変だし…… 竜華「大阪も大変やけどなぁ」ボソッ 久「長野もね」ボソッ 京太郎「いつもお世話になっております」フカブカー 社長「うーん、いっそ寮でも作るかね」アハハハ ガシッ 社長「ひょ?」 竜華「それって素敵やん」 久「その話もっと具体的に……」ググググッ 社長「ぐぉぉぉぉ締まりゅぅぅぅ!!」ジタバタ ギャーギャー ワイワイ 松実姉妹「エグエグ」ゴシゴシ 京太郎「……」 さて、どうする? ここは男らしく決めないとな…… 多数決安価↓2より先に3票 ゾロ目無し 1 はっきり断る 2 玄を面接する 3 宥VS玄のメイク対決を開催する 4 もうOKしちゃう 332 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/16(木) 22 29 54.46 ID aMaFph1wo [6/15] 京太郎「よし、分かりました!」 玄「え?」 宥「ど、どうするの……?」ビクビク 京太郎「そもそも、俺はまだ玄さんの事をよく知らないんですよ」 玄「うっ!?」 京太郎「なので、雇うも何も……分からないというか」 宥「そうだよねっ!」パァァ 玄「……」ズゥゥゥン 京太郎「だからその……」 玄「えっ?」 京太郎「面接してみるのって……どうでしょう?」 宥「!?」 / / ... / ′ / . . ..... ./. / ! . . .i ..! . ..... { . . . . . ハ /. /.〃/ ...../ ′'. | i . . . . | i _{__| .| . . .i | . .../  ̄`ヽ/ ふ ' // ′ /斗 十 | . . . . . . }}ハ ハ { ≧ト| / な な な ぅ {// { /|i 八 {=从 { i N孑弐{ミト∨ | ′ る. る .る (. i 从 {イァ う{ミト爪ト . ! ん) ハヽト、 { | ほ ほ ほ ). |. | \《 { } ヽ\{ { リ | ヽ! ど ど ど む. | ! |ハト.乂__ノ ー ' | < | 八 | | i /i, , , /i/ , } }i 人 __ ノ\ (__) l . i. / 厂「{ { ` ー― ´ / { | V 入 { ̄`ソ }/} }/ l.| | { |人 ∨ >... ` . ィ升| / 八 { 京太郎「どうですか?」 玄「おまかせあれ!」ニコッ 宥「……」ムスッ ポムッ 竜華「そんなに目くじら立てんでもええんやない?」 久「そうよ。もっと自分に自信を持たなきゃ」 宥「……はい」シュン 京太郎「それじゃあ。面接を始めますけど、準備はいいですか?」 玄「うん!」 ( ) i ニlニ○ _L/、 / (⌒ ⌒) { cト ´ | ノ ⌒ ーノ{__ノ て人_) . ―― .. / .. . . . . . . . . . . . . . ` ..、 ' . . . . . . . . . . . . \ / / . . . . . . . . . . . } . } .. / } ハ / . ′. . } 斗/L/! . . . / 、i . . .}...... .  ̄ / . | ... . /| . / j/ | . . /} /リ|\| . .}.‘ ― { /.! |. . .. | / -- _} /ノ' /十/,「 ..ハ .i rぅ' ,| .| . .| ;{z≦三 三ミメ.| /| .ト{ \ / { V | .| . .|´i `| | .| | .|/ . , . . . l |/// 、__ /// | .i! .! {i { ハ . 込{. __ (__ ノ .ィ} リ| 乂 / . ∧ . .V/⌒ヽ.--r >ォ抓/ ./ |′ / /. . . . /\ ハ´  ̄`V ´  ̄`∨ /| ( )イ. / . . . . / /\ { { 小{ (⌒ ⌒) // . . . . . . { fノ |! 人.} .{ て人_)./ . . . . . . 人 ,八 ノト{' . . . . ./ . . . ト、 / 乂 / . | 玄「(わざわざ面接してくれるってことは、受かったも同然だよね)」エヘヘ 339 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/16(木) 22 37 50.82 ID aMaFph1wo [7/15] 京太郎「ちなみに、始める前に一ついいですか?」 玄「何かな?」ワクワク 京太郎「面接をする以上、俺は玄さんを赤の他人と思って接します」 ____ ___ ,, ´ ` . / \ . \ {___j⌒ヽ ゚。 / .ヽ ___,ノ ノ { / / | い / --- ´. / \__/ .ィ /! .ハ ‘ , ‘, ゚. 乂,ノ /ー――― { | i | | ∨ . | | | ゚◯. / | |丁¨{丁{│ . .. i| ¨v 丁¨` | | .゚ i i | |ハ!ハl リ い、 小 乂{\ | | i | ハ | | ,ィ宍ミト } \ ..゚。ィ宍ミトぃ.. | | || | | |〈 _)トJi | `¨ _)トJi | 〉| | | || | | l ,込rク 込rク . ...| | リ | | |i 。 。 | | |. { } ト . ' ' ' ′ ' ' ' イ .l | C| | ハ へ / | 。. ! / ||i { 个 .  ̄ イ ,゚ .,゚ .| | ||ハ 。 i > ___ ィ i{ / / j{ | || ゚。 ゚。 i r‐| |┐ }/ / ハ | || ゚。 ゚。/ \ / \ / / .,゚ ゚, |i ゚。>''ゞミ{ ,八八 ノイ、| | | ィリゝヘ r=====ミ___,ィ=====ュ | ト、 ..| 玄「ほへ?」 京太郎「つまり、宥さんの妹でもなんでもない一人の人間として見るってことです」 玄「……???」 京太郎「基準を満たしていないと判断したら、迷いなく断りますので」 玄「きょ、京太郎君……?」 京太郎「京太郎ではありません。私は面接官です」キリッ 玄「ひっ!?」ビクッ 京太郎「では、指示があるまで外で待機していてください」 玄「で、でもっ」オロオロ 京太郎「……チッ」ギロッ 玄「うぁっ……」ビクビク 京太郎「もう一度言いましょうか?」 玄「わ、分かりました……」トテトテ ガチャッ バタンッ 京太郎「……竜華さん」クルッ 竜華「はい! なんでしょうか!」ビクビク 京太郎「いや、何ふざけてんですか?」 久「……」ビシィッ 京太郎「久さんも何礼儀正しく座ってるんです?」 宥「……」ガタガタガタガタ 社長「ふむ、どうやらさっきの京太郎君のオーラに飲まれたようだね」アハハ 京太郎「あはは、アレは演技ですよ演技」ニコッ 三人「え?」 京太郎「ちょっと、真剣な玄さんを見てみたくて」テヘヘ 341 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/16(木) 22 47 22.83 ID aMaFph1wo [8/15] 宥「そ、そうだったんだ……」 久「驚かせないでよ!」ベシッ 京太郎「あだっ!? でも、さっき言ったのは本気ですよ」スリスリ 竜華「……一人の人間として見るって、話?」 京太郎「はい。だって、俺が今までメイクを任せてきたのは宥さんですから」チラッ 宥「!」ドキッ 京太郎「だから、例え妹さんでも……俺達の絆に、簡単に割り込んでは欲しくないかなって」ポリポリ / | | ハ | ii ヽ / / | | / /| | i.i ヽ i / | | / /_Lノ| | |.iヽ ヽ | / / | | _; r- ''ナ´| j.| j| | i 〉 ヽ ル 1 j j / | , r ' ´ ノ / _.j j | /| j`\ 1 i i / j / | |´ // / .j / | /.j / 、 |.1 ヽ | |.i | / | | | ///--- j/__j / j / .|i .| | j i |/ | ノ| | /_イr===t''ヾ / ノ /'' __.'_ .| / リ リ iリ | / | //o心 ミリ`/ / /' ==ミ、j ノ| / / / i |/ | |∥ .《毛 卅ii ' '´ ワ ミヾ |i ノi ノ i | '´`ヽゝ |.` つゞ 乍彳 ii リ }.///r' i |´⌒ヽ | | 弋 少 .っ ノ '7 | i | | i  ̄ ̄ .ヾ / | | ヽ | i | ///// .| | ヽ | i i ヽ ///.| | ヽ |\_ 1 i .| | ゝ_ `ゝj-1 i ,_ .| | \`'イ. ヽ 1. ゝ、____フ __.丿 | \ \ヾ 1 , r ' ´ ` ヽ、 j \ ヽ 1 , r '´ \| _ゝ、 \ ヽ , r 、ゝ -, /⌒i / .ヽ´ 1-、 ゝ- \ -/´ ヽ ヽ / .ヽ .1 .| 、 ヽ 、 / ヽ ヽ ヽ' | i | 7 ヽ、 _ノ、 ヽ 〉 〉 | / | ./ヽ 宥「京太郎君……//」ドキドキ 京太郎「だから、竜華さんも本気で見極めてください」 竜華「……分かった」ギュッ 久「それじゃあ、私達は横で見てるわね」 宥「私も、もう反対なんてしない」 京太郎「いいんですか?」 宥「うん。私が間違ってたって分かったから」エヘヘ 京太郎「?」 宥「(ちゃんとあったんだ……私と京太郎君の絆)」ギュゥッ ~~~その頃 扉の外~~~ 玄「……」 | /〃 斗-- 、 ヾメ、ヽ / /. / / / /} | | / / {~⌒ヽ_ V》. { / / / / // / / /} ヽ/ぃ 十 ヽ | { / r'⌒ヽ } ` レ / ' / / / / / // (__ j⌒) | | ん 〃⌒) v‐ ' } / / ⌒// ./ / / / ー l Ⅳ __{ {{ し' 〃 / / / 斗=≡メ // / / ⌒) .フ|'⌒) | ( ゝ⌒) `- ´ ./ / / , -‐-ミx / /} / / レ| α | 〉- <\\\\ .// ./ { )ヾメ/ / / | | | { ノ \\\\\ ′' >-=' 〉ヘ / / 廴ノ .| |l. } /´ { { { し 〃 }}/ / ├ ナ 八 { { 乂` `ー=' _/ /' /}/ / _ト、 '⌒) ヽ} } ′ \\\/ `ヽ}/ / / | ー や \ 斗-―- \\>- r' \/ | | ⌒) / \ ヽ { ⌒~`ヽ __ } j \,′ ハ | / /⌒し ヽ \ `ヽ // j / } | : 344 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/16(木) 22 56 10.68 ID aMaFph1wo [9/15] 玄「……」ソワソワ ガチャッ 玄「!」ビクッ 久「準備が出来ましたので、どうぞ」ニッコリ 玄「ひゃ、ひゃいっ!」ギギギッ スタスタ 玄「し、失礼しましゅ!」 ゴゴゴゴゴゴゴッ 京太郎「どうぞ、お座りください」ドッドッドッドッド! 竜華「……」ドドドドドッ!! 玄「……はい」ナミダゴエ ガチャッ 京太郎「それでは只今より面接を始めたいと思います」メガネクイッ 竜華「まずは名前と自己PRをお願いします」メガネクイッ 玄「じ、じこぴーあーる?」 京太郎「……」 竜華「……」 玄「は、はいっ! 松実玄です!」ガタッ 京太郎「はい」 玄「(え、えと自己PRは……)」ドキドキ 選択安価↓3 1 ファッションに興味があり、勉強している 2 実家が旅館を経営しているので、家事が得意 3 麻雀で全国大会に出ました 4 おもちソムリエ2級の資格を持っている 5 自慢のおねーちゃんがいる 371 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/16(木) 23 10 13.83 ID aMaFph1wo [11/15] 玄「えと、その……」オロオロ 京太郎「……何も無いんですか?」 竜華「……」 玄「う、うぅ……(ダメだよぉ、何も思い浮かばない)」フラフラ 京太郎「無理にいいことを言おうとしなくても結構ですから」 玄「……(そうだ、ここで黙ってても始まらない。少しでもアピールしなきゃ!)」ギュッ 竜華「(結局手助けするんやね)」クスッ 京太郎「……(俺も甘いなぁ)」 玄「実家が、旅館を経営しているので……よくお手伝いをしています」 竜華「そうなんですか?」 玄「はい。なので家事や炊事は得意です」 京太郎「……」カリカリカリ 竜華「……」ヒソヒソ 玄「(でもよく考えたらメイクと何も関係ないよぉ)」ショボーン 京太郎「分かりました。では次に質問をさせて頂きます」 玄「はいっ!」 竜華「御社のメイクを希望されているとのことですが」 玄「は、はい。どうしてもやりたくて……」 京太郎「では、志望動機をお聞かせください」メガネクイッ 竜華「お聞かせください」メガネクイッ 玄「!!」 選択安価↓3 1 ただなんとなく 2 京太郎君の大ファンだから 3 ファッションが好きだから 4 おねーちゃんばっかり羨ましいから 5 大切な人と同じ景色を見たいから 378 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/16(木) 23 21 47.14 ID aMaFph1wo [12/15] 玄「志望動機……」 京太郎「……」ジィーッ 竜華「……」ジィーッ 玄「私にはとっても大切な人がいまして」 京太郎「?」 玄「その人は誰よりも優しくて、私の自慢だったけど……実はダメダメなところも多くて」 竜華「……」チラッ 宥「玄ちゃん……?」 玄「私がずっと傍にいなきゃダメだなって思ってばかりの毎日でした」 京太郎「……」 玄「でも、そんなダメダメな人でも。 私のことになると急にかっこよくなって……助けてくれて」 竜華「……」ジィッ 玄「そして気がつけば……私がいなくても誰かの為に役に立っていて。私は……置いていかれてしまって」ギュゥッ 京太郎「(玄さんも……俺と同じ、だったのか)」ドクン 玄「だから、私もその人と同じ位置に立ちたい。そこに立って同じ景色を見たい!」グッ 京太郎「(想いは、本物なんだな……)」 玄「私は……おねーちゃんに負けたくない!」 , r ───-- 、 r '´ `ヽ、 ./ \ / ヽ ヽ ./ / / | ハ ヽ ヽ ヽ / / / l j | | } ヽ ヽ ヽ / { { ノ ノ} ル リ、} ハ ヾ, } ハ .{ | 」; 斗七´/.} /.} リノ }`ト;、 } } l ; ;} } ! { ! ! ノ' /`/' .j // .リ | 外| l ト| .| l | | /,r=≠ミ / ノ ' ,r=≠ミ/ |リ | ハ} .| | | | 《{////゚} ´ .{//゚/}.ヾ| |/' ' .| | | | ヾゝ//ソ リ゚/ソ∥! Y| .| | l | , , , , , , , .j | | ! l { { l | ! } l l { .j リ | .} i l ト、. ⊂⊃ .ノ j | l 〉 〉 V>、 rl'´リ / リ .} ∧ W、 ゝ、_.|_` ー __, ィr<、 | /' / / ノ ヽ ヽ \ヽ  ̄ ` ヽ、{ _, r' フ / / / r‐'ヽ ∧ / / ∧、 ,/' / .∧ l ヽー- ./ ∧ \// , r'ー- ∧l ヽ ー-- j / ) 、 ヽ ヽ/./ / `> 〉 } l /r'´ `ヽヽ )! { /ヘ ノ , ト-- ___, -{ { ハ V V ∧ ノ' .| } `ー-'´ ヽ、 l ゝ /.} 宥「玄ちゃん……」ウルウル 京太郎「なるほど、分かりました」 竜華「座って頂いて大丈夫ですよ」 玄「あっ……」サァァァ 379 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/16(木) 23 27 17.55 ID aMaFph1wo [13/15] 玄「(緊張のあまり、頭が真っ白になっちゃった……)」フラフラ 京太郎「……」 玄「(どうしよう、あんな恥ずかしいこと言っちゃった)」ズゥーン 竜華「では次の質問に」 玄「は、はい!」 京太郎「松実さんはメイク担当を志望ということですが」 竜華「具体的にどの様にうちの須賀を仕立てていきたいですか?」 玄「!」 京太郎「(この質問は重要だな)」 竜華「(宥さんと二人いなければならない理由。それを証明できなければ――)」 玄「……」 選択安価↓3 1 新しいメイクを考える 2 ファッションに力を入れる 3 肉体改造をメインにする 4 ヘアーセット 5 分からない 385 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/16(木) 23 42 01.20 ID aMaFph1wo [14/15] 新しいメイクを考える 宥の一強 肉体改造をメインにする 煌の一強 ヘアーセット 竜華・宥の二強 玄「あの、私なんかがこんなこと言うのは……その」モジモジ 京太郎「?」 竜華「遠慮はいりませんのでハッキリ言って、どうぞ」 玄「……須賀京太郎君はファッションセンスが無いと思います」 京太郎「」ガハッ 竜華「」ビチャッ 玄「その、おねーちゃんもそうなんですけど」 宥「」カキーンッ 久「冷たっ!?」 京太郎「そ、それは……」ブルブルブル 竜華「」チマミレ 玄「正直、顔と服装が噛み合ってないと思う。その服、し●むらで買ったみたい」バッサリ 京太郎「」 ガシャァァァァン ガクッ 竜華「きょ、京太郎君!?」 玄「だから、ファッショニストとして京太郎君を導きます!」 ピシィィィン!? 久「(ここでメイクを破棄!?)」 竜華「(新たな職を開拓!?)」 京太郎「」チーン 宥「」カキィーン 久「やるわね。確かにこれまで京太郎君の服装には手をつけてこなかった」 社長「というより、手をつけようとしていつも失敗してたんだよね」 竜華「がはっ?!」ブシャッ ズボンを用意しなくて股間を晒したり、ウェディングドレスを身にまとったり そのうち、京太郎の顔や髪型だけに気を遣うようになり…… 服装はまるっきり見向きもされなくなってしまったのだ 389 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/16(木) 23 51 09.01 ID aMaFph1wo [15/15] 玄「(あれ、なんだか風向きが……)」 京太郎「」 竜華「」 宥「」 玄「……」 / . . . . . . . . . . . ./ . . . . . . . . . | . . . . . . . . | . . . . . . . . . ゚。 . . . . . . . . . . . . . . . . } } . .| . . . . . . . . | . .| . . .| . . . . | | | . | . . . . // . /| . . . . . . . . | . .| . . .| ... . ゚ | . .| . . . | . . . . . ト、! . . .// . / . . . . . . . | | . .l . . .| |i . . . } | . .| . . . | . . . . . |.ノ`≧ュj/,_./i. . . . . . . jム斗匕} |i . . . | | | . .| . . . | . . . . . | .ノ=云=ミ イ . . ./ノx=云リ jノi . イ / | . .| . . . | . . . . .i|/_人 +ハ / ./ _人 +ハ‘, }. . // j/ . . . .゚, . . .| . . . . .i| マY . oノ マY . oノ/厶イ!{ / . . . .゚。. | . . . . .i| ー'″ `ー'゙ / | | ′ . .___@∨ . . .i| . . . . . . ′ . . . . . | |/ . . . ´ ハ 。 . .八 /ー―‐1 { / | . . ./ 、| ヘ ゚。 . / )、 { } ィ ∧; ┐ 逆転のチャンス! . / / ̄)/ / . 、 > ゝ--- ′< ノ /// ′ _ | 丁 | |` ミ \ ̄/,,_ |彡"彳/ / .___ | 、__) ー | ,. ┐t'⌒{ } 入 | r v // r― ′! r‐、} '^ | | {ニ=- ∨ _ノ┴ュ'′/ } 〈_/ \ し ー |ニニニ{ニ}ニニニニ} / ,ノ、 rヘ,_〉 } / ニニニィ¨ト=ニニ7 { ‘,  ̄} .. イ∧ /ニニニ/ マニニニ\ , /し' . / ゝ /'⌒ヽ/ マ> ´ \ / i } 玄「ふっふっふ、勝負はもう着いたのです」ニヤリ 京太郎「」ガタガタガタガタ 竜華「ひぇっ」 玄「これからは私が京太郎君の下着から上着まで管理するんだからね」フフフ 京太郎「はひぃっ……お願いしますぅ」ビクンビクン 竜華「」 宥「」カチコチ 玄「ふぅ……」フキフキ .. ---- . . ≦ ミ . / . . . . . . . . . . . . \ / . . . . . . . ヽ . .... .. . ./. . .. .. .. ..\ .. .. ヽ ∨‘, / ./../.. . . ./ ./ . . . . . .i . . . . . .ヽ . . .. Vヽ . ∨ハ / \′ . . . .' . ′ . . . . | . . . . . . . . . . . . .Vハ ....ノ i / .7T..ト.... . i i| i . . . .{ .|、 { . . . . ハ . . . ト .i一 . . | ′/.. |.. |、 . ./| .|{ | . . . .ト { \ .、 . . / ヽ | . .. i .| / .. i|.. { .\ | ハ {、 . . .廴__ 斗< . | . . .| . | . .. | .. | il . . ii 八 { { |≧十\ ∨ ,. `| . . ..ト | . . | .{. | |!.. . ,| .. .トド\ _, ` z.、__レ| . . .|´j . . ..| . ( \ / ) {_.}_} r‐ ,| { . /l| . 小≧==' '^ ´` ̄´`! . . |' } . . ..| . { \ \/ / _| |_/ ) 八| ハ| . . { .i xxx , xxx | . . . |_,} . . ..| . .i . / (__ __ ヽ __ (__) | . . 八 | . . . }V . . .. . . { / 〃 | | ) } (_ ヽ .イ i! . . | i .. 丶 ノ , . . ./ i . . . i . . { {____. | | (_ ノ ) } 〃{ .} . .{ | i >... イ/. . /i ,′ . .八 .l 乂 ___ ) ._ノ (__ノ { i. { ハ . . V |l . . .} .r } ̄ __ ノ/ . ./ ./ . . . . i{ . . {. 八从 , .∧ .{ リ ノ 入_/'i{ /ィ / / . . . . / { . . . . ∨ . . . .\V‐≦ムイ /》___.ノイ 7 . . . . /廴 .. . .八 /;.. . . . . ./ \}! r‐〉ォ´ ̄ }ノ / . . . ./ , ヽ .∧. / / . . / ノ{{ '介′ i{ ./ . . . ./ / ∨. ∧ ノイ .. . . ./! く 廴. / .|乂 __人/ . . . ./ / i . . . __ノ/ .. .. 厶}/ \ ノ{ /j__ 斗-/ . . .. / i / { . ∧ 玄「完全勝利なのです!」ドゥルルルルルルヤァァァァァ!!! 松実玄が仲間になった テレレッテ、テーレー♪ 400 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/17(金) 00 09 03.48 ID jnGVy/Tho [1/8] ~~数十分後~~ ワイノワイノ 霞「それで、こういう状況なわけ?」 久「まぁ、そうなるわね」 菫「なるほどな、それにしても……」 玄「これも似合う!」キャッキャッ 京太郎「そうですか?」シャッ 宥「それに私のメイクを……」ペタペタ ~~京太郎変身中~~ 京太郎(容姿S)「どうですか?」キリッ 竜華「……//」ポーッ 煌「んはぁっ……//」ゾクゾク 透華「抱いて欲しいですわ……//」モジモジ はやり「服装だけでこんな――//」ジュンジュン 菫「全く、驚かされるな……//」ハァハァ 美穂子「ご立派です、若!」 明華「ジュテーム……//」カァァッ 霞「まぁ悪くないわねぇ……」ジュルリ 京太郎「でも、俺にこんな服合いますか?」 玄「大丈夫、すっごくカッコいいよ!」ウデクミッ ムニュン 京太郎「!?」 宥「むぅっ……!」ギュッ ウデクミッ ムニュッ 京太郎「!?!?!?」 こ、これは!? 両手におもち……じゃなくて、両手に華!? 京太郎「ほぁぁぁ……」 玄「おねーちゃんには負けないもん」 宥「私だって、玄ちゃんには負けないから!」 バチバチバチ ムギュゥゥゥン ムニュゥゥウン 京太郎「」 須賀ホーン「何の為に戦うのかって、もう迷いなど無いのさ」ビィィィン 407 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/17(金) 00 20 14.23 ID jnGVy/Tho [2/8] 401 確かに、いや待て透華お嬢様と華菜ちゃんを入れれば両手両足に華が!? こうして、専属スタイリストをも獲得した京太郎 その存在は果たして吉となるか凶となるか 現時点で吉にしかなってない気もするが……果たして!? 女性陣「きゅぅぅぅ」アヘアヘ 京太郎「みんなダウンしちまった……」 霞「あら、私は平気よ」 京太郎「霞さん!」 霞「ふふ、この間の収録よかったらしいわね」 京太郎「はい! 霞さん達のお陰です」ニカッ キラキラキラッ 霞「んっ……//」プシッ! 京太郎「霞さん?」キョトン 霞「ん~~~、はぁっ、はぁっ……アナタ、普段からサングラスでもしておくべきね」カァァァ 京太郎「??」 霞「そ、それよりも初声優の感想はどう?」 京太郎「そうですねぇ……思った以上に難しかったです」 霞「そうね、実際に動くのとはまた勝手が違うし」 京太郎「はい」 霞「でもこれはいい経験になるわ。それも、すぐに役立つわよ」 京太郎「え?」 霞「ライダー、やるんでしょう? あれもアテレコがあるじゃない」クスクス 京太郎「あっ! そうか!!」 そう、変身する前の演技はともかく、変身時…… つまり、スーツアクターさんの演技に声を当てる必要があるんだ 京太郎「うわぁ、難しそうだなぁ」ポリポリ 霞「ええ。それに特撮の場合は生身でのアクションも多少はやらないとダメでしょうね」 京太郎「あ、アクション!」 そうか、ソルサキでは指揮が大変だったけど……今回はバトル要素もあるんだよな 410 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/17(金) 00 34 06.68 ID jnGVy/Tho [3/8] 京太郎「うがぁぁあ! なんだか不安になってきたぁぁ!」 霞「あらあら」 京太郎「霞さん、俺できますかね!?」 霞「そう言われても、どうかしら?」 京太郎「うぅっ」ズゥーン 霞「……(正直、ここで仕事をしくじってもらった方が都合がいいのだけれど)」ウーン 京太郎「……」ションボリ 霞「(まだよ。まだ私と契るには早いわ、宿すなら全盛期の彼の子でないと……)」チュルリ 京太郎「?」 霞「なんでもないわ。それより、アクションに不安があるんでしょう?」 京太郎「は、はい!」 霞「なら、その道のプロに意見を聞くのはどうかしら?」 京太郎「その道のプロ?」 それは一体――!? 霞「どうせすぐにお世話になるんだし、今から会いに行ってみましょう」 京太郎「???」 霞「さぁ、付いて来て」 ガチャッ 京太郎「あ、待ってくださいよ!」トテトテ 霞さんの言うプロって誰なんだ……!? 【●映 スタジオ】 京太郎「こ、ここって前に来た……」 霞「そう。ファイズの撮影を行ってるスタジオね」 京太郎「も、もももしかしてその道のプロって……!?」 キュウケイデース ??「ふぅ……」スタスタ 京太郎「あ、あぁっ……」 霞「あれが、もうすぐもうひとりのアナタになる予定の――」 タカイワ「この時期でも暑いなぁ」スポッ 霞「スーツアクター、タカイワセイジよ」 京太郎「う、うぉぉぉぉ!! かっけぇぇぇぇ!!!」 タカイワ「ん?」 京太郎「あ、あの! 初めまして! 俺は――!」 タカイワ「ああ、知ってるよ。須賀君だろう?」ハハッ 京太郎「あ、ありがとうございます!」ペコリ タカイワ「最年少ライダーか。君の動きを真似るのは骨が折れそうだよ」クスクス 京太郎「い、いえ! そんな!」アセアセ 413 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/17(金) 00 51 56.62 ID jnGVy/Tho [4/8] タカイワ「それで何か用なのかな? 剣の撮影はまだ先だったと思うけど」 京太郎「あ、えと。実はですね……」 ~~説明中~~ 京太郎「ということで。俺もアクションをこなしてみたいんです!」 タカイワ「なるほど。若いアイドルなのに偉いね」 京太郎「え?」 タカイワ「今までそんなことを聞いてきたのは君以外にはいなかったよ」クスクス 京太郎「そ、そうなんですか?」カァァァ これは意外と好感触っぽいぞ! これなら色んなことを教えて貰えるかも!? タカイワ「でもね、そう言われてもこればっかりは簡単には答えられないな」 京太郎「えっ……?」 タカイワ「見たところ結構鍛えているようだけど……これを見てくれ」スッ ムキィィィン 京太郎「す、すげぇ!?」 なんて筋肉!? 1mgたりとて無駄の内容に絞り込まれた筋肉はまさに……一流の美術品のようだ! タカイワ「わかるかい? これはトレーニングによって生まれたものじゃない」 京太郎「まさか、アクションを繰り返して――」 タカイワ「そう。そのお陰で今は……」シュッ シュシュシュシュシュシュシュシュシュッ タカイワ×5「「「「「こんなことも出来るようになった」」」」」 京太郎「す、すげぇ!? タカイワさんが五人に見える!?」 シュルルル タカイワ「訓練すれば数年でこれくらいは簡単だ。二人くらいまでならアクターは誰でも出来る」 もっとも三人以上の分身は才能が無ければできない そう、タカイワさんは続ける 京太郎「……」 タカイワ「分かるだろう? 君が今からアクションをかじっても大した変化は無い」 京太郎「でも……」 タカイワ「諦めて、もっと他のことで番組を盛り上げ――」 京太郎「でも! 俺はやれることをやりたいんです!!」カッ!! タカイワ「!?」 シュシュシュシュッ 京太郎「うぉぉぉ!!」キュッキュッ ブゥゥウン タカイワ「こ、これは!?」 京太郎×3「「「ぐぬぬぬっ!!」」」ブゥゥウン 424 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/17(金) 01 10 07.05 ID jnGVy/Tho [5/8] ズルッ ドシャッ 京太郎「あべっ!?」ゴチィーン タタッ 霞「ちょっと、大丈夫?」 京太郎「いたた……」 タカイワ「信じられない……ちょっといいか?」スッ ヌガシヌガシ 京太郎「た、タカイワさん!?」 タカイワ「(なんて筋肉だ……しかも、瞬発力の白筋と持久力の赤筋の両方をもつピンク筋の割合が多すぎる)」 京太郎「恥ずかしいですって」モジモジ タカイワ「(多いどころかほぼ全身だぞ? 一体どうすればこんな体になる……!?)」ゾワッ 霞「あら、いい体ね」ナデナデ 京太郎「あふんっ」ゾクゾク タカイワ「……須賀君、だったね」 京太郎「ひゃ、ひゃひっ!?」 タカイワ「……君には才能がある」 京太郎「え?」 タカイワ「勿論、特訓も無しにいきなりスーツアクターは無理だし、君が数年修行しても俺にはまだ及ばないだろう」 京太郎「そ、それはそうですよ!」 タカイワ「(ふふ、10年経てば今の俺、いや……どのアクターをも凌ぐ逸材になるだろうが……惜しい)」ゴクッ 霞「……」 タカイワ「そこで、君は今回なるべく自分で生身のスタントをやるべきだ」 京太郎「生身のスタント?」 タカイワ「知ってる人も多いが、引いたアングルでの落下シーンや戦闘なんかは俳優じゃなく俺達が代役でやっている」 京太郎「あ、知ってます。怪物に殴られたり、水に落ちるシーンですよね」 タカイワ「そうだ。しかし、君ならそれらに耐えられる肉体がある」 京太郎「!!」 霞「でも、安全面が……」 タカイワ「確かに危険もある。だが、これをやり遂げれば君は歴史に名を残すことになるぞ」 京太郎「!!」 タカイワ「……決めるのは君だ」 京太郎「……」 タカイワ「ただでさえ、今回は異色の作品だ。最年少のアイドルライダーに、女性ライダーが三人」 霞「叩かれるのは確実ね」 タカイワ「だが、君がただのアイドルでないことを証明し、昭和のアクション性を取り戻せれば――」 評価は、180度変わるかもしれない 京太郎「お、俺は……」 427 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/17(金) 01 21 47.33 ID jnGVy/Tho [6/8] 426 無ければ取ればいいんじゃないかな?(すっとぼけ) 【帰り道】 テクテク スタスタ 霞「……よかったの?」 京太郎「何がですか?」 霞「ほら、返事を保留にしたでしょ?」 京太郎「ああ、それですか」 霞「怖くなっちゃった?」 京太郎「いえ、そういうわけじゃないんですけど」テクテク 霞「じゃあ、どうして?」 京太郎「……竜華さんに相談せずに決めたくなかったので」アハハ 霞「ふーん」 京太郎「……」 本当はやりたい でも、怪我をする可能性がある以上俺一人で決めることは憚られる もう、竜華さんに相談せずに突っ走るのはやめたいから 京太郎「だから、ちゃんと許可を貰ってみせますよ」ニィッ 霞「ふふ、貰えるといいわね」 テクテク 京太郎「……」 自分でも信じられないくらい、順調にアイドル活動は続いている 最初は雑誌の仕事、それからパンフレット ドラマに出て、いいともに出て、アニメのアフレコもやった 京太郎「順調、なんだよな」 霞「?」 清澄のみんなとも仲直り出来たし、事務所のメンバーもたくさん増えた 何も不安になることは無い このまま俺はトップアイドルを目指すだけでいいんだ 京太郎「さぁ、早く戻りましょう」 霞「ええ」 だけど、この時の俺は知らなかったんだ 人気者になるということ、トップアイドルになるということが―― 壁)??「……」ニヤァァ つナイフ あんなにも辛く、大変だということを つ づ く 536 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2014/01/20(月) 21 34 44.63 ID UqfxTpV/o [7/17] 【アクセル1】 スタッフ陣「きゅぅ」バターンコ 京太郎と霞が東●スタジオに出向いているその間 スタッフ陣が京太郎の容姿Sにあてられ、ダウンしていた頃のことである 竜華「ダメや、力入らへん……」ヘナヘナ 宥「うぅ~」 透華「あなただけいればそれで満足ですわ……」ムニャムニャ グデーン どいつもこいつも惚けきった顔でよだれを垂らしている みっともない光景ではあるが、相手が相手だけに致し方ないようにも思えた そんな死屍累々の中で、一人だけ早期的に意識を覚醒させた人間がいた 煌「さて、そろそろ起きましょうか」スクッ そう、花田煌である この中でも1、2を争うほどに京太郎に対する耐性を持っている人物 煌「ふふっ、またまた隠しファイルが増えるかな?」ニヤリ 同様に、どっぷりと中毒になっている人物でもあるのだが―― 煌「さて、皆さんを起こし――」 ハナテココリニキザンタユメヲ♪ ミライサエオキザリニシテー♪ 煌「あら、電話?」キョトン 突如なりだした煌の携帯 慌ててディスプレイを覗いてみると―― 携帯「白水哩」ブーブーッ 煌「部長?」 着信の主はかつで自分の通っていた学校の先輩 それも、麻雀部でお世話になったあの白水哩だ 煌「はい、もしもし」ピッ 待たせてはいけないと、すかさず通話ボタンを入れる しかし、いくら待っても相手からの返事は無い 煌「部長? どうかしましたか?」 煌も不審に思い、もう一度問いかける すると、携帯の向こうからすすり泣くような声が聞こえることに気がつく 煌「部長!? 泣いてるんですか!?」 哩『っ……花田……久しぶりなのに、ヒック、申し訳なかとよ……』 煌「い、いえ。それよりも急にどうしたんですか?」 ようやく哩の声が聞けて安心したのも束の間 すぐに煌の頭の中は不安という絵の具で彩られて行く 煌「(あの部長がこんなに取り乱しているなんて……)」 自分の知る白水哩という人物から想像できないほどか細く、弱りきった声 これが――何を意味しているのか煌には全く想像もできなかった
https://w.atwiki.jp/sangamaki/pages/11.html
憩さんと付き合い始めて今日で1年、なのだが俺と憩さんはここ1ヶ月の間会っていなかった 憩さんは麻雀部に顔を出さなくなっていたこともあって、俺たちの会話は減っていき、恋人という関係はメールで保たれていた あの人当たりの良い憩さんのことだし、俺よりも良い人に告白されて付き合っているのかもしれない あの優しい憩さんのことだし、それを俺に伝えようとしないのかもしれない そんな考え、不信感を俺は募らせていった そんなある日、憩さんからデートに誘われた、答えはもちろんOK 不安と希望、その2つを抱えて俺は待ち合わせ場所に来ていた 憩「遅いで!京太郎くん!」 京太郎「まだ待ち合わせの1時間前ですよ!?」 京太郎「しかも今日は少し冷え込んでるのに」 憩「気にせんといてや、そーれーに」ニギッ 憩「こうすればあったかいから」 憩「ほな、行こか」ニコッ 相変わらずこの人は……まったく まだ秋に入って間も無い季節、歩く道が明るく見えた 近くの公園、服屋などなど普通のデートコースを回った そして夕暮れも近くなったころ、俺たちは本屋に来ていた 憩「勉強始めたんや、やっぱり医学部やないとダメなんやって」 憩「せやから最近会えなかったんや……ごめんな」 京太郎「じゃあこれからも会える機会は減ってしまうんですか?」 憩「……ごめん」 京太郎「別にいいですよ、お家のことは仕方ないですし」 京太郎「そうとなれば早く帰って勉強しないとですね!」 憩「京太郎……くん」グスッ 京太郎「ああもう、泣かないでくださいよ」 憩「だって、だってぇ……」ポロポロ 京太郎「…………ちょっと俺、見たい本があるんで行ってきます」 と、二つ目の参考書コーナーに向かって行った 京太郎「これが憩さんの受けようとしているところか」 さわりの部分を読んでみる、が 京太郎「何語だよ、これ」 どうやら俺にはまだ難しすぎるみたいだった まあいいや、段々できるようになればいい、俺だって成績は良い方なんだし 会計を済ませて憩さんのところに戻る 京太郎「もう泣き止みましたか?」 憩「……うん」 京太郎「それじゃあ行きましょうか」 今度は俺が憩さんの手を握って会計へ 会計の人からは「なんでこいつ彼女と一緒にまた同じ本買ってんだ?」というような目で見られた 本屋を出て、いつもの公園に来た 憩さんと初めて寄り道した公園、一緒にたこ焼きを食べたあの公園に 憩「なあ、京太郎くん」 京太郎「なんですか?」 憩「えへへ、呼んでみただけや」 京太郎「憩さん憩さん」 憩「何や?」 京太郎「呼んでみただけです」 憩「えへへ」 京太郎「あっはっは」 憩「……ふぅ」 憩「京太郎くん、しばらくこうさせてぇな」ギュッ そう言って、憩さんは俺に寄りかかった 幸せそうな顔をしていて、なんだか愛おしかった 憩さんはいつもは笑ってるんだけど不安なこととか心配なこととかあるんだろうな ……俺もそのうちの一つになれているのだろうか、少しだけ不安だ しばらくすると、憩さんは眠ってしまった。可愛らしい寝顔をしながら この人ともっと仲良くいるために、ずっと側にいるために頑張らないとな 少しほっぺをぷにぷにと押してみる 憩「むにゅにゅ……」プニプニ 可愛い。 憩「ふぁぁ、ウチ寝とったんか、ごめんな」 京太郎「全然ですよ、寝顔最高でした!」 憩「よ、よだれとか大丈夫やった?」 京太郎「舐めておきました!」 憩「な、なめ!?」カァァ 京太郎「まあ嘘ですけどね」 憩「むーっ!京太郎くんのあほー!」プンスカ! 怒った顔も可愛い、というか笑いながら怒ってるんじゃないか?何気に凄い気がする こういうときは…… 京太郎「憩さんはいつも笑顔で可愛い」 憩「え?」 京太郎「憩さんは笑顔無しでも可愛い」 京太郎「憩さんは天使で可愛い」 京太郎「憩さんはちょっぴり淫乱可愛い」 京太郎「憩さんは頑張り屋さん可愛い」 京太郎「憩さんは……俺の恋人可愛い」ギュッ 憩「な、ななななっ!///」 京太郎「ほら、こんなに憩さんの良いところを挙げられるんだから、アホじゃないですよー」 京太郎「……とまあ、簡単に言いますと、好きです」 京太郎「会えないときは苦しかったです、ずっとずっと好きです」 京太郎「これからも、ずっと一緒にいてくださいね」 憩「なんや、そんなこと……」 憩「当たり前やで」ニコッ 憩「ウチやってずっと一緒にいたいんやから」 京太郎「…………うっはぁ~」 京太郎「良かったぁ~いやぁ実は憩さんが他に彼氏を作っちゃったんじゃないか、って思ってたんですよ」 憩「そんなんありえんですーぅ」 京太郎「ですよねー」 ああ、良い雰囲気だ。そういえば昔面白い話があったな、憩さんならわかるだろう 京太郎「……憩さんといると、月が綺麗ですね」 憩「月?……確かに綺麗やけど……なに?」 その後、俺は「月が綺麗ですね」の意味を憩さんに夜通し教えた……教え込んだ